知られざる製品開発の裏側をお見せします



<僕たちナマズ党>
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タックル考

Basser タックルに関して伺います。バスタックルは流用できますか?
鈴木 「私の場合は、最初、お手軽フィッシングとして始めたので、普段バスで使ってるタックルを流用していたんです。それでも楽しめるのがこの釣りのいいところですしね。でも、だんだんこの釣りが分かってきて、釣れるサイズも大きくなってきたら、抜きあげられなくなってしまったんです」
Basser どんなロッドが向いているのでしょうか?
鈴木 「バットがしっかりしていることが前提になるでしょう。で、意外に大切なのがティップの感度です。流れのあるところでルアーを引いていると、その抵抗がクククッ〜とロッドに伝わって状態を教えてくれるんですが、そのクククッでルアーがどう動いているか、流れのようすがどうなっているかが分かるものなのです。“おっ、今、流芯に入ったな”とか“本流の激しい流れから脇の弛みに入ったな”とか“ひょっとしたらフックが絡んでちゃんとアクションしていないんじゃないか”とか。日中だったら、そんなことは見ていれば分るんですが、暗くなったらロッドに教えてもらうしかない。ですからティップの感度がとても重要になるんです」
Basser ラインはどうでしょう?
谷中 「暗い状況を考えれば、トラブルが少ないということを最優先に考えるべきでしょう。と、すれば、僕はPEやフロロカーボンではなく、ナイロンを選びたいですね。リーダーは付けていません。そして14ポンドから16ポンドがいちばん使いやすいと思います。魚が大きい場合、20ポンドまで考えますが、そうなると飛距離が落ちてしまいます」
Basser プラグはトップウォーターなら全部使えるのでしょうか?
谷中 「基本的に全部OKです。ペンシルベイトでもポッパーでもいいんですが、暗いときにはペンシルベイトは使いにくいですね。ちゃんと動いているかが確認しにくいですから。昼ならOKでしょう」
鈴木 「スイッシャーとかも効果がありますよ。フレッドアーボガストのフラポッパーもよく釣れるルアーです。スカートの効果もあるんでしょうが。ビッグバドもよく釣れるし。あのカンカンッて音が効くんでしょうね」
谷中 「ナマズの場合、音の効果って大アリですね。僕の場合、ミロのスイッシャーを、ペラ2枚重ねにしてカチカチと音がするようにしたものも使ったりします」
鈴木 「ナマズって後ろから追いかけてきて食うことが多いようなんです。リヤフックに掛かる確率が他の魚に比べて高い気がしますね」
谷中 「そうそう。真後ろからついてきて食ってくる」
鈴木 「そして吸い込むようにして食うんだ。でしょ?」


右からベビーバド、キャタピー×2、ジッターバグCFカラー×2

ベビーバド。リアのフックを取り除き、トリプルフックを
1個のみセット。もちろんバーブレス。もしくは前後W
フックに変更して魚のダメージを最小限に抑えたい

Basser 谷中さんはとうとうナマズ専用のロッドを作ってしまいました
谷中 「ナマズをずーっと続けてきたら、やっぱりこのサオのこの部分は○○にしたほうがいいな…とか、こんなふうになっていたらもっと使いやすいのにな…とかっていう要望が必然と出てくるのですよね。それじゃあ、専用ロッド作っちゃおうかって話になったわけです。3年くらいかかっちゃいましたけど。最初はトップウォーター用のロッドをベースに開発していったのです。投げることを考えたら6フィート6インチだね、とか言ってブランクを伸ばしてみたり、寄りをよくしたいね・・・とか言ってパワーをつけてみたり。でも、なんか違うんですよ。ボヨヨ〜ンとしちゃって。そこで、改めて一から考え直して、投げ易さ、そして食い込のいいティップと、強いバットを持った今のタイプに辿り着きました」
Basser 6フィート9インチと6フィート2インチの2モデルが用意されていますね。
谷中 「ひとつは中流域の流れの押しが強いところで使うために開発された長い6フィート9インチモデル。アユがいるようなところには、必ずナマズはいますからね。こういったところでは、スレていなければ足元でも釣れるんですけど、頻繁に釣り人が出入りするような場所だと、対岸のボサの際、島や中洲なんかにもルアーを届けなければなりません。そうなると長めのロッドがどうしても必要になってきます。流れをまたいだ向こう側で掛かってしまうこともあるので、長いほうが魚の寄せは楽ですね。また当然のことながら、手前のブッシュ越しにキャストすることもあります。鶴見川のように足場が非常に高い場合にも有効です。 短いほうの6フィート2インチのモデルはやはり手返しのよさを重視しました。でも6フィートでは物足りないんですね。ボート釣りではないので、足場がいいところばかりでもありませんし、気持ち長めにして操作しやすいロッドに仕上げました」
鈴木 「そうですねぇ。ナマズ釣りをしていて“こんなのがあったら”っていうのが形になったって感じですね(笑)。力の抜けがスムースで投げやすいし、長さが手伝ってとても操作しやすかった」
谷中 「有難うございます」


キャスティング時にスプールを軽くサミングすると、ご覧の通りティップがルアーの飛んでいる方向に引っ張られるのがわかるでしょうか?この画像からも、ソフトティップ感がわかると思います 

ナマズとキャタピーのご対面(笑)

谷中 「また、ルアーに関してナマズ専用となると、ノイジータイプっていうのが前提になりました。さらに、暗くなってからの使い勝手を考えると視認性という要素が大切だったんですね。結構(ナマズ釣りを)やりこんでいる人たちは、ケミホタルなど化学発光体を(ルアーに)背負わせて使っています。そういうのを現場で一緒に体験して“こんな機能を持っているものがあったらいいよね”っていう話になっていったわけです」
鈴木 「私もつけてましたよ!ケミホタル。最初はセロハンテープで貼り付けていたんですけど、使っているうちに外れちゃうので、チューブを使ってとめるようにしました。最初はこんなのを付けたらナマズが逃げちゃうんじゃないかと思ってたんですけどね。でもやってるうちに、付けてるほうが食いがいいような気がしてきましたよ」
谷中 「僕は食いがいいかどうかは分かりませんが、ケミホタルを使うことで、視界が悪い暗がりの時でも自分の集中力がとても高まるんですよ。どこに投げてるか、どこを引いているか、ちゃんとルアーが動いているか…分かるっていうのは、釣りをする上で大きな意味を持っています。流れにどう乗って、どこに流れていくかが分かるのって(意味が)大きいですよ。付けると付けないとではずいぶん釣果も違うと思います」


キャタピー変身術1

キャタピー変身術2

キャタピー変身術3

フィニッシュ

Basser ありがとうございました。今年ももうナマズ釣り本番。新しい釣り場や情報が寄せられると楽しいですね。


・・・おわり。


協力:(株)つり人社、鈴木隆夫(敬省略)


<最後に夜釣りに関する、遊漁規則のインフォメーション>

内水面における各河川において、日没後のいわゆる夜釣りに関して規制されている場所は確実に存在しますが、全体から見ると禁止エリアはさほど多くありません。湖沼に関しては禁止されているところが多いようです。

ここで注意していただきたい点ですが、対象魚となる「ナマズ」は「こい・ふな」同様に、漁業権魚種として魚種認定されているケースが多く、釣りをする河川によっては入漁券が必要となる事です。トラブルを防ぐ為にも、遊漁してはならないエリア、遊漁料の有無に関しては、釣りをする各河川を担当する漁業権者(漁業協同組合)や、内水面の漁場管理委員会等に事前に確認願います。



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