『4/12 戸面原ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



4月12日

戸面原ダムはバス釣り用の貸しボートは1日25艇までという制限がある。そのためシーズン中は満艇で予約を取れない場合もある。昨年は私も何度か週末の釣行を断念した。
この日は自分としては珍しい平日釣行。空いていればいいな、と思いながら現地に着いて驚いた。ヘラ釣りの人は6名ほど居たがバス釣りは何と自分一人だけだった。
たまたまのタイミングだったとは思うが、今日は自分が湖を独り占めして思う存分に好き勝手な釣りが出来ると思うと期待が膨らまずにはいられなかった。

水位は2mほど減水しており、満水時には見えないような立ち木などもあちこちに姿を現していた。幻想的な朝マヅメの空気と相まっていかにも釣れそうな気配があちこちから漂っていた。

いつもであれば他のアングラーの動向も頭に入れながらプランを立てるのだが、この日は迷うことなくA級スポットを周っていくことにした。


数箇所ほど水通しのいい立ち木や岬周りをウェイクベイトで攻めた後、西方向のインレットを遡上した。3月下旬の釣行時にはモッサで複数尾をキャッチできた川筋である。
グリスシャッドやJTDウェイクミノーを投げながら川を遡っていくが反応はない。減水の為に最上流部まで遡上し切れなかったが、それにしても魚の気配が無さすぎる。見えバスも全く居ないし、ベイトフィッシュもいない。ヘラのモジリも全く見られず魚探にも映らない。

川筋の水温は8度台と本湖より4度も低かった。どうやら低水温が災いして魚が川筋に射してきていなかったようだ。同じく川筋に入っていたヘラ釣りの人と情報交換をしたが、やはりほとんどアタリが出ないという。



上流部は魚が居ないと判断し、水温が12度台になるエリアまで川筋を下ってみる。モッサで一発出るもそれっきり。レンジが下がっているかと思いスパイニーアックスをフォールさせてもノーバイト。 そうこうしているうちに雨が本降りとなってきた。気温も下がり寒さを感じる中での釣りとなった。

大きくエリアを変えて本湖や別の筋をモッサで撃っていく。誰にも先行されていないのだからイージーに釣れるだろうと思ったが甘かった。時期的に見えバスが皆無という事はあるまいと思い、岸沿いにバスがいないか偏光グラス越しに探してみても全く見えない。一体バスはどこに行ってしまったのか。
気が付くと時間は既に9時30分を回っていた。湖を独り占めして好き勝手な釣りをした結果がこれなのか、としばし呆然とする。急いで軌道修正をしなくてはという焦りを感じた。

少なくとも岸沿いにバスの気配がない。バンク撃ちをしていては駄目だろう。出艇時にあれだけ釣れそうな雰囲気ムンムンだった景色が、今はもうどうにもならないコンディションに直面しているような気がしてならなかった。


駄目元で冬場に実績の高かったオダを攻めてみる。満水時には水深が4mほどあった場所だが、3月に入り水温の上昇と共に魚が抜けてしまっていた場所でもある。

1投目、ボトムに着く前にバスが喰っていた。ようやく1尾目を手にする。
しかしこれだけでは終わらなかった。数投毎にバイトが出る。1時間足らずで5尾を手にしたがまだまだバイトが止まらない。どうやらかなりの数のバスが溜まっていたようだ。


この場所、満水時には4mの水深だったが減水により2mの水深になっていた。水温の上昇と共に一度はバスが抜けたものの、減水によって再びバスの溜まり場となっていたようだ。

ということは、冬場に実績のあった場所が減水によって復活している可能性が高い。


冬場の実績場所であれば魚探のGPS上にしっかりマーキングしてある。案の定、2箇所でバスが大量に溜まっている場所を発見し入れ喰い状態となった。いずれも水深2mレンジのフラットエリア+αという条件で共通していた。

残念ながらディープクランクやスピナーベイトのスローロールで反応するほどには活性が高くなく、場所を荒らさず着実に魚を抜き続けていくためにもダウンショットを主軸とした。




とはいえ折角湖を独り占めしていることもあって、朝とは別のインレットを遡上してみたり、水通しのいい立ち木群やオイルフェンス際をグリスシャッドで攻めてみたり、バンク沿いをシャッドラップで速巻きしてみたり、状況変化に期待しつつ本湖のオーバーハング下を再度モッサで攻めてみたりもした。

が、いずれも結果には繋がらず。この日は圧倒的に水深2mのフラット+αへのバスの集結度合が半端では無かった。


あまりにも入れ喰い過ぎて正確な数をカウントし切れていなかったが、終了後にデジカメの画像を見返してみると32尾までは確認できた。撮影しなかった魚もいたのでそれ以上のバスを釣り上げたことになる。

私のこの釣果が戸面原ダムにおける今シーズン初の30尾超えだったようだが、以後は30尾超の数釣りをする人もコンスタントに出ているようだ。また昨年ほどではないが4月以降はランカーサイズも釣れている。現在の関東のメジャーフィールドとしては5本の指に入る釣れ具合ではないだろうか。


そして現地ではこの状況を今後も維持するための施策も始まっている。バスアングラーにフィールドを開放することで経済効果が生まれて地元が潤い、バスのみならず湖全体のコンディションが守られていく方向に進みつつある。

フィールドが制限されたり閉鎖される話が多い昨今、房総のフィールドが良い意味でのモデルケースとして全国に知られるようになって欲しいと願う。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
REVO PRM
2000SH
FCスナイパー3lb. AR-Wピンテール2.75インチ、レッグワーム(ダウンショットリグ)
(タングステンシンカー1.5g,タイニースゴイフック#8)



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