『6/1 相模湖釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



 ここ数年、たまに足を運ぶようになった相模湖。

 ウイークエンドアングラーである自分が釣り場に対して一番に望むことは、週末であっても混み過ぎることなく自分なりのゲームが組み立てられること。さらに条件を挙げれば、相応の結果が伴ってくれるとありがたい。これらの点において決して100点満点とは言えないものの、自分自身の相模湖への評価はかなり高いものとなっている。

 今年もそろそろアフタースポーンから回復した個体が釣れ始めている頃ではないか、との期待を持っての釣行となった。


5月25日 相模湖

 この日も日相園さんにてボートを借り、湖上に出た。

 相模湖ではエンジン船も借りられるが、私は54lbのエレキのみと手軽な装備で楽しんでいる。そして1人乗りではあるがいつも14ftのボートを借りている。手元に置く必要のないものはボートの後方に置き、頻繁に必要になるもののみ手の届く範囲に置くことで身の回りがスッキリした状態で釣りが出来る点がいい。

 この日の水温は21度台だが、湖水の色がうっすらと白濁していた。


 まずは日相園のすぐ目の前、旧橋桁跡近辺をビッグベイトとビッグバドで探ってみる。周辺のブッシュにはコイが盛んにハタいており、生命感は充分だった。しかし、強気の攻めでそう簡単にヒットが得られるほど甘くはないようだ。

 今度は同じスポットにスパイニーアックスをキャストしてみる。するとその1投目からラインが走っていくではないか。しかもキャッチしたのは33cmのキーパーサイズ。その後、付近の岩盤でも同じくスパイニーアックスでキーパーサイズをキャッチ出来た。

 相模湖は手の平サイズのノンキーパーが非常に多く、ライトリグを用いた際のキーパーサイズが釣れる割合はかなり低いと感じている。それゆえ、朝から立て続けにキーパーサイズが釣れたことは嬉しい誤算でもあった。そして何より、このうっすらと白濁した濁りの中でも魚が釣れることがわかった。



 それでもまずは水の澄んだエリアを探すことにした。過去にも似たような状況の日があり、濁りの中でもポツポツと釣れたのだが水の澄んだエリアではより高い頻度でバイトが得られたことがあった。その日は積極的に動くことをせず水の澄んだエリアを見付けたのはもう遅い時間帯だった。もっと早い段階で水の澄んだエリアを探し出せていたら、と後悔したことがあったのだ。

 依然としてどんどん濁ってきているのか、それとも濁りが収束してきているのか?それによって上流に向かうか下流に向かうか決めるべきだが当日はそれすらわからなかった。広く見て回るしかない。

 54lbのエレキオンリーでは少々キツイものがあったのだが、下は勝瀬橋下流のメインレイクから、上は桂川の「諏訪の滝」周辺までエレキをハイバイパスにして走り回った。しかし残念ながらこの日は全域で水の色が白濁しており、結局はこの濁りの中で魚を絞り出していくしかない状況だった。

 この濁りゆえに見えバスの姿はなかなか確認できず、魚の多いエリアは実際に釣りながら探していくしかなかった。

 濁りが強いと思われるところではコーク、やや薄いと思われるところではウォーターメロンペッパーとカラーを使い分けながらスパイニーアックスをフォールさせていくと、魚の居るエリアでは飽きない程度にバイトが出た。理由はよくわからないが午前中はキーパーサイズが良く釣れた。

 やがて昼を過ぎると東風が強まり水面が波立ってきた。それと共に魚のレンジが下がり、ノンキーパーサイズのバスも次々とスパイニーアックスにヒットしてくるようになった。



 結果、この日は計13本。その内キーパーサイズは5本だった。グッドサイズこそ混ざらなかったが、キーパーサイズが5本獲れたという点については悪くないと思った。


6月1日 相模湖

 相模湖は雨後にすぐ濁りが入ってしまいやすい。そのため数日前に首都圏で降った雨が気掛かりだったが相模湖では降っていなかったようだ。さらに前日の金曜日に相模湖に出掛けていたT専務の話でも本湖の下流部はさほど濁っていなかったとの事で、この日も相模湖に釣行決定。


 しかし桂川上流部では降雨があったのだろう、桂川筋は前週と比較して明らかに強い濁りが入っていた。

 さすがにこの濁りでは厳しいだろうとの予想通り、日相園前の橋桁跡ではノーバイト。ベイトフィッシュの群れが射していた吉野ワンドのマウス部ではキーパーサイズ1本とノンキーパー1本をキャッチしたが、いずれも岸際に投げたスパイニーアックスの着水直後のヒット。たまたま岸際に上がった魚の目の前にワームが落ちたのでは、という印象。事実、レンジを下げたところ全くバイトが得られなかった。この濁りの中では魚の視界が狭く、ワームを見付けられないのだろう。


 何より、朝マヅメだというのにこの日の桂川筋は魚のモジリが極端に少なかった。

 この時点で桂川筋を見切り、メインレイクを一気に下った。すると案の定、青田ワンド〜ねん坂方面まで下ると若干ではあるが濁りが薄いようだ。T専務の情報を信じてここまで下ってきて正解だった。これなら充分釣りになる。

 得意のスパイニーアックスで地道に数を稼いでいくがこの日は手の平サイズのノンキーパーサイズばかり。かといってダウンショットを深いレンジまで落とすと途端にバイトが遠のいてしまう。何か良い打開策はないものか?


 そんな時、目の前のオーバーハング下で落水した小さな虫を捕食する小バスの姿が見えた。それならばと、ホプテーラをラインに結びキャスト。するとホプテーラの後方にバスが浮上してきた。しかも先程の小バスではなく別の個体、デカい。そのバスはホプテーラの下をゆっくりと旋回したかと思いきや、浮上してきて音も無くホプテーラを喰わえ込んだ。

 魚が大きく反転しながら潜っていくのを確認しフッキング。フッキング後は寄せては潜るの攻防戦が続いたが、最後は無事にネットイン。アフターの個体で痩せてはいたが、46cmのグッドサイズをキャッチすることに成功した。その後、ホプテーラで小バスもキャッチした。



 だが、虫パターンに反応する魚はまださほど多くはないことだけは間違いないように思えた。そもそも水面下に見える魚の数があまりいないし、ホプテーラやカクータスを追尾してくる魚も確認できない。本調子でないのは明らかだった。

 しかしその後、桂川筋下流で再びホプテーラに大型がヒット。これも先程と同じくアフターの46cmだった。関東の湖で46cmが1日に2尾釣れるという日も珍しいだろう。




 決して数が釣れる手段ではなかったものの、スレっからしである相模湖の大型バスがここまで簡単にホプテーラを喰ってくるというのは私的にはちょっとした発見であり、今後の展開にも繋がる大きなヒントを得たような気がする。

 何より、これまでほとんど歯が立たなかった相模湖の天才バス達に自らが開発したホプテーラで一矢報いたという事実は、一人の釣り人としてもルアービルダーとしても「してやったり」との充実感この上ない至福の時でもあった。


【使用タックル】

ロッド ツアラー STS-60LR
リール ABU REVO NEOS 2500S
ライン マシンガンキャスト 4.5lb.
ルアー ホプテーラ
フローティングジグヘッド

ロッド ツアラー STS-63改
リール ダイワ 2004
ライン FCスナイパー 3lb.
ルアー スパイニーアックス(ワッキーリグ)
タングステンネイルシンカー1/64oz、ガード付マスバリ#5



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