年末年始 戸面原ダム釣行

池島 竜一

SMITH STAFF

少し遅くなりましたが本年も宜しくお願いいたします。
また、この度の令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、 被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。微力ながら私自身も被災地の一日も早い復興に向けて尽力してまいりたい所存です。



例年と異なり、今冬は水位の低い状態(-4~-3.5m)が続いている戸面原ダム。満水位(例年であれば冬期はほぼ満水位)を基準としてマーキングしていたピンスポットや実績場所は使い物にならなくなり、この冬は0に近い状態から湖を再チェックしながらの釣りを強いられている。


12月23日


前回釣行時はまだ晩秋っぽさが感じられたが、ようやく寒さも本格化して朝の気温は-3度。ガイドの水滴も凍り付くようになった。自分としてはこれくらい季節が進んでくれた方が狙いを絞りやすくありがたい。

水温は10度台で、まだディープフラット上を動き回るバスがいることが考えられる。前回から目を付けている立ち木の多い5mディープフラットをチェックするがバイトは得られず。いかにも条件が良さそうな場所なのだが何かが違うらしい。別のエリアの4~5mディープフラットを探ると2度ほどショートバイトを得るも掛けることが出来ない。


陽が上がりディープフラット狙いから立ち木攻略にスイッチする。ダウンショットのロングシェイクで誘うとバイトが出るものの、やはりショートバイトに悩まされることとなった。アワセが早いと掛けられず、喰わせの間を置き過ぎると立ち木に巻かれるというジレンマに悶絶する。


この状況を打開するためワームのサイズを変えてみる。チョイスしたのはイモ30(にシリコンラバーを通し刺ししたもの)。一口サイズのワームにサイズダウンさせることで早目のフッキングでも掛けられる可能性を上げようという狙いだ。これが功を奏したか、11時近くになってようやくこの日の1尾目を手にすることが出来た。

しかし一口サイズのワームは諸刃の剣でもある。確信の持てるピンスポットを直撃するのには良いが、ある程度の範囲を探りながら釣っていくような場合にはアピール力不足が裏目に出る。今期は確実性の高いピンスポットをあまり持っていない状況なので、闇雲にイモ30に頼らないよう留意はしていたつもりだ。


その後はAR-Wピンテール、AR-Wカーリー、レッグワームをローテーションしながらバスの反応を探っていく。午後からはショートバイト傾向が弱まり明確なバイトが多くなってきた。4~5mフラットからさらにディープへ落ちていくショルダー部をウロウロしているバスが居ることを掴み、単発バイトを拾っていき3尾追加した。

真冬のバス釣りは可能性の高いピンスポットをどれだけ持っているかが結果に直結する。しかしながら-4mの戸面原ダムでそれをなかなか見付けられないもどかしさを感じていた。


12月29日


2023年の釣り納め。前年の年末には二桁釣果を得ているのだが、今期の戸面原ダムの手応えからするとそれには到底及びそうもないと実感していた。


自分は1分1秒でも長く釣りをするために、ボート屋さんが開いた直後のまだ暗いうちから準備に取り掛かる。この湖に足を運ぶ釣り人のほとんどが夜明け前から準備を進め、規定時間と同時に湖上に散っていく。当たり前のようにヘッドライト持参の人が多い。それは真冬であっても変わらない。

この日の水温は9度台。順調に水温が下がっている事で魚の着き場も変わっていることを期待して、沈木の多い4~5mディープフラットを丹念に探っていった。しかし期待とは裏腹に1度のショートバイトがスッポ抜けたのみ。


本来であればこの時期は風や湖流からプロテクトされやすいワンド内にあるスポットが越冬に適している(水深が4m以上あることが前提条件)。ところが減水によってワンド自体が干上がったり水深が無いという状況になっている。おのずとバス自体もメインレイク内に居るしか選択肢がないのだが、バスにしてみれば"快適性"という面で今一つなのかもしれない。


前回釣行時に複数バイトを得ていた立ち木があった。水面上に出ているのは枝数本なのだが水面下には規模の大きな立ち木が沈んでいるようだ。ここは不思議と陽が上がってからの方が魚が溜まる印象があるのでタイミングを見計らって入ったのだがこの日はそれが裏目に出た。自分がそこに向かったタイミングでは既に先行者の姿があり、しかも連発中だった。今冬は湖面面積が狭くなっていることもあって 良いスポットはどうしてもバッティングが避けられない。ただ、数ある立ち木の中でも突出して良い立ち木があるのは間違いない。条件が類似する立ち木も何箇所かあるのだがまるで魚が居ない立ち木もある。その違いが一体何なのかは自分自身もまだ理解できてはいない。


