川又 圭史
(2018 JB TOP50 No.15 スミスサポートプロ)

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『「中韓日アジアバスプロカップ」IN中国 山東省莱蕪市 大汶河』


スミスHPをご覧の皆さん、こんにちは。プロスタッフの川又圭史です。
今回のレポートは、5/10~14にかけて中国 山東省莱蕪市 大汶河にて行われた「中韓日アジアバスプロカップ」のレポートです。


今回開催されたこのアジアカップ、日本選抜メンバーとして出場してきたのですが、初の海外遠征とあってなにかと勉強になった大会であり、色々と考えさせられる遠征でした。

まず今回の遠征で初めて「パスポート」を入手。こう見えて今まで国外へ行った事はありません。本州から出たのは、九州、四国、伊豆大島だけ・・・。ですので、色んな意味でワクワクドキドキな海外遠征。特に一番ドキドキしたのは、私は本当にお腹が弱い。ちょっとした食の違いでお腹がピーピーと化してくるので、今回の遠征でも「正○丸」と「ス○ッパ」はマストアイテム。実際、中国滞在時にも少し「ウンッ!?」と感じた際は「正○丸」を即服用。事前の対処で事なきを得ておりました。日本の薬って凄いと改めて感じましたね(笑) と、そんな心配を抱えながらの初海外となった中国遠征ですが、成田から直で中国へ飛ぶ訳ではなく、韓国・仁川空港経由での中国入り。

そしてこの韓国でトラブル発生。実は、成田空港でも同じ事で確認をされていたのですが「自動膨張式ライフジャケットのボンベ」で思わぬ呼び出しを食らい、空港職員から「なんだ、このシリンダーは?」と言われ「これライフジャケットのボンベ、ボンベだから」と押し問答。空港職員もライフジャケットと言われても理解出来なかったようで「シリンダー、シリンダー」と連呼。そして「同じような形の物があるのだが、グループか?」と問われ、危うく怪しい集団と疑われる始末。しかも「中身が全て確認出来ないと飛行機は飛ばない」という危機的状況に陥りそうに・・・・。最終的には面倒臭くなったようで「なんとなく判ったから行け」と・・・・。なら、初めから分かってよと言いたくなりましたが、どうにかこうにか韓国もスルーし中国へ向けて出発。

ちなみにこの押し問答、中国出国時にも同じように「これはなんだ?」と言われ要チェック。危うく飛行機へ乗れなくなる事態へとなりそうでしたが、それはギリギリセーフ。そんなこんなで一番大変だったのは食事よりなにより「ライフジャケットのボンベ」でした(笑)


そんなトラブル続きで入国した中国ですが、到着した済南空港から目的地の山東省莱蕪市までバスで1.5H。と書いてありましたが、実際は2時間・・・・。「時間チゲェじゃねえかっ」と頭では思いながらも陸路を移動。ボンベでトラブル、バスの移動時間も長い、予定通りに進まない海外遠征の洗礼を食らいながら、目的地の途中で寄ったPAで初の中国でのお買い物。生水はNGなのでミネラルウォーターを購入してみましたが、味は普通でした。が、パッケージが「羽が生えたカエル」という斬新な物。どういった意図なのかが分かりませんでしたが、何となく中国へ来たのだなと改めて思いました。

そうこうしているうちに到着した目的地の山東省莱蕪市。近代化が進む中国の中では比較的地方部なようで昔ながらの中国の建物や住宅が点在し、今回大会が行われたダムの周辺では未だに「天秤棒」と言われる棒を用いてバケツで水を運んでいたり、ダムから直接水を汲んで畑へ撒いていたり、集落周辺では羊を連れて放牧させている人など、日本でいう「古き良き時代」の時間がそのまま流れているようでした。

