冨安 隆徳

愛知県豊川市在住。ルアーで四季折々の魚を求め釣り歩く、アウトドアが大好きなサラリーマン。

主なターゲットは、九頭龍川の桜鱒、天竜川水系遠山川のアマゴ・イワナ等。


《 2013 飛騨川釣行記 》


■ 釣友とともに

 今回は釣友との釣行。スケジュールが合わずこれまで2年ほど一緒に釣りに行く機会がなかった。春の異動でお互いに職場も変わり、スケジュール調整が容易になり今回の高山釣行となった。

 車での移動距離は長いが、遠山川に比べれば川へのアプローチが容易な飛騨川。その上流域を目指し車を高山方面に走らせる。長い道中も、釣り・仕事・家族の話など話題は尽きず、あっという間に高山市に到着。遠山川でアマゴに恵まれていなかった彼のリクエストで、気配のありそうな足場のいいポイントを中心に案内することとなった。


■ アユ解禁

 付知川沿いを北上し41号に合流。川は前日の雨により増水し濁りが入っている。濁りさえ収まれば、魚の活性は低くないはず。本流域のやる気のある魚に出会えるのではと期待が高まっていく。上呂を過ぎる辺りから、川の水は濁りが収まり条件が良くなってきた。

 街道筋の食堂で、入漁証を購入し話しを聞くと、「今日は鮎解禁でいいポイントには入れないね。」と厳しいお言葉。確かに早朝から車の往来が多く何か騒がしさを感じてはいたが、川原に並ぶ車やのぼりを見てその状況が理解できた。「解禁日ならしょうがないね。」と本流域の瀬周りはあきらめ、朝日村を超えて秋神ダムのバックウォーターを最初のポイントにした。


■ 秋神川

 秋神川はフライマンの多い川の印象があったが、今回も入川ポイントにはフライマンが入っていた。しかたなく上流部の平瀬のポイントに入ったが、私がイワナを掛けただけで、その他は何の反応もなかった。友人は大きな丸い岩と増水気味の流れに足を取られながらの川通しで、30分であごを出す始末。川から上がると震えが止まらないと訴える彼を説得し、流れの緩いポイントに移動した。折角ここまできたのだから、なんとか釣ってもらわないと。


■ ファーストフィッシュ

 まだ足の軽い震えが収まらない釣友を車に残し、私は淵と瀬の連続するポイントに降りていく。数日前に雨が降ったのだが、渇水つづきでダムが放流していないようだ。流れは穏やかで濁りの影響も少なく、パニッシュを流したものの、小型のイワナは確認できたがアマゴの姿はなかった。深場なのかとシンキングミノー AKM48チャートレ−ザーを淵に沈めてみたが反応が無い。

 最後に流れのある落ち込み周辺のヨレを通してみると、小さなあたりがあった。朱点が綺麗なかわいいアマゴ。手早く写真に収め、キャストを続けたが次に続かなかった。


■ 待望のアマゴ

 しばらくの休憩で回復した釣友と再び川に向かう。支流からの流れが合流し、大小の岩と淵とが連続するポイントを、ロングキャストで反応を見ていく。ロッドは釣友がIBXX−60MTにPE0.6号。私がIBXX−53MTHにナイロン4LB。攻めやすく、絞り込みやすいポイントは彼に譲り、わたしは瀬周りを釣り上がっていく。

 しばらくすると、釣友が大きな声を上げている。アマゴだ。彼にとっては本当に久しぶりの魚。体高のある綺麗な個体を手にうれしそうに釣れた状況を説明してくれた。いい年した大人が童心に帰り心から喜んでいる。もうそこに足の不調を訴える彼の姿はなかった。満面の笑みを浮かべ魚を見つめる姿に、一緒に来てよかった。綺麗なうちに魚を画像に収めた。もちろん嬉しそうな笑顔も。ルアーはパニッシュTSカラーのホログラム。岩に当たった流れが落ち着いたあたりで喰って来たようだ。




■ 自分の釣りを

 彼が待望のアマゴを釣ってくれたので、このまま下流の淵を攻めるように伝え、私は上流の淵まで釣りあがっていく。ルアーはパニッシュ黒銀。

 対岸の流れの筋にルアーを乗せゆっくりとドリフトさせると、岩陰からアマゴがヒット。流れに乗せながら岩の間を誘導し、手前に寄せてネットイン。この魚も体高もありまずまずの魚。


 次に小さな落ち込みの上流にキャストし、ナチュラルドリフトで小さな落ち込みに落とし込む。すぐに流れに馴染ませ、ロッドティプを小刻みに震わせながら正面まで流し切り、狙いのポイントでターンさせると直ぐにアマゴが喰ってきた。

 こうして淵まで釣りあがり、数匹のアマゴを掛けたが期待のサイズには届かなかった。釣友も追いはあるが、喰うまでの活性がないとのこと。入漁券を買った食堂で話に夢中になり、川に入ったのが8時頃。この時期にしてはあまりに遅いスタート。ただ仲間との釣りを楽しむことが目的で、待望のアマゴを釣ってくれたので午前の釣りはこれで終わりにしよう。



■ 午後のワンチャンス?

 北に大きな入道雲が見えてきた。本格的な夏の到来を予感させる雲だ。しばらくすると雨粒が落ち始め、雨が本格的に降ってきた。チャンス?期待しながら川に入ると、狙っていたポイントには地元の餌釣り師が既に待機していた。そこで魚の気配のあった支流の流れ込みと淵で夕マズメを過ごすことにした。釣友は久しぶりの釣行で疲れたところに睡眠不足に食後の満腹感が加わり、根が生えてしまったようだった。しかたなく一人で藪こぎしながら川に下りて行った。

 周囲は雨により薄暗く、明らかに気温も低くなってきた。まずはパニッシュ55Fで様子を伺う。水面直下を流すが反応はない。水深もあるためジェイドMDと考えたが、たまたま目に入ったDコンのGヤマメをキャスト。ゆっくり流れにのせて送り込み、軽く煽って誘いをいれると魚からの当たり。ローリングですぐアマゴとわかった。

 その後岩盤回り、流れの筋の周辺を丹念に探ったが魚からの反応は無かった。午前に下流から攻めた後なので警戒しているのだろうか。もう少し暗くならないだめなのか?せっかくの雨も幸運をもたらしてはくれなかった。

 今回の釣行では良形にはめぐりあえなかった。しかし昨年この流域で何度もいい魚を見ている。禁漁までに様々なポイントをチェックしながら絞り込み、記憶に残る一尾と出会いたいと思う。 できれば秋色を纏った大型の雄のアマゴに。


● マイタックル

◇ロッド スミス インターボロン IBXX−53MTH
◇リール シマノステラ C2000HGS
◇ ライン ユニチカ ナイロン シルバースレッド 4LB

釣友
◇ロッド スミス インターボロン IBXX−60MT
◇リール ダイワ ルビアス 2000
◇ライン ラパラ ラピノヴァ 1号

◇ ルアー(共通)
スミス パニッシュ 55F・SP AKM48 ジェイドMD F・SP
ジェイド F・SP トラウティンウェイビー50S
Dインサイト44・53 Dコンタクト Dコンパクト
ピュア日本アワビ5g  ハンドメイド50SP 65SP他 




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