知られざる製品開発の裏側をお見せします



<僕たちナマズ党>
(その1)  (2)  (3)  (4)


つり人社「Basser誌 4月号」に於ける取材時に、ナマズに関するトークを収録しました。編集者の問いかけに対し、ナマズに魅せられたアングラー2人が答えるスタイルです。対話形式にて書き記してありますので、今後のナマズゲームの参考になれば幸いです。

(今回の内容は、つり人社様のご好意により実現いたしました。この場をお借りしてお礼申し上げます)


● ナマズに魅せられたアングラー、鯰人達のプロフィール

鈴木 隆夫

釣り歴48年。JBTA(現JB)創生期に活躍し、優勝を含めて入賞多数。USオープンにも5回の参戦経験をもつ。トップウォーターの釣りを好み、乗合船での沖釣りと磯の石物以外の釣り全般を楽しんでいる。

谷中 洋一

スミス企画開発課所属。ナマズ専用ロッド「鯰人」、ナマズ専用ルアー「キャタピー」を世にリリース。


子供と小物釣りに出かけたらナマズがいた

Basser ナマズとの出会いをお聞かせください
鈴木 「15年くらい前に神奈川県の鶴見川の近くに引っ越したんですけどね。ある日、子供を連れてその流れにクチボソやオイカワを釣りに出かけたら、近くにいたほかの子供が“ナマズがいるよ!”って叫んだので、駆け寄ってみたら本当にいて…。それで一旦ウチに帰って、その晩、トップウォーターの道具を持ってやってみたらいきなり釣れちゃったんです」
谷中 「大きかったんですか?」
鈴木 「45pくらいでしたかね。でも出方がエキサイティングだったんですね。バスと違って、何度も何度も出てくる。バッコーン、バッコーンって。それで虜になりました」
Basser それからは、ずっとナマズのファンですか。
鈴木 「そうですね。夏の娯楽というか。いいシーズンに、ふらっと自転車を漕いで出かけるという感じです」
谷中 「いいですねぇ」
鈴木 「バスのトップウォーターって釣れないことも多いじゃないですか(笑)。それで悔しくてがっかりして帰ってきた後で、近所のナマズに癒してもらうってのもいい(爆笑)」
Basser たしかにナマズのファンって、バスとか何かほかにメインの対象を持っている人が楽しんでいるケースが多いですよね。同じようなポジションの魚にライギョもいますが、こっちは”ライギョ命!“みたいな感じでディープなファンも多いのに対して、ナマズはライト感覚で楽しんでいるファンが多いような気がします。

鈴木 「谷中さんとナマズの出会いは?」
谷中 「小さい頃、親父に連れられて出かけた茨城での釣りです。“この時期、ナマズがたくさんあがってくるから…”って、状況を選んで連れて行ってくれたんですね。五行川っていう流れの深みでした。よく釣れましたねぇ」
Basser どんな釣り方ですか?
谷中 「ミミズを付けたぶっこみ釣りなんですけど、釣れ始めたら、もうラッシュでした(笑)。45〜50pくらいのが連続で」
Basser ルアーの対象として捉え始めたのはいつ頃でしょう?
谷中 「父と行った川でも、何度目かからは、西山徹さんの本を参考にして“スプーンで釣れるらしい”っていうのでやってみたんですよ。釣れませんでしたけど。方法がよく分かっていなかったんでしょうね。やっぱりルアーじゃ難しいよねって話で落ち着いちゃいました」
Basser で、しばしブランクがあって。
谷中 「バスの仲間がトップウォーターで釣れるよって教えてくれて。それも、1匹、2匹じゃないよって言うんですよ。とにかくトップで面白いって。それにとにかく何発も出るからって。それがきっかけですね。10年くらい前です」
鈴木 「それはどのあたりですか?」
谷中 「神奈川県の相模川。いやぁ、そのへんにしかいないと思ってたんです。実際、あまり身近な魚だとは思っていなかったんですね。ですから、自分の家からは遠距離なので、しばらくは1年に2、3度しか行かないって感じでした。それが、意外に身近な魚だってことが分かってきまして…。ハマりました」

