古谷 英一

スミスフィールドスタッフ



《 港湾シーバス攻略 》


南国鹿児島も、真冬になりました。もちろん、北日本に比べれば暖かいのですが、寒さは厳しくなりましたね。この頃、例年であればスポーニング絡みのシーバスラッシュではあるのですが、今年の私は晩秋以降シーバスの動向を見失ってしまい、その後の釣果は散々たるもの。もう完全にわからなくなりました(笑)。

そんな中、連日錦江湾内の河川を走り回るも、これといった釣果はなく、ボーズ街道まっしぐら。バイトすら得られない日が続きます。話によると河口付近では釣果は出ているのですが、私が釣りたい中流域はベイトさえ居ない状況。何がどうなっているのか?さっぱりです。


そしてとある日、ふらりと立ち寄った港湾部。アジ狙いで寄ったのですが、シーバスの様子を確認するのは日課。覗き込んだ岸壁からは、シーバスの群れが小さなイワシを追い回している姿が!
こうなれば、アジ所ではないですね(笑)
すかさずルアーをサラナ95Fへチェンジしキャスト。明暗の境から飛び出して捕食するシーバスに加えて、停泊している船からも飛び出してくる。高活性シーバスの群れがそこに集まっていました!

結果ももちろんすぐに!軽いトゥイッチでサラナ95Fを左右へダートさせると、間髪入れずにシーバスが飛び出してきてバイト。しかし、この一発目はミスバイト。その直後も次のシーバスがアタック・・・しかし、これもミスバイト。激しいバイトシーンに対して、あまりにもミスバイトが連発。しかし、タダ巻きでは目の前を通っても無反応。
そこで2投目、トゥイッチを少し軽くしつつピッチを早め、左右へのダート幅を抑えると・・・ゴンッ!的確にバイト!そしてフッキングしました。サイズこそ全然大きくはないのですが、嬉しい久々のシーバスですね。


この一連の動作から、シーバスは活性は高いものの、何らかの違和感を感じつつバイトしているのか?単に捕食が下手なのか?今回のシーバスはダートさせすぎるとミスバイトに繋がると判断。
そこで、シーバットへローテーション。サラナはフローティングのスリムミノーに対して、シーバットはシンキングで少しファットなボディ。おまけにリップが大きめ。リップの面積でトゥイッチで起こるダートを抑えてブレーキを掛けると共に、シンキングのため、水中へより留まりやすい。さらに加えて、アクションは小さめに抑えても、フラッシング面積は広い為にアピールは大きい。



ショートピッチでイレギュラーにアクションをさせた3投目。見事に一発目からストライク!きっちりと食ってくれましたね。このシーバット、移動距離を短くして食わせるには持って来いのミノーで、港湾部のピンの釣りにもバッチリですね。


2匹目は、ほんの少しサイズアップ。この調子でバンバン行きたいので、素早くリリース。そして4投目、同じ要領でトゥイッチ・・・即バイト!これもミスなく一発で食ってくれる。
しかし、これはそれまでとはサイズが違い、とにかく突っ込む。浮くどころか、どんどん潜られる。少しずつ浮かしても、また一気にダイブ・・・この繰り返し。そして、ようやく水面近くまで浮かせた時、再び一気に10m近くダイブ・・・と共にラインブレイク。なかなかのサイズだっただけに、残念すぎる。


リーダーをセットし、再びシーバットをセット。5投目。同じ様に軽いトゥイッチで誘う。そして同じ様に飛び出して来てヒット!やはり、パターン的には間違いないですね。
そして、これもまずまずのサイズ。同じ様に下へ下へ突っ込むファイト。今度は無理せずゆっくりとファイト。しかし、護岸際に頭を擦り付けられたらひとたまりもないので、出来る限り沖側へ走るように誘導。
何度も繰り返す浮かしては潜られ・・・無事にネットへ収まったのは、長さはあるものの痩せたシーバス。これは、アフターなのか?年末にしてこのコンディション?疑問ばかりが残る一匹となった。


たった5投で3本捕った余裕から、少しお遊び。念の為、もう一度タダ巻きを試す。もちろん、シーバットとサラナの両方。しかし、案の定、全く見向きもしない。早巻きであればフッと頭の向きは変えるものの、追うまではいかない。港湾シーバスが単純にいかない所が、顕著に現れる。
しかし、どちらのミノーもトゥイッチを加えてイレギュラーに動かせば、捕食行動をとる。ただ、多少スレが進行したのかバイト時の飛び出し方に遅れが見られ、ミスバイトが連発。このミスバイトが続くと、何時も通りにすぐスレてしまう。


この気難しさは、なんら変わりはないですね。短時間で効率良く釣る、これが秘訣でもありますね。特に鹿児島市内の港湾部の様に、港内広くにシーバスが居着いていない場所では、ちょっとした警戒心が全く口を使わなくさせる、と感じますね。
特に岸壁際に着いたシーバスを狙う場合は、シーバスとの間合いが近いため、警戒心もすぐに持つようになるので、短期勝負がベストですね。時には一回の釣行でのプレッシャーが、数日間続く事もあるので、深追いは要注意です。


【使用タックル】

ロッド・・・ベイトフィネスロッド
リール・・・ベイトリール
ライン・・・PE0.8号
リーダー・・・フロロカーボン16lb
ルアー・・・シーバットサラナ95F



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