『12月 水郷各所釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



 12月、シーズンオフという人も多いかもしれないが自分の場合はむしろ逆。岸釣りにおいての話になるが12月のバスは釣りやすいし数も出る。好機到来、自分はむしろそう捉えている。


12月3日 水郷各所

 関東では11月に雪が降り驚かされたが、その後は暖かい日が続くなどまだ冬本番には程遠いという印象。12月初旬であればバイトは容易に取れるので、この時期はもっぱら越冬場所への集結具合を確認するのが主目的となる。


 まずは茨城県某川の消波ブロック帯Aからチェック。ポイントに一番乗りするため朝の7時前から釣り開始。しかし朝のうちはなかなかバイトが出ず、9時を過ぎてからバイトが出始める。

 使用ルアーはスパイニーシャッドのダウンショットリグ。コッ!というバイトの後にスッポ抜けてしまったがフックに掛かっていなければまた喰う可能性はある。フォーミュラを塗布してから同じスポットに入れ直すとやはりすぐに喰った。同じ魚だろう。

 ファーストフィッシュは30cmクラス。これは岸寄りの消波ブロックの穴でヒットした。さらに同様の狙いで30cmクラスを2尾追加。


 消波ブロック帯Aでは沖のブレイクに隣接する消波ブロックのアウトサイドエッジで喰ってくる魚はサイズが良く、岸寄りのインサイドで喰ってくる魚はレギュラーサイズであることが多い。この日は沖のアウトサイドエッジでは全くバイトがなかったことと、例年ならばブルーギルのバイトも多いはずが皆無だったのが気になった。

 ブルーギルのバイト数は季節の進行度合を測るための重要なバロメーター。しかしこの日のノーバイトは季節が進行したからではなく、ブルーギル自体が居なくなっているように思えて仕方がなかった。


 続いて同川の消波ブロック帯Bに移動。ここは回遊型の魚が多く、スクールに当たるとバイトが連続するという特徴がある。一方、スクールに当たらないとノーバイトが続くので見切りの判断がなかなか難しい。

 この日も2時間ほどノーバイトだったがその後に魚の多いエリアに当たり4尾キャッチ。37cmがMAXでその他はレギュラーサイズだった。



 まだまだ同じエリアから絞り出せそうな気はしたが夕方は新利根川でのフィーディングフィッシュを狙いに行く。しかし濁りが強かったせいかノーバイトに終わった。

 サイズが伸びなかったのが気掛かりではあったが、茨城県某川の消波ブロック帯に越冬系のバスが集まりつつあるのは例年通りといった印象だった。


12月11日 水郷各所

 前週に釣果を得られた茨城県某川の消波ブロック帯Aからスタート。この日は西風が吹く予報だが朝のうちはまだ何とかなると考えていた。しかし30分もしないうちに西風が強まり、波風でダバダバになってしまった。こうなるとここの魚は喰わない。すぐに撤収することとなった。


 多少は西風の影響が避けられるであろう同川の消波ブロック帯Bに入る。ここも前週に複数のバスがキャッチ出来ており、手堅く魚が獲れる自信はあった。

 ところがこの場所、近年はメディア露出が激しくすっかりハイプレッシャー場となってしまった。この日も先行者、そして後続のアングラーも次々と入って来て、気が付けば同じストレッチに10人ほどが並んで釣るという状況。通常ならばそれぞれ少しづつ移動しながら釣っていくものだが、さすがにこれだけの人数が並んでしまうと誰も移動が出来ない。ひたすら自分の周辺で投げ続けるだけという厳しい状況になった。

 いつもなら早々に他のポイントへ移動をするところだが、この日はこの状況で面白い事を思い付いた。というのも周囲のアングラーを見回したところ、シャッドを引いている人、メタルバイブをシャクっている人、スモラバらしきものをズル引きしている人、ダウンショットで探っている人と様々だった。どの釣り方がベストなのかというのは自分だけではなかなかわかりにくい。この状況ならばどの釣り方が効くのかというのを客観的に判断できる。

 そして結果は、スモラバの人が1尾、スパイニーシャッドのダウンショットで攻めた自分が4バイト2フィッシュ。自分の釣り方が間違っていないと確信できたのは収穫だった。


 その後は今季まだチェックし切れていない千葉県某所へ移動。風の影響は受けにくいはずの千葉県某所でさえも強い西風で波立ってしまっており状況が良いとは言い難かった。

 ここではスパイニーアックスのワッキーリグで2バイト1フィッシュ、35cmをキャッチ。

 やがて西風がますます強さを増してしまいライトリグを主体とする自分の釣りは続行不能になってしまったのだが、狙ったエリアで2バイトを得られたことはフィールドの状況チェックとしては充分だった。


 その後の移動先として、西風を避けるのならば横利根川か鰐川かとも思ったがどうにも気が進まず、前週ノーバイトに終わっていた新利根川に行くことにした。もちろん来る予定ではなかったのだが、風の影響を受けにくいことに加えて人が少ない場所で釣りたかったというのが大きな理由。前週に比べれば多少水の色も回復したようにも思えた。

 ここでの狙いは夕マヅメのフィーディングフィッシュ。スパイニーアックスのワッキーリグをスイミングさせながら広範囲に探っていく。すると突然の「ドン!」という衝撃。ラインはゆっくりと斜め方向に走っていく。

 魚の走る方向とは逆方向に大きくアワセを入れる。TVS-63Lが大きく曲がり、悪くないサイズであることが判る。何度かノサれてドラグからラインが引き出されたりもしたがオープンウォーターであるので慎重にファイトすれば問題ない。最後はネットでランディング。コンディションの良い44cmだった。


 好調と見て、翌週の12月18日にも釣行。余裕綽綽で臨んだつもりが歯車が噛み合わずノーフィッシュという不本意な結果に終わってしまった。この時期にノーフィッシュというのは自分にとって屈辱以外の何物でもない。早々にリベンジしたいと思っている。


 自分の冬の釣りは自信のある釣りで通してしまうのでそのスタイル自体はもう10年以上も変わっていない。反面、フィールドのコンディション自体は年々落ちてきているので何らかの手段で釣果を維持、出来れば伸ばしていきたいと思っている。

 そのための施策として、今シーズンはフィッシュフォーミュラを自作して冬の水郷バスに挑んでいる。良い結果が出るかどうかはわからないが、人とは違う何かをしたい、人よりも釣りたい、何より今までの自分よりももっと釣りたい。そんなことを考えながら、自宅であれこれと試行錯誤をしている時間もまた楽しい。そんなことをしているうちにきっとこの冬もアッという間に終わってしまうのだろう。やはりバス釣りにシーズンオフはないと実感する。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO NEOS
2500S
FCスナイパーBMS 4.5lb. スパイニーシャッド2.5インチ(ダウンショットリグ)
(ナスオモリ0.5号〜1号、GYオフセットフック#4)
スパイニーアックス4インチ(ワッキーリグ)
(タングステンネイルシンカー1/32oz、ガード付マスバリ#5)



[ 戻る ]