猪原 亮

高知県在住。チーム・CATホッグチェイサーズ(海猫)、ショア馬鹿いけいけ2号団所属。

海でスズキ、イカ、青物、フカセ釣りを展開中。



《 2018サーフブリ(1) 》


今年の土佐湾の2月は黒潮大蛇行と寒波の影響で、過去30年で一番冷え込み、場所によっては、港の奥の水が動かない水面に氷が張るほどだったようです。

しかし、2月下旬から寒波が緩み、都井岬から足摺岬沖に出来た黒潮の小さな蛇行が東へ移動したことで、室戸岬にも黒潮が接岸し、一気に湾内の昇温が進みました。

衛星画像を見ると、それまで14℃前後だった沿岸の水温も16〜17℃に一気に急上昇。これは魚が動き出すでしょう、ということで3月上旬の近所のサーフへ朝練突撃してきました。


釣行日は低気圧通過後のシケ明け。朝6時前。まだ暗かったですが、数日前に雨もそこそこ降って川が増水したため、ライトで照らすと河口周辺のサーフの水は少しにごり気味。潮時は干潮1時間前。

波っ気もそこそこあって、何か釣れそうな雰囲気。浜には既に1人の先行者が。彼は河口からだいぶ離れたところで、底を取ってリフト&フォールしているようなので、フラットフィッシュ狙いの様子。

一応「おはようございます。河口の方で振らせてください」と声をかけて、河口の流れ出しを目指します。増水しているので、川から流れだした魚が河川内へ戻っていくのを、待ち構えている魚がいるかもしれませんからね。

目的地へ着くまでは、満潮時に波で打ち上がったゴミの溜まっているところを観察します。すると河口近くの浜辺で、薄明るい中、トンビがたくさん何かに集っています。近づくとその途中に9センチほどのサバ子が打ち上がっていました。またトンビの居た中心付近には、ゴミに混じって5〜7センチほどの稚アユも打ち上がっていました。こいつらがベイトの可能性あるなと。

そんなことしていると、いつの間にか河口の流れだしの先端に一人の釣り人が・・・どっから来たんや?!とびっくりしてしまいましたが、サバ子と稚アユが打ち上げられていたことから、自分の狙いとしては激流の流れだしより、流れだしのヨレにベイトが溜まっている可能性が高いと考え、その少し下手へ入りました。


6時15分スタートフィッシング。ルアーボックスに入っていたルアーの中で、サバ子に一番近いサイズはサラナ110Fレッドヘッドだったので、迷わずチョイス。レッドヘッドは好きなカラーの一つです。どんな状況でも万能ですよね?濁ってても、クリアでも、川でも、海でも、どこでも釣れる。カラー選びに迷ったら、僕は絶対レッドヘッドです!竿はブローショットロングキャリーBS-LC100。この竿でまだサーフブリ釣っていなかったので、何としても釣りたかったのです。


結果はすぐでした。6時20分ごろ、波打ち際に来るとゴツゴツと底をたたいていたサラナが、突然ガツンと止まりました。「ん??根掛かり・・・じゃない!!」とアワセを3発ブチかまします!グングンと首を振ったかと思ったら、沖へ一気に走りだしました!「きたー!」

沖でかなり頭を振るので、しっかり口に掛かっていると判断。一気に勝負を掛けます。ドラグを絞って、そこから先は手ドラグで対応します。波打ち際まで寄せたら、あとは引きずり上げるだけですが、波っ気があるとこれが意外と難しい。数回のトライの後、ようやく引きずり上げたのは、ちょっと尾鰭上葉がいびつな90pに迫ろうかというブリでした。


ガッチリかんぬきにフックがハマっていました。しっかり口の中に針が刺されば、魚の頭の向きをコントロール出来るので、勝負が早いです(鰭がいびつだったからかもしれませんが)。


ライトタックルでしっかり魚を獲るには、口に掛けることが大前提です。そのためにはやはり、スリーフックタイプよりはツーフックタイプのもの。ルアーは大きいものより、魚の口にすぽっと入る小粒なものがいいと思います。

なぜなら、スリーフックタイプは針がたくさん付いてるので、どれかの針が魚に残ってくれる確率は高いかもしれませんが、一本が口の中に刺さっていたとしても、他の針が顔の周りに引っかかって外れ、コントローラブルな状況でなくなることが多いです。また、スリーフックタイプは総じて一つ一つの針の大きさが小さくなるので伸びやすくなりますが、ツーフックタイプだとより大きめの針を装着でき、ハリ伸びの心配も、ハリの移動の確率も下がります。