到着した当日は、現地にて滞在時の飲食の買い出しへ近くの「○○銀座」と書かれている商業施設へお買い物。もちろん中国語なのでパッケージを見て買うしかなく、一緒に同行してくれていたコーディネーターに聞きながらの買い物でした。そして、実はここでもこの地域の地方部としての一面を垣間見る事ができました。それはその商業施設で買い物をしていると、いきなり商業施設のスタッフがこちらを撮影し始め、それをコーディネーターが確認すると「日本人を初めて見た」との事で、写真を撮っていたようです。その瞬間「初めての海外でこの場所って、なかなかだな」と思ったのは言うまでもありません。


そんな初体験を感じながら翌日から大会のプラクティス。大会会場である「大汶河」というダムは、水質はマッディウォーターで、基本的には大会時にしか解放されておらずフィッシングプレッシャーは比較的少ないフィールド。バスはラージマウスの放流魚なので何かしらの癖があるのだろうと思い、プラクティスを行いました。もちろんここでも海外遠征の洗礼を受けます。今回レンタルさせてもらったアルミボート、見た目は普通のアルミボートですが、ぼちぼちボートごとのペダルの癖やレンタルボートならではのトラブルが多発。

まずプラクティスでは、最初に借りたボートのリアエレキに漁の縄らしき物がグルグル巻きになっており動かない。そんな事があるだろうと思い、持参したニッパーで縄を切り動かせる状態にまで修復するも今度は接触不良で動かず・・・・。そんなトラブルはある程度予測はしていたので現地のボート屋に交換してもらいプラクティスへ。

ちなみにレンタルしたエレキは、こんな感じです。見た目は何となくミンコタ製エレキを彷彿とさせますが、モーター音やペラの動き出しをみると、最近流行りつつある「ハイガー」というエレキに近い印象でした。ただ、見事に毎日若干トラブルや問題が発生。24Vと記載されているのに明らかに12V程度の速度しか出ない物や、基本、数名の中国選手以外はレンタルボートなのでルールとして公平を期すために24V2機掛けの筈が、12V2機や24Vと12Vの2機掛け、ちなみに私の試合時のエレキは、何故かフロント1機のみ。流石におかしいだろうと本部に掛け合うと、そこは素直に認め2機掛けにしてくれました。が、もちろん、そこにもトラブルというオチが有りますが、それはまた後ほど。


そんなこんなでプラクティスへ向かう訳ですが、見渡す限り茶色と緑の荒野な雰囲気。そして、ダムとしての印象は護岸されていない高滝ダムといった印象。所謂「プア」と言われる皿池に近いフィールドです。そうなると、変化を探して釣って行く訳ですが、ルール上、持ち込めるタックルに限りがある事から魚探の使用は禁止。となると、目に見えるストラクチャーを狙うしかないので他の選手とのバッティングは避けられない。とりあえず、やれる事だけをやろうとダムをサクッと見て回ります。

しかしどこへ行っても、これといった掴みどころのあるストラクチャーは無く、釣れるところも微妙にバラバラ。どこでも釣れるが決定力に欠けるというのがプラクティスをやっていて感じました。そこは自然の魚ではない放流魚という部分と、その放流魚がネイティブ化しているという部分が相まって起こる現象なのでしょう。とはいえ、何かしらの掴みはないと試合の展開を組むことが出来ない。プラクティスで釣れた魚のほとんどは、巻いても撃っても浅いレンジで釣れる事。


浅い場所は、スモラバ+BFシュリンプ3.4“のスローフォールで探り、反応が無ければ、バンドゥクローの5gテキサスで深い方まで落として行き、それでも反応が無い場合は、根魚大将3.4”の5gヘビダンで浅い方から速いテンポで探るというローテーション。しかしそれでも反応があるのがバラバラため、イマイチこれといったパターンを掴むことが出来なかった。ただ唯一、その少ないヒントの中で自分に響いた事があった。それは、浅いレンジで釣れる魚のほとんどが900g前後ということ。

