『2/18 戸面原ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



いつになく苦戦をしている今冬。年が明けてから3連敗を喫してしまい、2月半ばになってもなお初バスを手にすることが出来ていないという屈辱。
ホームである水郷においては完全ノーバイトで次に打つ手さえも見失ってしまった。ただ、あそこに行けば絶対に釣れるだろうという場所があった。昨年の12月から足を運んでいる千葉県の戸面原ダムだ。年末の釣行においても釣果が得られており、真冬とは思えないほどのバイト数を捉えていた。

2月18日 戸面原ダム

ようやくスケジュールの都合が付き、今年初の戸面原ダム釣行が実現出来た。昨年秋にレンタルボートでのバス釣りが解禁となった同ダム。降り続いた大雨により猛烈に濁ってしまった水の色は冬になっても回復することがなく、昨年末の釣行時にも強く濁ったままの状態だった。
しかし今回、およそ1ヶ月半ぶりに訪れてみるとだいぶ濁りが回復していた。魚のレンジや付き場が変わっているかもしれない。果たしてこれが吉と出るか凶と出るか。

この日は日曜日という事もあり30人ほどのヘラブナ釣りの例会と重なってしまっていた。戸面原ダムは54lbのエレキでも1日で周り切れてしまう程度の規模しかない小さなダム湖だ。さらにヘラブナ釣りの人の近くを航行する際のルールもある。幸い、自分が狙ったエリアにはヘラ釣りの人はさほど入らず一安心。


まずは毎回魚を手にしている実績の高い吹き溜まりを目指す。ここではいつも非常に浅い場所でバイトを得ていたのだがこの日は透明度が少し上がっていたせいか、何と偏光グラス越しに底まで見えてしまっていた。当然の如くバイトは得られず。さすがに浅過ぎる場所は厳しいようだ。

以後、ある程度の水深がある吹き溜まりを中心に周っていく。早朝は気温が-1度だったこともあり、日陰にある浅場は凍ってしまっている場所もあった。テキサスリグを撃った際どうして落ちていかないんだろうと思ったが、着水時に「カチン!」と硬い音がするので気が付いた。ちなみに朝の水温は5度台、湖水に手を浸けると痺れるような冷たさだった。


絶対にボウズはないという自信はあったが、11時頃まで全くバイトを得ることが出来なかった。透明度が多少上がっているので魚のレンジが落ちたかもしれないと思ったが、これまでディープを釣り込んでいないので迷走してしまう恐れもある。まずは今年の初バスを手にしたいという思いが強く、水温の上昇に期待してシャローカバーを撃ち続けた。

戸面原ダムは50cmクラスの大型も少なくない。この冬もかなり釣れている。そのためカバーを狙う際にはまず最初にヘビータックルでテキサスリグを入れ、それでバイトが無ければパワーフィネススピニングタックルでスモラバ+BFシュリンプを入れていくようにしている。ただ、時期が時期だけにどうしてもスモラバ+BFシュリンプに圧倒的な分があるようだ。


そして吹き溜まりの中に落としたスモラバ+BFシュリンプに微かな違和感を感じた。そっとラインを張ってみると微かな生命感。すかさずフッキング、サイズも大したことが無いと感じ躊躇せず一気にゴリ巻きして船上に抜き上げた。
32cmほどだったがようやく手にした今年の初バス。思わず湖上でガッツポーズをしたのは言うまでもない。


この魚をキャッチしたのは比較的規模の大きな吹き溜まり。スモラバで丁寧に攻めていけばまだ可能性がありそうだ。

スモラバのトレーラーをBFシュリンプからBFスイミーシュリンプに替えてみる。カバーのすり抜け能力に関しては断然BFシュリンプが優れているが、水を攪拌する複雑な動き、フォールスピードを抑えるという点ではBFスイミーシュリンプが優れている。

案の定、BFスイミーシュリンプに替えた1投目で2尾目をキャッチすることが出来た。

さらにその後、沈んだ竹の隙間の奥の奥までスモラバ+BFスイミーシュリンプを沈めていくとフォール中に明確なバイト。思わず即アワセしてしまいスッポ抜け。ハイシーズンばりの連続バイトに、季節が真冬だということをすっかり忘れてしまっていた。

