古谷 英一

スミスフィールドスタッフ



《 日本最南端のメバル生息地「鹿児島県・長島」 》


冬場の定番ターゲットと言えば、やはりメバル!日本各地で近場のライトタックルゲームとして人気である事は、もう言うまでもない。
しかし、私が住む九州では、その生息域の南限ともあり、釣れる地域と釣れない地域がある。太平洋側は大分県南部まで、東シナ海側は鹿児島県北部、これが生息域のライン。
そんな南限のゲームを今回はご紹介したいと思う。


私の住む鹿児島県、その北端にある島々で、唯一メバルは釣れる。
もちろん、他のエリアの様に釣りやすいとは決して言えない。個体数の関係もあるが、やはり高い水温の影響が一番大きいかと思われる。そのため、夏場は全くもってメバルの姿はなく、この冬季限定で岸に集まってくる感じ。
しかし、フィールドが持つポテンシャルはなかなかで、数釣りはもちろんの事、サイズも例年30cmオーバーが出る。そして、何よりメバル狙いでのアングラーが少ないのもいい。アジングはかなり多いが・・・。そこが、九州南部ではマイナーターゲットの証し。 そんな長島だが、如何せん遠い。パッと行って、チャチャっと釣って帰る事が出来ない・・・。そなため、半遠征的な釣行。しかも、今回はナイトゲームのみ。仕事終わりから走って、3時間ほどの釣りで撤収しなければならない。
当然だが、潮を選んでの釣行もままならない。今回は潮は長潮で悪いが、満潮までの満ち込みをしっかりと狙えると踏んでの釣行。潮が動かない、潮位も低い、それでもメバルを出すのが目的。


普段、メバリングではワームとプラグを上手く組み合わせてのスタイルだが、今回はプラッギングオンリーで臨む。水温が来年よりも初冬は高く、スポーニング、群の接岸の仕方がとにかく遅く、プリのコンディションの良いメバルを釣るため。
なるべく潮の動くポイントを探し回り、とにかくラン&ガンしていく。その中でも、子メバルのライズが繰り返される場所もあったが、とにかく大きなサイズを求める。
アジさえ釣れない状況の悪い中、ようやく辿り着いたスポットで、そこそこ楽しむ事ができた。しかし、潮の影響からか、とにかく活性が低く、ショートバイト連発。モソッと触れる様なバイトを、如何にフッキングに持ち込むかが、数を釣るためのカギとなった。





今回のパターンとしては、とにかくフォールがカギとなった。いつもであれば、トップにもそこそこ反応はあるが、今回はなかなか出ず。フローティングで潜らせても反応は少ない。
そこで活躍するのが、やはりシンキングモデル。しっかりとある程度のレンジを探れる能力が必要不可欠。さらに、渋い反応に対して、よりバイトを誘発させたのが、スローなフォール!一気に沈むヘビーシンキングではなく、漂うかの様に沈む!これが大きなカギとなった。

そこで活躍したのが、ガンシップ36SSとメバペンSP、メバペンJr.SP。しっかりと水中で漂う感じでフォールできるこの2種は、とにかくバイトが集中。
使い方は、ガンシップは着水後に沈めつつリトリーブで潜らせ、スローリトリーブでのストップ&ゴー、もしくは軽いトゥイッチングとボーズの組み合わせ。メバペンは、着水後にしっかりと沈めてからの超スローリトリーブ(短い距離)とボーズ(長め)を組み合わせる。
どちらも、リトリーブ時のバイトはないが、フォールしている最中にモソッとしたバイトや、ラインフケが出来る。シビアなバイトだけに、スイープなフッキングでなければルアーが飛んで来てしまうが、このパターンで入れ食いに近い状況へ。

そして、とにかく長めのポーズが大切だった。単に沈めるだけではシンキングミノーでもいいのだが、これに対しての反応は少ない。レンジも少し下ではあったが、あえてスローシンキングやサスペンドを使用する事で、よりスローなナチュラルな沈みが渋いメバルの気を引いてくれた。


今回、サイズこそ24cm止まりだったが、満潮の潮止まりまでの一時間半、アラレ混じりの雨の中、楽しいゲームが出来た。
さらに、今年は他の魚にも言える事だが、水温が高いせいかシーズンの大幅なズレが生じているよう。例年であれば、ここ長島のメバルは完全に産卵で出て行ってしまう時期。しかし、今回はプリスポーンのメバルばかりが出た。これを考えると、アフターシーズンにもズレが生じる可能性大。アフター狙いもずらしての計画が良いのか!?なかなか難しいメバリングシーズンとなりそうだ。


● 使用ルアー

ガンシップ36SS
メバペンSP
メバペンJr.SP



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