そんな事を考えながら、プラクティスの最後にたまたま釣れた1300gの個体が試合の流れを決定付けた。
それは、バンドゥクローの5gテキサスのスイミングシェイク。普段は、フォール後のステイなどでバイトを誘発させる事が多いのですが、今回のようにデータが少ないフィールドや釣れていない時などは、普段やらない事をやる事で生まれる閃きが何かの流れを決める事がある。今回はまさにその様に感じたのと、無理に勝負するよりは確定要素が多い事をやり切った方が結果は出るだろうと思い、試合は「バンドゥクローのスイミングシェイク」をメインに、あとはその時の雰囲気でやる事にした。


試合当日。
今回の大会のために用意されたステージ。スポンサーに「紅い牛」のマークが付いている。「流石中国だなぁ」なんて思っていると、渡されたのは「紅い牛」ではなく「WAR HORSE」。


「やっぱり、流石中国だなぁ」と改めて思った瞬間だった。ちなみに「紅い牛」は最後の最後まで出てこなかった。帰国後、その話をSNSに載せたところ、AOYを4回獲っている某プロから「紅い牛は、他の生物の競技には協賛しない。宣伝カーなら来るけど」と言われ、なるほどと思いましたが、やっぱり最後まで現れなかった。事前情報では「レ○ドブル飲み放題」らしいと聞いていたので、少しだけ期待していたが「戦馬」が2本だけ支給されたのみだった。もちろん途中までビビッて飲まなかったのは言うまでもなく。周りの選手に確認して最後は飲んでみたが、何故か炭酸がほぼ無く、かき氷のシロップを飲んでいる感じだった。「さすが中国だなぁ」とその時も改めて思った。


若干話が逸れましたが、日々多々思うことがある中で迎えた「中韓日アジアバスプロカップ」。今回のメンバーは川口直人選手を団長に、下記のメンバーで構成された。


※妙にデカいのが私ですが、改めて見ると自分ってやっぱりデカイ・・・。

なかなかのメンバーで構成された日本選抜。もちろん負けられない戦いである。万が一惨敗を期す事があるようならば恐らく日本の土は踏めない・・・。とまでは思いませんが、負けたら何を言われるか分からないので、TOP50の時の80%くらの感じで試合に臨んでみた。


初日は、結局きっかり5本のみキャッチ。バスをキャッチしたのは全て「バンドゥクロー」メインは5gテキサスリグのスイミングシェイク。時々タイトに落としたい時は7gリーダーレスDSを使用した。使用したロッドはTVC-610MH。狙っていたのが、ガレ場のようなポイントやリップラップもどき等だったので、普段、消波ブロック撃ちでメインに使用しているこのロッドが最適だと思い使用した。結果的に、このバンドゥクローがメインとなったが、やはり前日のプラクティスの最後に気付いた事がキーであった。5本キャッチのうち3本は、少し深いところまで落としていった際にヒットし、全て1キロオーバー、1本は1300gのナイスサイズが混じった。とは言え、これだけでは勝てないと思い、リミット達成後は2日目のプラクティスを兼ねて上流域へ移動。しかし、釣れたのはナマズのみでバスは1バラシのみ。エリアを変えながら上流を目指していると、やってきました今回最大の釣りのトラブル。


「リアエレキのヘッドが折れる」という前代未聞の事態が発生(笑)私も長年バスフィッシングをしてきましたが、こんな事態は初体験。もちろん、この時点で釣りをしているのは上流なので、帰着の事を考えると早めに下流へと移動。結局これが尾を引いてしまい、初日は4610gで10位だった。


この時点では・・・・。初日の夜、というかほぼ毎晩、選抜メンバーは夜な夜な修学旅行的なノリでワイワイやっていたのですが、この夜は若干異なり、初日トップウェイトを出した青木選手の話題で持ち切りだった。内容はJBのホームページに掲載されている通りなので割愛させていただくが、プレスのほう助があったとの事で失格処分を言い渡されたようだった。実際、処分の確定内容を2日目の朝に団長の川口選手から知らされ、ここから本当に負けられない戦いの始まりだった。団長からは「青木選手が失格になったから、その分、全員で晴らして来い」と。この瞬間から普段出さない本気モードへ突入。