その後、ポイントを休めながらスモラバの釣りを続行しさらに1尾を追加。この吹き溜まりは条件が良かったらしくかなりの魚をストックしていたようだ。魚探の映像を見ると中層には大量のヘラブナの群れも映っていた。とにかく魚っ気がムンムンと感じられるスポットだった。この時点で水温は6度台後半にまで上がっていた。



今回の釣行は今年の初バスを手にすることが第一目的だったので、それを達成した上で複数尾のバスまで手に出来たことは上出来だった。残り時間はあまりなかったが、以後は気になっていることを試すことにした。それはディープのライトリグはどうなのかという事だ。これまでもこの湖に来るたび、その可能性を模索してはいた。寒さが厳しくなればそうした釣りが主力になるだろうと思っていたからだ。ところが自分の予想は外れた。少なくともこの冬の戸面原ダムにおいてはシャローカバーの釣りが主軸となった。それは自分以外のアングラーにおいても同様だったようだ。

でもこの日は水の色が違う。これまでの強い濁りは回復傾向にあり透明度がやや増している。魚がレンジを下げてディープに移動している可能性は充分ある。

自分はディープレンジの釣りを河口湖で覚えたためか、どうしてもディープフラットを意識してしまう。しかしワカサギ不在の戸面原ダムでは違う狙いをするべきだろう。

今回は沈木が点在するエリアのディープ(6〜7m)にダウンショットリグを落としてみた。そして釣り始めて数投目、ティップに違和感。オダか?と思ったがゆっくり手前に走って来ていた。実に呆気なく戸面原のディープでバスを手にした。

まだ戸面原ダムのディープの釣りをマスターしているアングラーはいないだろう。この日は時間切れでじっくりと釣り込むことが出来なかったが、戸面原ダムのディープのポテンシャルも気になるところだ。


話は変わって、自分がリザーバーで釣りをする際に重宝している道具がある。ブレークモアのブッシュグリッパーという製品だ。自分がこれを購入したのは30年ほど前になる。当時から亀山ダムや印旛沼で使用していた。
これをオーバーハングの枝や立ち木などに挟むことでボートを簡単に固定できる。多少風がある日でもボートは全く流されないので釣りをしている間にエレキを踏む必要がない。吹き溜まりや竹ブッシュなどじっくり丹念に探りたいという時にはとても重宝する。

現在はほとんど店頭で見掛けない製品だが、似たようなものを自作するのはアリだと思う。レンタルボートで岸沿いのカバーをじっくり釣っていくようなスタイルの人には是非ともお勧めしたい。



【戸面原ダムに行かれる際の注意】
  • ボートの予約が必須ですが、バス釣りが出来る日は限られています。バス釣りが出来る日は戸面原ダムボートセンターのホームページで確認して下さい。
  • バス釣り用のボートは25艇のみ。これを超えるとボートの予約は出来ません。
  • フットコンエレキ用のバウデッキで、L字金具を使って固定するタイプのものは使えません。
  • 免許不要艇はありません。エレキを使用する際は免許が必要です。
  • ボートは1名乗船のみ。2名乗船は不可。
  • これ以外にも何点かのルールがあります。釣行前に戸面原ダムボートセンターのホームページを確認して下さい。

戸面原ダムボートセンター
Tel.0439-68-1587
HP:http://www.geocities.jp/tozurahara/


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラー改 REVO NEOS
2500S
PE1.0号 2.6gスモラバ+BFシュリンプ2.8インチor BFスイミーシュリンプ
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
ダイワ
2004
FCスナイパー
3lb.
レッグワーム(ダウンショットリグ)
(2.7gシンカー、オフセット#6)
ツアラーV-SPEC
TVC-70H
REVO
MGX-SH-L
FCスナイパーBMS
14lb.
バンドゥクロー、他(テキサスリグ)
(タングステンバレットシンカー1/4oz、ストレートフック#2/0、シンカーロックS)



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