代掻きの濁りがもたらすチニングへの影響

古谷 英一

鹿児島県在住。錦江湾を中心とした鹿児島県内のフィールドでショアからのソルトウォーターゲームを追求している

鹿児島では、早場米の地域は3月には田植えを終えていますが、地域によっては4月初旬だったりします。また、普通生産の田植えは、ゴールデンウィーク前後が多いですね。
この春の季節、田植え前の代掻きが始まると共に、田植えも行われる場所も多く、田んぼの濁った水が川へと流れ出します。
そんなこの時期、今年は雨の多い鹿児島。その雨も本格的に降るので、その度に濁った代掻きの水が・・・・。
よく、チヌは水が濁ると活性が上がるとか、濁った水に集まる、そんな話を聞いた事がないでしょうか?エサ釣りでは、撒き餌に砂など混ぜて煙幕にするなども多いほどです。
しかし、ルアーフィッシングに於ては、それが当てはまらない事が多々あります。


部分的な濁りを作り出すエサ釣りとは異なり、自然の濁り、しかも良いモノも悪いモノも一緒に流れ出してくる場合、それがチヌに良い環境を作り出すか?が大きく影響をします。
代掻きを行う場合、田んぼへと水を引き込み行うと、大量の土を一緒に含んだ水が流れ出します。更には、肥料や草などが切り刻まれても流れだしますし、土の中のミミズや虫なども流されたりします。
流れ出した水が河川環境に良くないとも言われ、最近は無水代掻きなども地域によってはあるようですが、私の住む鹿児島では少ない感じですね。
そのため、雨が降らなくても濁りが発生する事もあり、そんな河川は常に白濁りとなります。
さらに、今年は雨ばかりの春。雨の度に泥の流出が・・・・。泥濁りの水が水門から流れ出し、草の帯まで形成されます。


ここからは私の経験上の話、私が釣行するフィールドでの話にはなってきますが、来期の参考になればと思います。
雨の降りだしは濁水も差ほどではなく、最初の濁りはチヌも活発にその流れへ着いたりします。クリアな水質と濁水の変化を好むのか、濁りの中に出たり入ったりウロウロしているのを見掛ける事が多いです。この濁りがきつくなっていくと共に、切れ草が大量に流れてくるのと、濁水へチヌが入らず、クリアな水のエリアに集まる様になります。
濁水には土が大量に含まれるため、チヌのエラに土が詰まってしまう=呼吸が出来なくなる、という致命的な悪影響が発生します。農業用水の水門付近では、これが明確になってきます。


では、この濁りが拡散される下流側はどうなのか?
濁水が拡散されると、何故か白濁りが強くなります。恐らく、土を多く含む水は、比重の重い土のみが沈殿していくので、肥料などの比重の軽い成分のみが混じった状態で拡散されるのだと思います。
この濁りがきつくなればなるほど、チヌもは何故か沈んだり、そのエリアを離れたりします。魚達にとっていい成分だけではないのかもしれませんね。
そのため、濁りが少しでも少ないスポットを探しだす事で、そのエリアのチヌが集まるポイントが形成される事が多々あります。


非常に前置きが長くなりましたが、私が住む鹿児島は、都市型河川ももちろんありますが、私が好むエリアが田舎の中の田舎と(笑)。周辺が家よりも田畑ばかりのエリアが多いのです。
そのため、その地域のサイクルによってフィールド環境も大きく左右されます。こういった地域環境を考えた釣りの組み立ても必要ですね。
そして、今回は代掻きに出くわし、濁りに悩まされます(笑)。
朝から時間が経つにつれて、濁りは濃くなる一方。水門周りは濁りがきつく、草が溜まって釣りにならず。濁りの少ない場所での釣りに。


時間が経てば経つほど濁りは濃くなるのは目に見えていたので、時間との勝負です。ただし、濁りのある中でアピールの強いカラーを使うと、フグの餌食になってしまうので、使用するカラーはインパクトを押さえる必要があります。
今回、コーヴァイチューの「ウォーターメロンフラッシュ」と新色「カモフラッシュ」。濁りの中で、少しシルエットを残しつつアピールできるカラーを使用。フグを避けつつ、濁りの中のチヌを狙うには、このカラーセレクトも重要ですね。
最初のエリアでは、のっこみの本チヌ狙いですが、ここは田んぼから直接の水がどんどん流れ込むため、濁りがきつくなるまでの短時間のみ。潮位は下がるのに、川底がどんどん見えなくなっていく始末。
でも、まずまずの本チヌを数枚キャッチできました。


(この足元のテトラが、潮位が下がるにつれて見えなくなるという・・・・濁りがきつくなると、チヌのバイトは激減でした)

そして2ヶ所目のエリアも濁りがある中、好反応を得られました。やはり濁りがあるのでカモフラッシュとウォーターメロンフラッシュに反応は集中。他のカラーだとフグの餌食になるか、バイトがなかなか得られないか・・・・。この違いが明確に出来るのも、春の季節独特かもしれません。

コーヴァイチューも新色が4色加わった事で、カラーローテーションのバリエーションも大きく広がりました。状況対応もよりしやすくなったので、必ず数色持って釣行をお願いします。
カラーローテーションは、タフコンディションであればあるほど重要になりますので!

Rodプロトロッド
Lureコーヴァイチュー
Netラバーネット0712