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ヘビーシンキングミノーの最適性を追求して…

< トラウティンスピンインターボロンX TRBX−53MTH >




 従来のシンキングミノーでは攻略不能だった渓流の深層ゾーン。D−CONTACTをはじめとする重いシンキングミノーの登場により、これまで手付かずだった層に潜む獲物達もミノーで狙えるようになりました。そして更なる深度を攻略可能とする「D−DIRECT」の登場など、今後もヘビーシンキングミノーというカテゴリーはより一層充実してくるものと確信しています。
 しかし、これらヘビーシンキングミノーはその特性上、どうしても従来の渓流用ロッドでは快適な操作性を実現しきれていなかったのも事実です。

 2005年2月ニューリリースの「トラウティンスピン・インターボロンX」を開発するにあたり、ヘビーシンキングミノーの操作性を追求したモデル「TRBX−53MTH」をラインナップに加えることができました。これまで充分に引き出すことの出来なかったヘビーシンキングミノーのポテンシャルも、このロッドなら存分に引き出す事が出来ます。


● 開発のきっかけ〜開発段階〜フィールドテストへ

 1秒間に5〜7回ものトゥイチングを与えてもボケることがなく、それでいてフックアップに持ち込めるティップ、ベリー、バットを有したロッド。D−CONTACT(4.5g)〜6gミノーをストレスなくキャストでき、アクションさせられるトゥイッチング専用のロッドを作ること。これが2003年夏にスタートした自分の53MTHコンセプト。
 即答性に優れたティップを求めると弾かれる、フックアップに持ち込めない、バラシが多くなる、等の現象が現れる。そうした現象を排除でき、なおかつハイスピードトゥイッチなどのアクションを与えられる即答性を落とさない限界のティップとするのに非常に苦労した。

 テーパーデザインとケブラーという素材をティップサイドに使うことでかなりの問題点が解消し理想に近付いた。しかしキャスト精度にやや問題があり、バランスも今一つしっくりこなかった。5ftからスタートしたロッドレングスは試行錯誤の末5’3”となり、前述の小さな問題点をも解消した。
 ロッドは素材、テーパーデザイン、レングス、その他パーツなどの全てのもののバランスで完成するという、当たり前のことを痛感した。それが2004年7月。

 完成後の釣行では例年になく大型のトラウト(35cmオーバー)との出逢いに恵まれた。その回数は10数回にも及ぶ。

 知恵をたっぷりつけた大型のため、根に潜られたり木化けされたり、流れに乗られたりしてノーキャッチが多かった(これはロッドの性能のためではなく、自分の技術不足であることを明言しておきたい)。中には45cmUPという一生に一度とも思える魚も含まれた。9月末までのテスト釣行で今までにない大物との度重なる出逢いにこの53MTHの優位性を感じた。


● 開発コンセプト

  1. トゥイッチングによるミノーのダンス特性を100%引き出せるロッドであること

  2. ミノーウェイト4g〜6gをストレスなくキャスト出来、アクションを加えられるロッドであること
    (スペック的には2〜8gになっているが4〜6gがジャストマッチ)

  3. 美しく、機能的であり、道具として所有することに誇りを持てるロッドであること


● 製品の特徴

開発コンセプト1に答応

即答性に優れたティップと40tカーボンを主にボロン、ケブラーをコンポジットしたシャキッとしたブランクスによりロッドアクションの伝達速度をTRBXシリーズ中最速とした。
(夏山女魚などに見切られない為に、1秒に5〜7回ものトゥイッチを必要とするケースがある。他のロッドではティップがブレてしまって不可能)

開発コンセプト2に答応

D−CONTACT(4.5g)とD−DIRECT(6g)を使い倒すことに特化しているロッド。

開発コンセプト3に答応

・ 天然木タイガーメイプルスペーサー(ヒビ割れ、吸水を防ぐ為に国宝木像の修復時に使用される樹脂を含浸)

・ 様々なリールフットにフィットするセレクトフットシステム(PAT.P)

・ 確実な固定を約束するテーパーロックシステム(PAT.P)


 ヘビーシンキングミノーの威力をまだ体感されていない方には是非、そして既に体感済の方もこれまで以上にミノーのポテンシャルを引き出せることに驚きを感じていただけることと思います。

 ヘビーシンキングミノーにはこの専用ロッド、TRBX−53MTHを自信を持ってお勧め致します。



開発担当 : 平本 仁





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