前回釣行をヒントに3~5mに落ちるショルダーをダウンヒル気味にスイミングさせるとおそらくは回遊性と思われる魚をキャッチすることが出来た。時間は既に10:20だった。これをきっかけとして追加していきたいところだったが同様の攻めを続けてもバイトは得られなかった。

この日は他のボートも多く、良いスポットには入れ代わり立ち代わり人が入っているという状況だった。それでもバイトが出ないわけではなかったがショートバイトが多くミスを連発してしまう。 そこでなるべく他の人が見落としているであろうスポットを探す。人気のないエリアの中に単発で沈んでいる木を見付けることが出来た。AR-Wピンテールのロングシェイクでバイトを得、ようやく2尾目を手にした時には12:20となっていた。

午後もショートバイトに悩まされ追加は出来ず。この日は僅か2尾という貧果に終わる。但しバイト数自体は8~9バイト得ており、厳寒期の釣りと判断するには時期尚早と感じられた。この状況を打開するには何かショートバイト対策が必要と感じ、年明けの釣りに向けて準備を進めることにした。


1月2日


例年、三賀日中にその年の初バスを釣る事にしている。ボートの予約も昨年のうちに済ませておいた。ただ、誰しもがそうだったと思うが、まさか元日早々から大変な災害が起こるなどとは思ってもみなかった。 津波被害、頻発する余震、停電、断水、交通麻痺など、2011年東日本大震災後の出来事がフラッシュバックし、気持ちがザワザワして落ち着かなかった。金沢在住の知人と連絡が付かなかったこともそれに拍車を掛けていた。


災害に見舞われた地域の人達の事を考えるととても釣りをする気持ちにはなれなかったのだが、かといってそれがボートの予約をキャンセルする理由にはならないだろう。
ボート代だけ支払ってそのまま帰宅しようかとも思っていたのだが、いざ現地まで行ってみると大勢のバスアングラーとヘラ釣り師の人達がいつも通りに準備に勤しんでいた。それを見て何だか少しホッとした気持ちになり、自分も彼らと共に湖上に出ることにした。


ただ、湖上に繰り出したまでは良かったが、やはり心ここに在らずで釣りに集中できない。魚を探そう、釣り方を見出そう、という思考回路が完全停止してしまっていた。そのような状態で真冬のバスに挑んだところで結果に繋がるわけもなく、5度ほど得られたバイトをことごとくミスしてしまう。 気が付けば時刻は正午を過ぎていたがその時点でノーフィッシュだった。当然の結果だろう。


立ち木の根元を狙いダウンショットをシェイクしていると抑え込むようなバイトが出た。フッキングすると枝越しのファイトとなったせいもありやたらと重い。これはグッドサイズではないか?と思い慎重にファイトをしていたが、ラインが水中の枝から外れた瞬間にスルスルッと一気に上がってきた。
今年の初バスは20cmクラスの小バス。このサイズを相手に慎重にファイトしていた自分が可笑しくなり少し気持ちが晴れた気がした。今年の初バスがこのバスでむしろ良かった。

1尾目のおかげで少し気持ちが持ち直し、ここから巻き返していこうという気になってきた。前回釣行時の釣り方を思い出し、3~5mのショルダー部分をダウンヒルに引く釣りを再現させるよう心掛けて2尾目を追加。

やがて雨が降ってきた。すると一等地に陣取っていたヘラ釣りの人が帰り支度を始めた。すかさず入れ違いでその場所に入り、ディープのオダのトップをかすめるように探って41cmと38cmを連続でキャッチ出来た。

この日に使ったワームというのが「イモピン」。イモ30にAR-Wピンテールのテール部分を溶着させたもの。ショートバイト対策として自作してきたものだった。とはいえこの日も午前中にはフッキングに繋げられないバイトは多かったので、まだまだ完成形とは言えないものだろう。

 

2024年、日本の年明けは重苦しいスタートとなってしまった。ここから先は明るいニュースが続く世の中であって欲しいと切に願う。

RodツアラーV-SPEC TVS-63L
ReelREVO MGXシータ 2500SH
LinePE0.6号+フロロリーダー5lb.
Lureレッグワーム2.5インチ、AR-Wカーリー2.75インチAR-Wピンテール2.75インチ(ダウンショットリグ)タングステンシンカー3.5g、スーペリオLOフック#6
イモ30改、イモピン(ダウンショットリグ)タングステンシンカー3.5g、インチフックラージ