黒田 響

ヒューマンアカデミー福岡校フィッシングカレッジ
トーナメントプロ専攻 二年

ブログ:クロヒビのFishing life!!



《悪天候こそ、プラグの出番》


 九州では一足速く桜が咲き、春の訪れを感じる4月初旬。「春告魚」とも呼ばれる釣り物の風物詩であるメバルを狙う好シーズンな時期の到来だ。


 今年のメバルの動向としては私が感じるなり、産卵を意識するプリスポーンの移行が去年より速く感じ取れた。と言うのもニュースなどでよく「暖冬」と耳にした人も多いことだろう。海中も同じく季節の進行が速く、全国各地でプリの良型メバルをキャッチした情報がメディアで見て取れた。しかし、産卵が終わるなりアフターの喰い渋るタイミングで九州エリアは大寒波が襲い、厳しい状況だった。釣り方としては上擦らないアフターの個体がディープに落ち込み、ボトムに張り付いた所にジグヘッドを口元まで送り込む様なイメージで釣れる状態が続いていた。

 しかし、ここ最近は気候が安定しており温暖な日が幾分重なった為、アフターの個体が回復傾向にあり、しっかりベイトに付く様になって釣果が戻ってきた。これがつまり春の訪れなのかも知れない。ハードプラグでの良い釣果を期待して地元である関門方面と山陰側に向かった。

 そして今回、同行してくれたのは幼なじみであり水産大学生である友人にも来てもらった。関門にも勿論詳しいが山陰側の地形にも詳しい。夕方頃に集まって山陰から関門に下る形でランガンしていくこととなった。


 最初のポイントは干潮であった時間でもあって水深のある港に入った。底質はゴロタで堤防の敷石がブレイクラインとなってフラットに切り替わる。そこに白い外灯が差込み雰囲気は完璧だ。まずは様子見でガンシップのシェルプレートのフローティングをセレクト。ストップ&ゴーで水面下から50cmを手早くサーチする。

 チラホラとイカ墨の跡 があった事からヤリが釣れているのだろう。ジグヘッドで探っていた友人にアタックしてくるが肝心のメバルの反応は無い。私も1回小さいメバルがバイトしたのみだった。


 そしてこの日の天候は最近の温厚な気温と打って変わり、低気圧が押していた。雨、風と強く波も少々荒れていたのでガンシップのシェルのシンキングで水面下をチェックした後にメバペンマグナムで遠投とコールアップを計った。このリズムで山陰から関門を釣り下る。

 しかし思いの裏腹に他のルアーも試すが返事がない。そのタイミングで待望の上げ潮が効き始め、今までの経験上、ここかも知れないと閃いたポイントに入った。あまり釣り込んでもいなかった場所なのだが東風、つまり向かい風で手前に走る潮ならルアーが飛べば勝負になる。あと風、潮共に同じ方向に来てくれると釣りやすいし、右左と流されているルアーより綺麗にアプローチしやすいと考えた。プラスでベイトが寄せられていたら万々歳だ。


 ここでもガンシップのシェルのスローシンキングタイプ。いつもはフローティングを多用するが今回は少し部が悪かった。ルアーが波に揉まれてすぐ浮き上がってしまい、ストップの後のリーリングでリップが上手く水を噛んでくれない時がある。そういった点を脱却出来たのがシンキングだった。踏まえていつもフローティングかシンキングかを使い分けている。


 ガンシップをストップ&ゴーで手前まできっちり巻いてくると後ろから20cm後半のメバルがチェイス!ゆっくり間合いを詰めてきて、食うか!?てところでテールフックをキスバイト。すかさず続けて同じアプローチでまた違う個体が追っ掛けてきた。バイトまで繋がるのは少ないものの明らかに状況は良くなっている。

 それを見た友人はすかさずルアーチェンジ。ジェイドSに変えて一投目からヒット!なんと続けざまに連続ヒットまで持ち込んだ。


 使い方としては潮目と明暗が重なる箇所までキャストしてトゥイッチ&ロングポーズ。ガンシップのストップ&ゴーでは水中でアピール出来る時間は向かい風と手前に走る潮ですぐ回収してきてしまう。そこでガンシップよりフラットサイドなジェイドの方がトゥイッチによる移動距離を抑えたヒラ打ちアクションが出来る上、何よりポーズが効いた。

 ガンシップはあまりポーズでは使わない。ハンドルの手を止めて浮かせるか沈めるかがリトリーブアクションを生かしてくれる。このポイントではジェイドがパターンだった。



 しかし、そう長くは続かず潮も緩くなってバイトはパタリと止んで移動する事に。こういった時はプラグの見切りも肝心。ジグヘッドのボトムの釣りにシフトして右から左に動く潮にボトムまで送り込み、ドリフトさせる。

 プラグとはまた違う面白さがあるのがジグヘッド。ティップにコッと出るバイトを自ら掛けていくのがたまらない。ロッドとラインもルアーがボトムにあるので角度が付いていて掛けた後のファイトも一味違う。そこまで速くも無い流れだったのでウエイトは1,5gが良かった。


 今回の山陰&関門釣行は生憎の天候で非常に釣りにくく、難しい状況であったがプラグならではの集魚力と喰わせる力を持つプラグを上手くローテーション出来た事が功を奏した。

 完全に回復した個体が増えてくれば、さらにプラグゲームが面白くなってくるはず。次回は必ずやとリベンジに燃える友人と私だった。



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