『4〜5月 水郷各所釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



 春は三寒四温と言われる。その中で「温」が続いたタイミングで魚が釣れ出すと考えている人は多い。その点、自分はあまり気にしない方だ。

 水郷エリアにおいて、3月下旬には水路や小規模な流入河川において既に春を意識したバスが釣れるようになっていた。では本湖や中規模以上の河川において春を意識したバスがコンスタントに釣れるようになるのはいつか?というと自分の経験上は4月22日前後、というのが多い。三寒四温の中で「寒」が続いたとしても、春の魚が釣れ始めるのは決まってその日が境になっているように思える。

 近年は魚の個体数が少ないため体感はしにくくなったが、徐々に釣れ出すというよりは一気に釣れ出すのが特徴でもある。魚の世界にカレンダーは存在しないが、日照時間をキーにして季節的な行動を取るものと考えている。


4月19日 霞ヶ浦

 時期的にそろそろだろうということで今シーズン初の愛艇での釣行となった。常陸利根川にあるV6マリンから一気に霞ヶ浦本湖の沖に並ぶ消波ブロック帯を目指す。

 ポイントに到着してエレキを降ろすと、何とウンともスンとも動かない。せっかくここまで走ってきたのにトンボ帰りなのか、と思ったが悪戦苦闘しているうちにエレキが動くようになった。

 バンドゥクローのダウンショットリグで消波ブロックを撃っていくとすぐにバイト有り。フッキングが決まり水面に現れたバスは明らかにグッドサイズ。キャッチしたのは46cmのグッドサイズな上にプリスポーンの見事な魚体だった。さらにその直後、同じくバンドゥクローで35cmをキャッチする。

 想像以上の好スタートに思わず頬が緩んだのも束の間、再びエレキが動かなくなりマリーナへの帰着を余儀なくされた。


 明らかに魚が釣れるという好条件を目の前にしながら僅か1時間足らずで帰着せざるを得なかったというのは実に歯痒い思いだったが、そんな中でも狙いの魚をキャッチ出来たというのは幸運だったかもしれない。


4月26日 某流入河川

 北浦で開催されたJB TOP50第2戦。サポートプロの写真撮影の為に現地に出向いた帰り道。日没までの1時間だけ霞ヶ浦水系の流入河川に立ち寄った。状況的にはアフタースポーニングに当たるが、そんな中でも夕マヅメにフィーディングに上がってくるバスが狙い。

 思ったほどのペースには至らなかったのだが、それでもスパイニーアックスとサスペンドミノーで飽きない程度にバスをキャッチしていくことが出来た。サイズは30cm前後が多かったが短時間での数釣りを堪能した。メインレイクと比較して流入河川の季節の進行度合がかなり進んでいる事を実感した。



5月3日 外浪逆浦、他各所

 愛艇のエレキの修理も完了し、再び湖上に出た。しかしこの2週間の間で状況は一気に変わっただろう。具体的に言うと、プリスポーニングからミッドスポーンを経て丁度ポストスポーンに当たるタイミングではないかと予想していた。

 この日の朝は濃霧に阻まれボートの走行が出来ない状況。そのため多くのアングラーがエレキでマリーナ付近の岸沿いを流していた。私はデッドスロー走行でマリーナからほど近い外浪逆浦の石積(消波堤)まで移動して釣り始めた。

 石積周りではクランキングとダウンショットリグを織り交ぜて攻めていったがバイトがない。ふと、石積を取り囲んでいる杭に対してバンドゥクローのダウンショットリグでアプローチするとフォール中にバイトが出た。キャッチしたのはお腹のへこんだ40cm弱のバス。

 スポーニングエリア近くで水深のある縦ストラクチャー、というアフタースポーニングの王道スポットで出た感があった。


 この魚をヒントに各所を周ったが、以後はショートバイトに悩まされる結果となった。時期的な要因もあっただろうし、GW期間中とあってプリプラクティスをこなすJB霞ヶ浦の選手艇も多くハイプレッシャーだった点は否めない。いずれにせよ、より丁寧な喰わせの要素を重視して臨む必要性を痛感した。


5月6日 霞ヶ浦、他各所

 3日前の釣行において魚の居場所はおおよそ把握していたので、この日はそれらを確実に喰わせることを念頭に置いた。狙いは麻生〜天王崎にかけての消波ブロック帯、杭、ジャカゴ等で、スパイニークローラーとスリムセンコーのワッキーリグをスピニングタックルでスローに扱う事を心掛けた。

 結果的にはこれが正解だったようで、複数のバスを同リグでキャッチ出来た。風の吹き出したタイミングでクランキングも試したがヒットはなく、その点からもスポーニングから回復しきれていない魚が多い事が伺えた。



 スポーニングを境にその前後の時期というのは、狙い方1つでまるっきり異なる結果が出る事が多く、それがまた魅力とは言えるが難易度が高めである点は否めない。この記事がアップされる頃はアフタースポーニングから回復した個体がほとんどになっているだろう。サイズは選びにくくなるが、幅広い釣り方で魚の反応が得られる時期に突入する。

 自分には試したいモノ、試したい釣りが山ほどある。これから真夏に入るまでの期間はあらゆる釣り方で結果も出しやすく、それらを投入するのも楽しみだ。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラー
STC-68TX
REVO-ELITE
CB-L
目探グリーン
12lb.
バンドゥクロー4インチ(ダウンショットリグ)
(GYオフセットフック#2/0、ナス型オモリ1号)
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO NEOS
2500S
FCスナイパー 5lb. スパイニークローラー5インチ、スリムセンコー5インチ(ワッキーリグ)
(タングステンネイルシンカー1/32oz、ガード付マスバリ#3)
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO NEOS
2500S
FCスナイパー 5lb. スパイニーアックス4インチ(ワッキーリグ)
(タングステンネイルシンカー1/32oz、ガード付マスバリ#5)
サスペンドミノー70SP



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