『6/7 三島湖釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



6月7日

昨年の春に何度か足を運んでいた三島湖。昨年5月にダムサイトの漏水が見つかり、以降は補修工事の為に大減水(-8m)となった。1年ほど自分が足を運ばなかったのはそれが原因である。 減水によって駐車場から湖面までが遠くなり、バッテリー、エレキ、バウデッキ、その他釣具諸々を運搬するのがキツイだろうと二の足を踏んでいたというわけだ。
今年の春以降はやや水位を上げ、釣行当日は-5m。最減水時よりは多少マシになったのではと思ったが、実際に行ってみるとアラフィフの自分にはなかなか堪えるものだった。

今回私が利用した石井釣舟店さんではエレキやバッテリーも含まれたフルセット艇というものもある。 桟橋でそのフルセット艇を見て驚いた。 エレキは現行機種でバッテリーも比較的新しく、サウザーのショートバウデッキ、さらにはリセストレイ付きのフロントデッキまで装備されている。どれを取っても真新しく、少なくとも私の所持品より断然綺麗だった。
フルセット艇の場合は船体のみを借りるよりもお金は余計に掛かってしまうが、準備や後片付け時の苦労からは大幅に解放されるはずだ。
近いうちに荷物を昇降するためのリフトも出来上がるようだが、車から桟橋までの荷物運びがキツイと感じる人には選択肢として考えてもいいだろう。


6月の三島湖は5:10〜17:30まで釣りをすることが出来る。 早目に到着して準備を進め、5:10になると同時に豊英ダムからのインレット方向にボートを向けた。

この日の主目的はシンクスパイダー(発売は未定)のプロト品のフィールドテスト。 なるべくであれば適当に投げて釣るのではなく、サイトフィッシングで魚の反応を見たいという気持ちがあった。真っ先にインレット方向に向かったのはそのため。

遡行できる限界まで上流に向かってみたが、期待に反して見えバスが極端に少ない。豊英ダムからの放水が流入する川筋上流部は当たり外れが大きいということもあって、この日は外れだったかもしれないと感じた。

シンクスパイダー、モッサ、グリスシャッドを投げていたがグリスシャッドに1チェイスがあったのみ。この日は水面への反応がほとんどなく、岸際から一段下のレンジにイモグラブを落としてようやくヒットが得られた。魚が全くいないわけではなく、偏光グラスで視認出来る範囲の浅場に出てきていないだけのようだ。

それでも時折バスがベイトフィッシュを岸際で追う光景は見られた。1m弱の水深に待機していて、スイッチが入るとベイトを追って浅場へ出てくる、そのような印象を持った。

狙いを水深1m弱で変化のある場所に絞ってみる。目に付いたのは水深1mに岩が幾つも転がっている場所。テスト中のシンクスパイダーを沈めていくと、微かに何かに擦れるかのような感触が伝わってきた。そっとラインを持ち上げていくとそのまま上へと上がって来る。
てっきり水中の捨てラインか何かに掛かってしまったものだとばかり思っていたが、水面にゆっくりと浮上してきたのは50cmオーバーのバス!まともにアワセていないのでフックは掛かっていない。
何の抵抗もせずに上がってきたバスだったが、水面付近まで上げられたところで軽く首を振りフックアウト、そのままゆっくりと湖底に向かって泳ぎ去った。どういうわけかまるで元気のないバスだとは思ったが、グッドサイズをキャッチするに至らなかったというのはやはり悔しかった。


これでメンタルが崩壊したのか、バスの居る水深を見出してヒットが出るようになったにも関わらずミスを連発。 波に乗れずイライラしていたところに、フラフラと泳いできた見えバスを発見。 すかさずその進行方向にシンクスパイダーを撃ち込むと躊躇うことなくバイトしてきた。

さほどファイトも強くなく40cm程度かと思っていたが、ネットで掬ったバスを改めて見てみると意外に長さがある。メジャーで計測してみると46cmあった。先程ミスした魚がいかに大きかったのかを痛感してしまった。



しかしこの日の川筋は決して魚が多くはなかった。メインレイクの状況も見ておきたいと思い、一気に本湖下流部まで移動。
何箇所かをチェックしてみた結果、垂直岩盤などでは反応がなく、緩やかなバンク沿いには回遊している見えバスや複数尾のスクールが確認できることがわかった。

驚くべきは見えバスの反応の良さだった。魚の進行方向を予想してそこから意図的に少しだけズラしてルアー(シンクスパイダー、イモグラブ、ダウンショット)を落とす。泳いできたバスの視界にルアーが入っているであろうというタイミングでルアーを一瞬だけ軽く動かす。するとバスは吸い寄せられるように次々とヒットしてきた。
大概のフィールドで同じことをしてもルアーに見向きもされないか、むしろ逃げられることの方が多い。関東のハイプレッシャーレイクではほぼそうなるだろう。


レンタルボートでのバス釣りが解禁されて2年目となる三島湖だが、まだまだバス達は素直なようだ。


この日は夕方から雨となる予報が出ていたが、実際にはそれよりも早く昼前には本降りとなってしまった。こうなるとサイトフィッシングは出来なくなってしまうが、午前中のうちにバスの回遊するレンジを掴んでいたのは幸いだった。

イモグラブのリフト&フォールやAR-Wピンテールorレッグワームのダウンショットをバスの回遊ルートとなりそうな場所に撃ちこんでいくと飽きない程度にバイトが続き、数釣りを堪能。



夕方近くになると雨足と風が強さを増し、ちょっとした豪雨レベルになってきた。 普通の人ならばとっくに釣りを止めているであろう状況の中、こんな時こそ大型が出ないかと期待しつつシャローエリアでバズベイトを引き倒したが、さすがに修行の様相を呈してきたので17:30まで心が持たず17:00で終了。


バラしてしまったものの50cmオーバーのヒットがあり、数的にも15尾。そして何より見えバス達のルアーへの素直な反応が嬉しい限り。今の時代の関東のフィールドでこんなに楽しい釣りが出来るなんて夢のようだ。大勢のアングラーが三島湖に魅せられているというのも納得できる。
三島湖は現在、関東でも有数の人気レイクとして賑わいを見せている。休日の人の多さが気になるが、大型を狙いたい人にも、数を釣りたいという人にも、特定のルアーを投げ倒したいという人にもお勧めできるフィールドと言えるだろう。


石井釣舟店
Tel.0439-38-2139
HP:https://mishimako-ishii-bass.net/


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO PRM
2500SH
PE0.8号+リーダーフロロ4lb. シンクスパイダー プロト・発売未定品(ノーシンカー)(がまかつ322#2)
ツアラー63改 REVO PRM
2000SH
PE0.4号+リーダーフロロ4lb. イモグラブ40(ノーシンカー)
(GYオフセットフック#1)
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
REVO PRM
2000SH
FCスナイパー3lb. AR-Wピンテール、レッグワーム(ダウンショットリグ)
(タングステンシンカー1.5g、タイニースゴイフック#8)

 偏光グラス  α-sight MS-063(シャンパンイエロー)



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