『7/11 三島湖釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



7月11日

昨年の7月というとすでに猛暑だった記憶があるのだが、今年は梅雨らしい天候が続いている。 減水が続いていた三島湖も-3mまで水位が回復した(ダムサイトの工事の関係で、これが現状での満水位となる)。

この日も引き続き開発中のアイテム「シンクスパイダー」のテストを行った。 テストを行っては改善点を探し出し、それが反映されたサンプルが出来上がってきたらまたテストを行う。 既に何度目かの形状変更と硬度調整、ソルトの含有量を調整してきた。 この日に持ち込んだプロトサンプルはおおよそ完成に近いレベルに達してきていると感じる。
秋までには完成させ、カタログ掲載やフィッシングショーでの展示をしたいと考えている。来春には発売をしたいところだ。


雨天続きであった為に湖には強い濁りが入っていた。 シンクスパイダーはサイトフィッシングでの用途も強く意識しているため、そのテストもまたサイトフィッシングで魚の反応を確かめたいと考えていた。 上流は濁りが取れていることを期待し、まずは豊英筋のインレット方向を目指す。

が、考えることは皆同じ。開始時刻と同時に上流方向に向けてのレースがスタートするが、12V54lbエレキの私はどんどん追い越されていく。

さらにもう1つの誤算は、かなり上流にまで遡ったにも関わらず水の色が変わらず強く濁っていたことだ。 当初は上がれるところまで行った後に釣り下って来ようと思っていたのだがそれを止め、釣りながら少しづつ遡って行く事にした。


まずは行きがけの駄賃狙いで浮きゴミのカバーにブルフラットのテキサスリグを入れていく。水深は50cmに満たない場所だったがかなりベイトフィッシュが入って来ていた。読みが当り何度かのバイトが得られ早々に2尾をキャッチ出来た。 2尾目はコンディションも上々の42cmでファイトも力強く楽しめた。



先行艇との時間差も空いただろうというタイミングでインレットへの遡上を再開。 しかし水の色は相変わらず濁っており見えバスの姿はない。 濁りで魚が見えないというのもあるが、そもそも岸沿いにバスがいないという印象を受ける。 ベイトフィッシュを追うフィーディングもほとんど目にしなかった。

止むを得ずシンクスパイダーをピンスポットにフォールさせていく釣り方にシフト。 岩盤に倒木が絡む、いかにもといったスポットに撃ち込んだところフォール中にラインが走り始めた。

さほど苦も無くランディングしたが、魚体を見て暫し愕然。頭は大きいが体がガリガリに痩せ細っているバスだった。 三島湖ではたまにこうした痩せ細ったバスが釣れる。この魚も45cmあったのだが、こうした体型の魚は比較的大型の個体が多い。

さらに遡上を進めるが、エレキを水面にまで上げないと突破できない難所を前に断念。とはいえ何艇かのボートはパラダイスを求めてさらに上流を目指したようだ。

ここまでの川筋で確認できた見えバスは僅か1尾。シンクスパイダーで狙うと一発で喰ってきたがランディングには至らず。また岩盤エリアでフリーフォールさせても数回のバイトが確認できた。


ここで大きくエリアを変える。一気に本湖下流域にまで移動した。 先月に来た際には本湖のなだらかなバンク沿いに回遊するバスが多く、それらの魚がイージーにルアーに反応していた。 この日も同じようなコンディションの魚がいないかと期待して探したが、どういうわけか全くいない。

エリア内のバスの存在を確認する為、カバーの中にイモグラブを落として1尾、浮きゴミのカバーにブルフラットを落として1尾をそれぞれ釣るが、それをきっかけにして連発するという要素は全く見出せなかった。バスがあまり多いエリアではないと感じられた。


一段深いエリアを丁寧に攻めればその限りではなかったのかもしれないが、この日の主目的はあくまでシンクスパイダーのテストであったためシャローで魚を見付けることを優先させた。

そんな中でふと目に入ったのは複数の黒球の溜まり。水中には黒球から伸びるロープがグチャグチャになって伸びていた。

ロープ沿いに浮いているバスも居るのでは?と思いながらシンクスパイダーをフォールさせていくと、案の定ラインが走り出していく。

場所が場所だけに慌ててアワセるが、既に軽くロープに巻かれている感触が伝わって来る。 慌てず耐えているとロープから外れる感触があり、一気にロープから引き離すべくボートを沖に回す。魚が再度ロープに向かって走ろうとするのを必死に耐えるが、そのパワーから想像されるのはちょっとやそっとのサイズではないということだった。
やがて魚体が見えた瞬間、その大きさに驚いた。前月のテスト時にもシンクスパイダーで50cmオーバーをミスしてしまった記憶が脳裏をよぎったが、慎重にファイトしてどうにかネットインに成功。

サイズは口閉じで55cm。久し振りに手が震えるサイズをキャッチ出来た。フックは口の中に掛かっており、フロロ4lbのリーダーは歯で擦り切られることなく良くぞ耐えてくれた。


なおこれは後にボート店の御主人に聞いた話だが、この黒球のスポットではこれで3日連続50cmオーバーのキャッチとなったとの事だ。


夜から天気が崩れるはずだったが14:30を過ぎると雨が本降りとなってしまい、以後はサイトフィッシング並びにシンクスパイダーのテストを諦めて好き勝手な釣りをすることにした。まだあまり使い込んでいないBiwaaのジョイントベイトなども意識して多投していった。

この日はまだチェックしていなかった長倉台方面にボートを進めていくと夫婦橋の上流まで遡ったあたりで水の色が回復していることに気付く。少なくともこの日に見て回ったエリアの中では水の色が一番良かった。午前中に豊英筋ではなくこちらを遡上するべきだったのかもしれない。

案の定バスの反応は非常に良く、ところどころにある浮きゴミに立ち木が絡んでいる場所からはブルフラットで複数のバイトが得られた。46cmを含む2尾をキャッチ。



この日はルアーのテストを優先させたことと連発パターンを見付けられなかったこともあり数的には8尾止まりで終わってしまった。しかしながらサイズ的には55、46、45、42cmと上々の結果が得られたと思っている。

何よりテスト中のシンクスパイダーの完成が近付いてきている事に対する喜びはとても大きい。今はまだお見せすることが出来ないのが心苦しいが、来春の発売以降は多くの人に釣果をもたらしてくれる製品になると確信している。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラー63改 REVO PRM
2000SH
PE0.4号+リーダーフロロ4lb. シンクスパイダー・プロト(ノーシンカー)(がまかつ322#2)
ツアラーV-SPEC
TVC-70H
REVO MGX
SHS-L
FCスナイパーBMS 12lb. ブルフラット3インチ(テキサスリグ)
(TGバレットシンカー1/8oz、ストレートフック#2/0)
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO PRM
2500SH
PE0.8号+リーダーフロロ4lb. イモグラブ40(ノーシンカー)
(GYオフセットフック#1)

 偏光グラス  α-sight MS-063(シャンパンイエロー)



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