とは言え、釣れる確証はないので2日目も同じエリアからスタート。バンドゥクローのスイミングシェイク、リーダーレスDS、スモラバ+BFシュリンプ3.4“のスローフォール、根魚大将3.4”のヘビダン、レイン・スワンプマグナムのネコリグ、チャターベイト、クランクベイトなど、考えられる物を投入するも、ミスバイト連発で9時半頃までゼロ。

流石にやばいなと思いながら、ふとデッキを見ると投げていないタックルが1つ。それは、自分で作った「TVS-64L」にリグっておいた「レインズスワンプJr・PSケイズオリジナルカラー」のジグヘッドワッキー。これも、ケイズに勤務している時に携わっていたもの。何かの縁か、ふとした瞬間に何気に手を取って、今までやっていなかった事をやってみると、そこから怒涛のラッシュ。減水して見えているちょっとしたエグレにルアーを投入し、そこから高速シェイクスイミング。エグレから少し泳がした瞬間、ひったくる様にバイト。気付くとものの1時間弱でリミット達成。
途中、3匹目くらいから若干テンションが上がり過ぎて「現地人釣法」なる技を発動。語尾に「○○アルヨー」と若干意味不明な事を言いながら釣っていったのが、2日目の最大の見せ場だったと勝手に思っている・・・。


そんな冗談はさておき、2日目は10バイト7フィッシュと初日より釣れた。恐らくは、疑問が確信に変わった事による部分が大きかったのだと思いますが、それだけではなく、前日のパターンを引きずらずその時にあったパターンを引き出せた事が釣果を伸ばせたコツだったのだと思います。


結果的に表彰台には届きませんでしたが6位でフィニッシュ。タックル制限があり、ぶっつけ本番で臨んだ大会にしてはアジャスト出来たのかと思います。そして「バスはどこに行ってもバス」。引き出しの量があれば、どこでも対応は可能であり、釣れなくなった時その引き出しを如何に使うのかを改めて考え直させられる良い機会だったと思います。この機会を与えてくださったJB、ならびにこの大会を開催するにあたってご尽力くださった中国の大会関係者、この大会に参加するにあたり協力してくださったスミス様、ジュナック様、そして、現地のホテルでの食事の際、わざわざ韓国よりキムチを用意してくださったKBの会長様、慣れない食事にあのキムチは最高の味でした。


色々あった今回の「中韓日アジアバスプロカップ」ですが、親善試合としてはなかなかの大会なのではなかったでしょうか。ただ、中国メディアの取材方法や大会のルールなど、まだまだ改善することばかりだと思います。ですが、今回の大会は初の試みであり、たたき台のようなもの。今後はその点が考慮され改善されて、アジア全体のバスフィッシングの普及、発展へ繋がってくれることを願うばかりです。以上、中国遠征レポートでした。


《 タックルデータ 》

バンドゥクロー5gテキサスリグ・スイミングシェイク&7gリーダーレスDS用

ロッド ツアラーVスペックTVC-610MH
リール シマノ 15アルデバラン51
ライン サンライン シューター14lb
フック がまかつ ワーム321バルキースタイル2/0※テキサスリグ
がまかつ LDマスター2/0

スモラバ+BFシュリンプ3.4“

ロッド ツアラーTVC-69ML
リール シマノ 16アルデバランBFS XG LEFT
ライン サンライン シューター9lb

根魚大将3.4“ヘビダン用

ロッド ツアラーVスペックTVC68M
リール シマノ 13メタニウムHG LEFT
ライン サンライン シューター12lb
フック がまかつ ワーム321バルキースタイル #1

ジグヘッドワッキー用

ロッド ツアラーVスペックTVS-64L
リール シマノ12ヴァンキッシュ2500HGS
ライン サンライン シューター4lb
ワーム レインズスワンプJr PSケイズオリカラ
フック 江口プロから貰った エグジグワッキーヘッド1.3g

ロッドケース フランボー バズーカ


■ 日中韓アジアバスプロCUP総合成績表(JB/NBC公式サイトNBCNEWS)



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