黒田 響

ヒューマンアカデミー福岡校フィッシングカレッジ
トーナメントプロ専攻 二年

ブログ:響 黒田のブログ



《佐世保で灼熱チニング!》


 梅雨から一転、大型台風が連続して接近してきた7月上旬。私の中では夏の風物詩の様になっているチヌを狙う季節がやってきた。年間通して狙えるターゲットだが、初夏から水温が上昇し汽水域に差してくる個体が圧倒的に多い。ルアーの反応もすこぶる良くなり、ゲーム性が強く現れるシーズンの幕開けだ。


 7月10日に長崎県で遊漁船シーズナルを営む森下船長と予定を合わせ、佐世保エリアを中心に陸っぱりから挑む。釣行予定の前日は日本列島に台風直撃と当日は釣りが出来るか心配だったがなんと快晴。だが、急激な気圧変化でタフな状況が予想される。現地へ向かう道中、神秘的な雲海が見れた。何かご利益がありそうな雰囲気で今回の釣果に期待したい。


 最初のポイントは水深1m程の河川。ここは汽水域なのか?と思う位でブラックバスを狙うバックウォーターのような流れ込み。上流から下流に向かって釣り歩く。やはり台風の影響で水質は濁っていた。

 まずはトップの反応から伺うべくチヌペンFWで探る。しかし反応は無い。普段より流れも強いみたいでチヌが気付けてないと感じ、シャッドに変更しアプローチするが根にスタックしてしまう。すぐさまシンキングミノーAKM48にルアーチェンジする。ブラインドで時折、トゥイッチ。その瞬間にドンッと吸い込むバイト!いきなり訪れたヒット。慎重にやり取りし上がってきたのは60cmのシーバス。本命では無いが嬉しい1尾だ。

 この後、下流につれて流れはゆるやかになる。再びチヌペンFWに戻すが何も起こらず、移動することに。


 次のポイントの底質は砂地で大きな地形変化は無いが水門が所々にありカレントが効いている河川。橋脚も多数でシェードが絡む。

 これだけの晴天と気圧変化ならシェードに集中するだろうとチヌペンFWで移動距離少なくドックウォークさせる。すると1投目からバイト!しかし喰いは浅い。何度か出るが乗り切らない。でもストップを入れると見切られてしまう。これが日差しの指すオープンウォーターならストップで距離を縮められるのだがシェードが故に光量が少ない為、魚はハッキリと確認出来るのだろう。

 何度かアタックする中、1番深いバイトでスイープに合わせると今度は乗った!黒光りする銀鱗の姿。やっと本命40cm程のチヌに出会えた。その後はパッタリと何も無し。午後からは水温も上昇するのでカレントをキーにラン&ガンで次々と釣り回ることにした。



 太陽の位置も真上でシェードが少なくなっているがチヌが差してくるのをサイトで確認出来る。上記にあったオープンウォーターのポーズを試してみる。風が下流に向けて吹いており、ラインスラックを風に乗せ、ナチュラルにチヌの遊泳ルートと同調させる。するとスーッと距離を鼻先まで詰めてはくるがバイトまで持ち込めない。アクションを入れても無関心。

 そこでフォローでAKM48を入れる。AKM48は可変アクションでフォールは水平姿勢でローリング、リトリーブではウォブリングが強くなる。着水後、フォールのローリングバイブレーションに反応した!チヌが見切ろうとした瞬間に移動の少ないトゥイッチでフラッシングさせるとAKM48に勢いよく噛み付いた!これがこの日のパターンとしてチヌのコンディションと合致し、釣果も伸ばせた。

 それからはAKM48の独壇場でこれまで苦戦したのが嘘のよう。可変アクションで食わせのタイミングを作りやすいのは勿論、小さいボディでヘビーシンキングミノーでレンジコントロールを即座に対応出来た。サイトとブラインドで順調に数を伸ばせた。




 最後のポイントは激流エリア。まだキャッチ出来ていない大型チヌを狙って入った。

 早速、同行者が良型を掛けた。グッドサイズで今度は私の番だと最後の1投。同じくAKM48にココッと当たってきたがミスバイト。再度アプローチすると食い直してくれてヒットに持ち込んだ!

 しかし何かおかしい。重量感は全く無い。上がってきたのはフグだった。これには周囲和やかな空気になり、良いオチになったなと皆で笑える出来事で納竿となった。


 今回のチニングでは同行した仲間も水面下でのゲームでシャッドやミノーなど駆使して釣果を出していた。仲間と一緒に行くとその日のパターン、考察が広くなり非常に為になった釣行となった。

 これから夏休みに入り、チヌはよりアグレッシブな反応で我々を楽しませてくれるだろう。真夏のブリームゲーム、次の釣行が楽しみだ!




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