|
『5/12 三島湖釣行』
池島 竜一(SMITH STAFF)
|
2017年11月中旬、一足先にバス釣り向けの貸しボートが解禁となった戸面原ダムに続いて三島湖も解禁となった。三島湖は湖面も広く貸しボート店も4軒あり、釣り人のキャパシティという面において房総では亀山ダムに次ぐ規模の湖である。
往年の三島湖は湖岸に沿ってヘラ釣りのボートがズラリと並び、とてもルアーを投げられるような湖ではなかった。マイボートの持ち込み自体は可能だったが、過去に何度かバスアングラーが問題を起こしたこともある。禁止こそされなかったものの、バスアングラーは歓迎されざる雰囲気の湖だったのだ。そんな時代を知っているだけに、まさか三島湖でバスアングラーが歓迎される時代が来ようとは夢にも思わなかった。
自分は20年以上も前に一度アルミボートを浮かべて三島湖で釣りをしたことがある。とはいえその時の場所に関する記憶は全く覚えておらず、三島湖に関する知識はないに等しかった。
新たに解禁となった三島湖、果たしてどれほどのポテンシャルを秘めているのだろうか?4月中旬、遅れ馳せながら自分も三島湖に繰り出した。
|
この日は房総ロッヂさんから出船。初めてやってきた私に対して、ご主人は地図に印を付けて渡してくれた。
ここ最近は川筋よりも本湖がいいこと、夢の島周りでは多数のスポーニングベッドが出来ているということ、そしてゴミ溜まりが多い場所を地図に記してくれた。初めて訪れた客である私に対して良い釣りをして欲しいという気持ちがひしひしと伝わってくる。
|
けれども自分はそれに応えることが出来なかった。パワーフィネスとテキサスリグによるカバー撃ちが不発に終わり、慌ててライトリグによるスローゲームに切り替えたが、そもそも地形把握もロクに出来ていない段階でやるべき手段ではなかったかもしれない。
ネスト絡みの魚を避けたい意図があったこととスポーニングに絡まないバスの姿がシャローに見えなかったこともあり一段深いレンジの攻略に固執した結果、タイニーイカのダウンショットで小型を3尾絞り出すのがやっとという貧果に終わってしまった。
|
|
あまりの情けなさに自己嫌悪に陥ったが、湖の状況が変わった頃にまた来ようとリベンジを近い三島湖を後にした。
|
実はこの日、戸面原ダムに行くつもりでいたのだがボートの予約が取れなかった。戸面原ダムは3月下旬を境に連日物凄い釣果が続いている。多い人では50尾以上も釣っているので一気に人気に火が点いた状態だ。そのため現在では平日でもボートが埋まってしまっていることがあるという。ましてや週末ともなると早々に埋まってしまうようだ。
一方の三島湖は週末でもまだボートに空きがある。バス釣り向けのボートは各ボート店でそれぞれ30艇という上限はあるのだが、4店あるため余裕があるようだ。今回も前日の昼に予約を入れたが何の問題もなかった。
唯一の不安材料は3日前に降った大雨によって水位が一気に2mも上昇したばかりということだった。
|
この日は石井釣舟店さんを利用させてもらった。前回に行かなかった場所を見て周ろうと思い、鯨島周辺及び豊英方面の川筋を狙ってみることにした。
驚いたのは増水直後のはずなのに水が濁っていないという点だった。そして浅場には小バスやブルーギルがチョロチョロと泳いでいる。オーバーハングの下にはヘラブナが群れており、あちこちで鯉がハタいていた。少し沖目にはオイカワらしき魚の群れも確認できる。一ヶ月前とは生命感がまるで違う状況を前にして期待が高まらずにはいられなかった。
|
|
ガードレール下のポイントに点在している吹き溜まりをパワーフィネスで攻めていく。なお、戸面原ダムの吹き溜まりが小さな浮草主体であるのに対して、三島湖のそれは付近の森林から流れてきた木屑が主体である。
いかにもという雰囲気なのだがバイトが出ない。カバーの釣りというと落とせば喰うようなイメージがあるが、そもそもこの吹き溜まり自体がまだ新しいのかもしれない。風や湖流で簡単に流れてしまうものだし、何より増水してまだ間もない。バスもまだ落ち着いていないのではないか?
|
そう思い、スモラバからイモ50に替えてみる。イモグラブはシルエットがシンプルでスリ抜けが良く、それ自体がコンパクトで且つ重いので薄いカバー程度ならばノーシンカーでも突き破って落とし込むことが出来る。
イモグラブを撃ち始めるとすぐに力強く引き込むバイト!これはスッポ抜けてしまったがパワーフィネスでのイモグラブ撃ちに確信を得た。そしてほどなく再びバイト。43cmをキャッチすることが出来た。
|
|
|
週末の人気フィールドゆえに致し方のない事だが、湖上に出ているバスアングラーの数はやはり多い。じっくり釣っていると後続のボートにどんどん追い抜かれて先々のスポットを先に撃たれてしまう。こうなると心中穏やかではおられず気が焦ることも少なくない。
だが、ノーシンカーのイモグラブをカバーで撃つ人はいないだろう。そう考えると落ち着いて自分のペースで釣りを続けることが出来た。
|
こうなるとおのずと釣果も上がるもので、鯨島のカバーでは45cmをキャッチ。
その後も鯨島周辺をしつこく探り、パワーフィネスイモで30cmクラスを3尾追加することが出来た。
|
続いて豊英方面の川筋を上がってみる。シャローにはまだペアリング中のバスの姿も見られた。しかし少し遡ってみたところで
水の色が徐々に悪くなっていくことに気付き、宿原橋の手前でUターンすることにした。
カバーでバイトが得られなかったためライトリグを試してみる。長山の岩盤にてスパイニーアックスのワッキーリグをキャスト。じっくり沈めていくとバイトが出た。
|
|
フッキングすると何やら重い。だがあまり引かない。途中でグワングワンと抵抗しているがTVS-61UL/STと3lbラインで問題なく止められる。さほど苦もなくランディングしたが魚体が意外に長い。
メジャーで計測すると50cmを少し超えている。しかし片目が潰れていて痛々しく、あまり元気のない個体だった。リリースの際に弱々しく泳ぎ去っていくその姿を見て、元気になって生き延びて欲しいと願った。釣った人間が言うのも何だが・・・。
|
夕方は本湖の夢の島周辺を狙ってみたが釣果はなかった。既に大勢のアングラーに散々叩かれた後だったのだろう。季節によって異なるが、5月の三島湖では夕方17:30まで釣りができるのは嬉しいところだ。
|
昨年秋に解禁した三島湖。戸面原ダムもそうだがヘラ釣りのお客さんよりもバス釣りのお客さんの方が多い状況となっている。各ボート店においてもバスアングラーに対して非常に懇切丁寧に応対してくれていると感じる。実際にバスアングラーを受け入れてみて、とても好意的に感じてくれている地元関係者の方が多いようだ。
釣りに行けば喜ばれ、釣り人自身も気分良く釣りを楽しめる。房総のフィールドはバス釣りの理想のかたちを実現しつつあるのかもしれない。
|
- ライブウェルの使用は禁止となっています。
- 湖面のあちこちにロープが張ってあります。エレキ走行時には注意して下さい。
- ヘラブナ釣りが優先ですので配慮をお願いします。
|
|