『11/2 水郷各所釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



 今シーズンはとにかく悪天候に泣かされるシーズンだった。夏季のそれはゲリラ豪雨で、マリーナからあまり遠い場所まで行ってしまうと帰還が間に合わず豪雨に遭うリスクが高まってしまう。いかんせん雷を伴った激しい雨なので、視界を遮られる上に落雷の危険もあり湖上をボートで走ることが出来ない。

 そして秋になるや今度は相次ぐ大型台風の襲来。特に台風26号がもたらした増水は霞ヶ浦水系の水位を大きく上昇させ、釣り人を寄せ付けなかった。ところによっては周辺道路までもが冠水し、水辺どころかその周辺にすら近付く事が出来ない場所もあった。高水位が長引いたことでバスボートのランチングも出来ない状況が続き、仮に出られたとしても杭などが水没し見えなくなっていたため危険性を考慮しボートを出すのを止めたという話もよく耳にした。今シーズン、釣行自体もままならなかったという人が多かったのではないだろうか。


10月6日

 しばらくぶりに愛艇をフィールドに浮かべることが出来た。そんな状態ゆえ、湖の状況は把握できていない。これがトーナメンターだったら致命傷だろうが自分はそうではない。ゼロからバス探しをすることを楽しめばいい。


 この日は利根川で大会が予定されていたので北浦水系を回ってみることにした。が、こちらも某マリーナの大会とバッティングしていた。誰も狙わないようなところを、ということで朝は北利根川のハードボトムエリアに入る。近隣のテトラ帯は既に銀座状態でボートが並んでいたが、私の狙う場所には誰もいない。

 水温は20度。数日間で急激に下がった点は否めないのでまずはレティクルシャッドを投げ始めた。ポーズを織り交ぜたポンプリトリーブ、或いは中速でのただ巻きとあれこれ試す。どの動き・スピードにバスが反応するかで魚の活性を判断し、次の一手に繋げていく。

 最初のヒットは33cm。レティクルシャッドのただ巻きに来た。それであればクランクベイトでも良いだろうと判断、ディプシードゥ3の52番カラーにチェンジ。ノンキーパーサイズが釣れたのち、32cmが続く。このカラーは霞ヶ浦水系でイナを捕食しているバスにはてきめんに効く。



 似たような場所で同様の釣りを展開すればまだ絞り出せると思ったが、久し振りにボートを出したのだからと北浦や外浪逆浦の各所も回ってみた。結果には恵まれなかったが、それはそれで納得できた。


11月2日

 10月中旬に襲来した台風26号は、器の大きい霞ヶ浦水系や利根川をも大増水させた。右写真の増水跡を見て欲しい(枯草が帯状になっている場所まで水位が上がった)。

 震災後、ここまで増水したのは初めてだろう。改修工事がしっかりとなされていたおかげで土手の決壊などが避けられたのは何よりだった。震災直後の、ところどころに大きな亀裂が入っていたような状態で今回のような増水があったのなら、かなり危険な状況だったのではと思える。

 台風による増水を機に、フィールド自体も大きくリセットされたのは明白だった。


 この日もまずは得意場所である北利根川のハードボトムエリアに入った。10月の釣行時と比べベイトフィッシュが大幅に減っていた。水自体もややターンオーバー気味で、ところどころ泡が浮いていた。

 濁りを意識したファーストチョイスはレティクルシャッドのホットタイガー。派手なサスペンドシャッドはキャットフィッシュのヒット率を上げてしまう。でもこの水温ならばあまり気にしなくて良いだろうと思ったが、甘かった。元々キャットフィッシュは高水温を好む魚だが、近年は慣れてしまったようで、春先や秋の低水温期にもヒットしてくるようになった。


 なるべくアピール性の高いカラーを使いたかったがキャットフィッシュのヒットを避けたく、カラーをクロキンに変更。

 続くヒットもロッドが大きく絞られた。もしかしてまたキャットフィッシュかもと一瞬思ったが、浮いてきた魚体はバス。レティクルシャッドをしっかりと喰わえ込んでおりバレる心配はないと判断し、バスのファイトを楽しみながらやり取りした。ジャスト40cm。


 その後、ディプシードゥでノンキーパーサイズを追加。前回の釣行においてもディプシードゥでノンキーパーサイズを釣っているのだがある意味喜ばしいことだ。

 流入河川域を除き、本湖や下流域では小型のバスがほとんど釣れない時期があった。理由はおそらくキャットフィッシュに捕食されてしまったためだと考えている。小バスがいないということは数年後のバスの資源枯渇が懸念されることを意味する。だから、小バスが釣れると少々ホッとする。決して楽観視は出来ないが・・・。


 この日も北浦、外浪逆浦、常陸利根川を走り回った。各所に新設されている石積み、震災後の復旧工事に伴い各所に入れられたフィルターユニット(網石)、部分的に増殖し始めたミズヒマワリ等、ここ数年でのフィールドの変化は過去に例を見ないほどに大きい。

 バスボートでは広範囲を効率よく調べることが出来る。一方オカッパリでは小さな変化も見逃さず緻密に調べ上げていくことが出来るだろう。リセットされたフィールドのどこかに新しいパラダイスは出来ていないか?通い慣れたはずのフィールドが今は新鮮に見える。しばらくは効率の悪い釣りを続けるかもしれないが、いずれは結果に繋がるはずと信じてフィールドに足を運ぶ日々が続く。



【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラー
STS-60LR
REVO NEOS
2500S
マシンガンキャスト 4.5lb. レティクルシャッド50SP
ツアラー
STC-60FM
REVO
ELITE
マシンガンキャスト 12lb. ディプシードゥ3



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