『12/2 戸面原ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



自分は実家が千葉県ということもあって、学生時代には房総のダムにも随分と足を運んでいた。その筆頭は亀山ダムだったが、何度か戸面原ダムでも釣りをしたことがある。
当時はジョンボートを持ち込んでの釣りで、トップウォータープラグだけでも釣りが成立してしまうくらいの釣果を上げることが出来ていた。

やがて自分はトーナメントに夢中になり戸面原ダムに行くことはなくなってしまったが、風の便りで持ち込みボートでのバス釣りが出来なくなったと耳にした。それからさらに年月が過ぎ、房総方面のダム湖を取り巻く状況も大きく変わってきたのは間違いないだろう。
昨年は豊英ダム、そして今年の秋には戸面原ダム、三島ダムもバス釣り向けのレンタルボートが解禁になった。その背景はヘラブナ釣り客が減少し、貸しボート業の経営が難しくなったという理由があるとのことだ。実は私の父親もヘラ釣り師なのだが、高齢ゆえに遠方まで釣行することがなくなったようだ。私の父に限らず、遠方から足を運ぶヘラ釣り師の人が減ってしまったということなのだろう。

自分は三島ダムや豊英ダムのヘラブナ釣り場としての全盛期を知っているので、まさかこれらの湖でバス釣り客が受け入れられる時代が来るなんて思ってもみなかった。


12月2日 戸面原ダム

今回は10月半ばにバス釣り解禁となった戸面原ダムに出掛けてきた。同湖へは実に20数年ぶりの釣行となる。

マイボートの持ち込みなどで部分的にバス釣りが可能だった三島ダム・豊英ダムと異なり、戸面原ダムは長年ボートの持ち込みが出来なかった分、バスは長期に渡り温存されてきたと言える。事実、解禁直後はかなりの大型サイズが釣れたという話で随分と賑わいを見せていたようだ。

一方で、自分の興味は「この湖は冬でも釣れるだろうか?」という点にあった。例えば近隣の亀山ダムでは冬でもディープ狙いで釣ることが出来る。
12月初旬であればまださほど難易度の高い季節ではない。今のうちにディープにバスが溜まっている場所を見付けておけば寒さが厳しくなったとしても対処しやすいだろう。だから今回の釣行は来たる冬に向けて戸面原ダムのディープ調査という大きな目的があった。


冬場の狙いとなりそうなメインレイクのディープフラットといった地形に関しては戸面原ダムには何箇所もある。例えば、ワンドの中央に水中島のような盛り上がった場所も存在する。実際に魚探掛けをしてみて、いかにもという場所を何箇所か見付けては心が躍ったが、魚探の反応がプアである点が気になった。ベイトフィッシュがほとんど映らないのだ。

戸面原ダムでは他の房総のダム湖と異なりワカサギの放流がされていない。ディープにベイトフィッシュの姿が少ないのはそのせいだろうと思われる。そして当然の事ながら、ダウンショットでディープを攻略したところで全くバイトを得ることは出来なかった。

これが本当に長年バスが温存されてきた湖なのか?スレていないバスがバンバン釣れるんじゃないのか、ライトリグなんて投げたら連発するんじゃないのか。予想外の厳しい状況に、淡い期待は早々に崩れていった。


当初の目論見は完全に崩れ、魚を1から探していかざるを得なくなった。とりあえずボートを岸沿いに寄せ、アラバマリグとスイムベイトで流していく。自分としては苦手な釣り。ただ、集魚力が高く魚が追尾してきやすいので場所を絞りやすいというメリットがある。

しかしこの日はそのメリットも意味がなかったのかもしれない。あまりにも水の濁りが強過ぎた。仮に追尾してきた魚がいたとしてもそれを目視するのはかなり難しかったに違いない。

ここ最近で大きな天候の崩れがなかったにも関わらずこれだけ強く濁っていたのには驚いた、この濁りは解禁直後からずっと濁ったままのようで、この「濁りの取れにくさ」という点が戸面原ダムの特徴の1つと言えるかもしれない。

そしてもう1つの特徴として挙げられるのは浮草の存在。亀山ダムでも見られるものだが、この浮草が風に流されて岸沿いに吹き溜まりシェードを作り出している。このような場所が岸沿いの随所にある。

テナガホッグ、そしてBFシュリンプ3.4インチの1/4ozテキサスリグをこうした場所に撃っていくと、それまでの無反応が嘘のようにバイトが続いた。

ただ、上方に木の枝が生い茂っている場所が多く7ftのロッドで上方向へのアワセを入れることが出来なかったり、スッポ抜けた際に上方の木にラインが絡みついてしまったりとかなりの苦戦。バイト数の半分以上をミスしてしまったことが悔やまれるが、42cmを筆頭に3本のバスをキャッチすることが出来た。




おそらくこの日の最強パターンはこうしたカバー撃ちだっただろう。けれどもこの釣りは寒さが増すにつれてその威力が薄れていく。自分としてはやはり今後の再現性に繋がる釣りを模索したいところ。

カバー撃ちでバイトを拾っていった限り、まだまだ魚がシャローに多いと言わざるを得なかった。水温は12度台、確かにまだシャローが強いというのも頷ける。そこでライトリグに関しても狙う水深を少し浅めにして探ってみた。

するとどうにか2バイトを得られた。ノーバイトだったディープよりはマシだが、予想外にバイトが遠い上にヒットしてくる魚が小さい。もしかしたら私自身が何か大事な要素を外してしまっていたのかもしれないが、ライトリグだったら安易に釣れるだろうというのは甘い考えのようだ。


強い濁りが影響しているのは間違いなさそうだが、あまり過剰な期待を抱き過ぎると厳しい現実に面食らってしまう、そう感じた20数年ぶりの戸面原ダム釣行だった。

ただ、自分自身がまだ戸面原ダムのポテンシャルを引き出し切れていない可能性も充分にある。今回の釣行が少し不完全燃焼だったこともあり、近いうちに再検証をしに再度足を運ぶつもりだ。


【戸面原ダムに行かれる際の注意】

  • ボートの予約が必須ですが、バス釣りが出来る日は限られています。バス釣りが出来る日は戸面原ダムボートセンターのホームページで確認して下さい。
  • バス釣り用のボートは25艇のみ。これを超えるとボートの予約は出来ません。
  • フットコンエレキ用のバウデッキで、L字金具を使って固定するタイプのものは使えません。
  • 免許不要艇はありません。エレキを使用する際は免許が必要です。
  • ボートは1名乗船のみ。2名乗船は不可。
  • これ以外にも何点かのルールがあります。釣行前に戸面原ダムボートセンターのホームページを確認して下さい。


戸面原ダムボートセンター
Tel.0439-68-1587
HP:http://www.geocities.jp/tozurahara/


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVC-70H
REVO
MGX-SH-L
FCスナイパーBMS
12lb.
テナガホッグBFシュリンプ3.4インチ(テキサスリグ)
(タングステンバレットシンカー1/4oz、ストレートフック#1、シンカーロックS)
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
ダイワ
2004
FCスナイパー
3lb.
レッグワーム、AR-Wピンテール(ダウンショットリグ)
(3/64ozシンカー、SSフック#6)



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