生活圏にいる身近なゲームフィッシュ

Basser ナマズ釣りの魅力ってなんでしょう?
鈴木 「身近ってことでしょうか。丸1日つぶすっていうんじゃなくって、空いた時間に近所で遊べるっていうのが大きいですね」
Basser たしかに鈴木さんと鶴見川の関係はそうだと思いますけど、ほかの地域でもそういう可能性は高いですか?
谷中 「まだまだ釣り場が開拓、紹介されていないだけで、全国には意外に身近でナマズが釣れる場所があるはずなんです」
鈴木 「あっ、ここにもいたんだ!っていう感じの所がね」

Basser ゲームフィッシュとしての魅力は…
鈴木 「やはりルアーへの出方の激しさでしょうね。足元でも出たりするし、魚によってはあの魚体でエラ洗いしますからね(笑)。サイズだって、多摩川あたりでは70pとか大きいのが釣れますから、ヤワなタックルじゃとても太刀打ちできない。大げさになっちゃうけど、アマゾン気分を近所で味わえるってイメージですね(爆笑)」
谷中 「僕はね、まずあの可愛らしい顔がたまらないんですよ。なんとも言えない顔をしてる。ボケっとした愛嬌のある顔ですよね。茨城県の霞ヶ浦でアメキャ(アメリカンキャットフィッシュ)が釣れるけど、あれは同じナマズの仲間でも、ちょっと…ねぇ。アメキャはグロいんですよ、顔がね。それにナマズはトップウォーター前提で、すごくイージーに魚が出てくる。魚さえいてくれれば、教科書どおりに出てくれるんです。下手すると、ずーっとルアーに着いてきて最後に食ったりしますよね」
鈴木 「足元で食うもんね。ピックアップ寸前にも…」

Basser ナマズ釣りって初心者には難しいでしょうか?
鈴木 「いやぁ、日が陰ってくれば全然難しくないですよ。むしろ簡単ですよ。魚がウロウロ動き始めますし。川だったら湖みたいに広くないから攻める場所も決まってきて、絞りやすい。ルアーの対象魚としては、むしろ初心者向けではないでしょうか」
谷中 「ほかでも真昼間でも釣れるところがあるみたいだし、ちゃんとルアーさえ投げられればね」
Basser それは、狙ったスポットに正確にキャストできれば…ってことですか?
谷中 「いや、それよりもむしろ、ねらったラインをトレースできることが大切ですね」
鈴木 「日中で、水がクリアなところではピンスポットねらいですけどね。この障害物のこのエグレにはいる!って思ったらその際ギリギリ、10p以内には落とさないと。絶対に。そうすればナマズは着水と同時に出ます。でもね、日が陰ってくると、ナマズたちはそういった陰から出ようかどうしようか悩み始めます。そうなったら、障害物の向こうに落として、その際を舐めるように引いてくれば間違いなく出ます。引いてくるラインをどう設定するかですね。そして、もっと陰ってうす暗くなってきたら、完全に浅場に出てきてウロウロしますから、さらに簡単になります」


例えば、3面護岸内に生える植物群の根周り。
昼夜問わず好スポットである事間違いありません

例えば、昼間のスポットとなりうる岩盤の切れ目

谷中 「それにね、何度も言いますがナマズって、同じ魚が何度も出てくるんですよ。だから、ベテランが先にさーっと探って、反応があったら初心者にそこに投げさせて釣らせてあげるなんてことができちゃうのです」
鈴木 「それはよくありますね」

Basser メインの時期はいつ頃でしょう。やはり梅雨前後ですか?
鈴木 「関東なら4月くらいからでしょうね。鶴見川もそうです。」
Basser そんなに早く?
谷中 「開幕していきなりピークになっちゃう事も多いんですよ(笑)。水路筋とかのことは詳しくないんですけどね。いずれにしても都市周辺の釣り場は早いですよ」
Basser 梅雨じゃないんですね。
谷中 「そうだと思います。1回目のピークは、梅雨少し前ってことが多いですね。で、それから10月くらいまででしょうか」
鈴木 「年によっては11月まで好調ってこともあります。寒い時期でも釣れるんですね」
谷中 「いろいろ聞いてみると12月まで釣ってる人もいるんですよ(笑)」


・・・つづく。


協力:(株)つり人社、鈴木隆夫(敬省略)



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