『12/9 吉羽園釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



12月9日 吉羽園

 この日、元々は違う予定を立てていたのだが止むを得ない事情により中止となり、予定が空いてしまった。いつもならば水郷に向かうところだがあいにくの強風予報。そこで急遽吉羽園さんにお邪魔させていただくことにした。

 私の自宅から吉羽園さんまでは朝ならば40分程度で行くことが出来る。かなり近いとも言えるし何度も足を運んでいるのだが、実は吉羽園さんで本格的にバス釣りをするのは2度目となる。

 当日、まだ夜が明けぬ開園時間(6時)間際に到着すると、既に入り口には入場待ちの車がズラリ。ヘラ、トラウトも含め、その人気振りはかなりのもの。バスに関しては開園直後はさほど入場者が多くないと思ったが明るくなるにつれ続々と来園者が続き、岸際は数mおきにアングラーが並ぶという混雑振りになった。


 私は開園直後から釣り始めたがまだ薄暗く冷え込みも半端ではなかった。しばらくはガイドに付着した水滴がすぐに凍ってしまう状況下での釣りとなった。

 まずは岸際から攻めてみる。岸際はゴロタ石が多く入っており少し沖にかけてがブレイク状になっている。まずはこの周辺をレティクルシャッドで丁寧にトレースしていくとすぐに丸々と太ったキーパーサイズをキャッチできた。開始早々にバスをキャッチできたのでこの日の釣果を楽観視し写真を撮影しなかったのだが、その後はバイトが遠のいてしまった。

 というのも、ほどなくして岸沿いに多くのアングラーが並んで入るようになったため、なかなかシャッドを横方向に投げられなくなってしまったためだ。シャッドを岸と平行にトレースできれば確率は良いのだが、これが真っ直ぐにしか投げられないとなると、ブレイクをトレースできる部分が「線」ではなく「点」になってしまうので確率が大幅に下がってしまう。でも、人気の高い釣り場、しかも日曜日なのだからこれも致し方のないことだ。


 そこで釣り方をメタルバイブにチェンジ。これは基本的にリフト&フォールで縦方向に誘いを入れる釣りなのでブレイクよりやや沖に投げてシャクリ上げてくれば「点」ではあるもののその周辺で誘いをかけられる。

 そして狙い通りにバスをキャッチ。陽が上がるにつれてバイトも出始めた。さらに桟橋際にピッチングで撃ち込んだ直後、着底と同時にズシッ!とした重みを感じフッキング、力強いファイトの末にキャッチしたのはコンディションの良いキロフィッシュだった。


 私が使用していたメタルバイブはシーブリットの3.6g。バス用ではなく本来はライトソルトウォーター用の小型メタルバイブなのだが、近年のベイトリールの性能進化に伴いこのクラスであってもバスタックルで扱えるようになった。私が使用しているアブのREVO LTXはこのサイズでも難なくキャスト出来る。いわばメタルフィネスとでも言うべき、ベイトフィネスのメタルバイブ版と考えている。


 混雑した管理釣り場では移動もままならないが、さすがに一箇所で魚を絞り出すのには限界がある。ましてやこの日はワーム系に対する反応が思わしくなかったためなおさらだった。

 10時過ぎになると沖の桟橋に移動したり食事に行く人も出始め多少は移動できるようにはなった。タイミングを見て横引きしたレティクルシャッドで何とか釣ったが、バイトが連発するエリアを見付けることは出来なかった。

 岸沿いの状況が今ひとつと感じ、私も意を決して沖の桟橋からルアーを投げてみることにした。


 関東には何箇所かバスの管理釣り場があるが、桟橋からの釣りが出来るのは吉羽園だけだ。ディープウォーターに直接アプローチすることが出来るため、その気になればメタルジグのバーチカルな釣りなども試すことが出来る。

 しかし、基本的にはオープンエリアへキャストしての釣りが多くなる。部分的に杭があったり水を攪拌する装置が入っていたりもするのだがさほどボトムの変化が激しいわけではない。つまりは、あまり狙い場所を定めて釣りをするという感じではないので、掴み所がないとも言えるかもしれない。

 かくいう私もボートで魚探を用いて、というのならともかく桟橋の上から何もないオープンエリアにルアーを投げるという釣りには戸惑いがあった。

 周囲を見渡すと、魚はポツリポツリと釣れてはいる。季節柄メタルバイブを使っている人が多い。けれども、良い場所を知らずここでの釣りに慣れていない自分が同じようなルアーを使ったところで常連さん並の釣果を得ることは難しいだろう。

 そこで私が用いたのがシーブリットの2.6g。先程までは同3.6gをベイトフィネスタックルで使っていたが、こちらでは水深があるディープフラット狙いということでフロロ3lbを巻いたスピニングタックルでこれを使った。こうすることで僅か2.6gしかないメタルバイブでも逆風を突いて飛ばすことが出来、ロングディスタンスであってもリニアな操作が出来る。具体的には20cm程度のショートジャーク、及びトラウトの釣りで多用されるデジ巻きを用いた。

 さすがにここまで繊細なメタルバイブの釣りをする人はいないだろうと考え、その点をアドバンテージにしたつもりだったが魚はポツポツ程度。けれども不慣れで勝手のよくわからない桟橋からの釣りで結果を出せた点は良しとした。

 魚のヒットはルアーの巻き始めがヌーッと重くなるようなものがほとんど。ヒット直後は魚自体がすんなり寄ってきてしまうのでおかしいと思ったらリールの巻きを加えた追いアワセを入れるのが効果的だった。シーブリットの場合は小さくともブルブルとした明確な引き心地を感じながら使っていられるので、ゴミが掛かってしまった時や魚のヒットは判別しやすい。



 正確なカウントはしていなかったがこの日は7〜8尾のバスをキャッチ。数的には少々寂しい気がするが、吉羽園だからこそ可能な釣り方を存分に練習することが出来、1日を通じて楽しむことが出来た。


 また、この日は埼玉県内でもかなりの強風が吹いていたのだが、吉羽園のポンドは窪地にあるためにかなり風を遮ってくれる。冬場は強い季節風が吹くために釣行自体を断念せざるを得ないケースも多々あるが、ここなら余程のことがない限りは釣りが出来る。冬場限定だが、バス釣りに飽きてしまったらトラウト狙いにスイッチすることも出来るので、その点でもお勧めだ。


【使用タックル】

ロッド ツアラー STC-60TXL
リール ABU REVO LTX-L
ライン FCスナイパー 8lb.
ルアー シーブリット 3.6g

ロッド ツアラー STS-60LR
リール ダイワ 2004
ライン FCスナイパー 3lb.
ルアー シーブリット 2.6g

ロッド ツアラー STS-60LR
リール ダイワ 2004
ライン FCスナイパー 3lb.
ルアー レティクルシャッド50SP

偏光グラス α-sight 50 シューティングレッド


● フィッシングエリア吉羽園

ホームページ : http://www.yoshibaen.com/
TEL : 0480‐48‐0463



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