スズキ類三種に関しては、重量がのってくる90アップ以上の魚でなければ、そんな懸念は不要ですが、同じ浜で釣れるブリやアカメは口周り、鰓周りの力が強いので、口の開閉やヘッドシェイクだけで小さい細軸の針だとブチ伸ばされます。ま、状況にもよりますが、大きく強い魚が釣れる可能性がある場所では、なるべくツーフックタイプで、少し大きめの針を使えるルアーの方が安心してファイトできます。


1本目のブリの写真を撮って、リリースしたのち、その15分後にまたアタリがありましたが掛からず!このことから、また次の15分くらいが回遊してくる可能性があるかも、と集中していると、再び波打ち際で「ゴン!!」とバイト!今度もばっちり口に掛かったのか波打ち際でしきりに首を振ります。その後15m位ラインを引きずり出されましたが、首を振ってる間にロッドのバットを効かせ、一気にこちらへ頭を向けさせ波打ち際へ寄せます。あとは先ほどと同じように波のタイミングを計りながら、引きずり上げます。


2本目はスリムすぎる棒ブリでした。そりゃ引かん訳です。しかしちょっと強引にやったせいでしょうか、口に掛かっていたST46の3番が伸びてます。危なかった〜。1本目のブリの時にも負荷がだいぶかかっていたのでしょう。


次の回遊も15〜20分後だと割りきり、フック交換とラインシステムを作り直します。ナイロンですからね、結構強引な釣りをするとラインが伸び伸びになります。ランディング時に一番伸びる10mほどをカットします。伸びているか、伸びていないかの判断は、ちょっと危険ですが、歯で噛んでみるとすぐ分かります。あまり歯を立てずにプツプツ切れるところは伸びているところ。切れなくなったらOK!

ナイロンの良いところは、@PEに比べ安価。だからAライン交換し易く、常に初期性能に近い状態のラインを使えます。ライン交換は最強のラインメンディングです。B何の器具も使わず、現地で速攻ビミニツイストとオルブライトノットの100%ノットを作れる(3分もかかりません)、です!

ただ最近、ナイロンほとんど売ってないんですよね〜。ナイロンフリークとしては、購入に困ります。このPE全盛の時代、海の釣りでは旧世界の遺物的に扱われていますので、仕方ないことですが・・・基本性能さえしっかりしとけば良いんで、JGFAさんの方でIGFAクラスの2lb〜16lbラインを600〜1000mのボビン巻きで作って、売ってくれてりゃいいんですけどね。すぐ買います。


話が脱線しました。。さあ、万全と思われる体制を整えて、3本目を狙います。心の中は余裕しゃくしゃくです。今度は15分きっかりではありませんでしたが、2本目から約20分後にヒット!ここでちょっとファイト中の画像を撮ってやろうと、携帯を出し、ファイト中写真を数枚パシャリ、パシャリと。

この間ドラグはどんどん出て、魚は沖を泳いでいましたが、目の前の海面では連続して大きなモジリが出ています。先端側にいた釣り人に、「今ここでブリがエサ食ってるみたいなんで、投げてみてください!」と声を掛け、釣り人がルアーを投げれるように少し離れた場所に立ち位置を移し、ファイトに戻ります。結構糸が出ていたので、すぐに回収します。魚の顔をこちらに向け、ショートピッチ・ハイスピードポンピングでぐいぐい寄せます。


あと20mほどか、というところで魚が頭を振った瞬間、「フッ」とテンションが抜けました。「え!!なんで?切れた??」ルアーのテンションも感じません。巻いてくるとリーダーは付いてる・・・が、スナップが折れてる・・・がーん。。そうよね、スナップだって負荷かかってるよね・・・せっかくファイト写真が取れたのに、魚獲れずでかっこ悪し。。

教訓です!スナップは消耗品!2,3匹大きめの魚を釣ったらスナップも交換しましょう。


次回は、せっかくロングキャリー100でブリ釣ったので、サーフェッサー98とのサーフでのファイト感を比べてみよう、と思いサーフェッサー98でブリを釣った様子をレポします。では!!


● 使用タックル

ロッド BS-LC100
リール ツインパワー4000XG
ライン 600mボビン巻きIGFAクラスと思われる12lbナイロン+リーダーフロロ8号
ルアー サラナ110F レッドヘッド



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