冨安 隆徳

愛知県豊川市在住。ルアーで四季折々の魚を求め釣り歩く、アウトドアが大好きなサラリーマン。

主なターゲットは、九頭龍川の桜鱒、天竜川水系遠山川のアマゴ・イワナ等。


《 2013 飛騨川釣行記 5 》


■ 飛騨川 支流 青屋川

 地元豊川や天竜川水系は水不足。一方北陸や高山方面は、局地的な豪雨もあり水位も平年並のようだ。その為天竜川水系の遠山川への釣行はめっきり減り、今回も飛騨川を目指す。

 この日も結局お昼に飛騨川に入り、日が高いうちは支流のポイントチェックに費やす。最初に入ったのは水と魚の美しさで有名な青屋川。下流部は開けた里川のため日中は厳しいと判断し、少し上流を攻めてみた。地図を頼りに入渓口を探しながらの釣りのため効率はよくない。数箇所降りてはみたもののゴルジュや滝が連続し高まきをさせられる。今日は魚のご機嫌が良くないようで、苦労の割にはこれといった結果も得られなかった。

 先行者の影響か? 時間帯なのか? 攻め処が悪いのか? この川のこれまでの釣果はどれも芳しくなく、私には相性がよくない。朝マズメの好機にポイントに入り、この川の苦手意識を払拭しなければ。


■ シェードか?

 残念な結果に終わった青屋川の帰り道。どうしても魚の顔が見たくなり、このところ一番実績のあるシェードのある支流に入ることにした。ここ数回の釣行ではいい結果が出ていた。ただ今日はこれまでで一番流れが弱い。澄んだ水色に鏡のような水面。川底がはっきり見える。「これは厳しいな。」不安を抱きながら釣り上がっていくと、予想通り魚の反応は渋かった。小さなアマゴやイワナは姿を見せてくれたが、期待していたほどではなかった。水だけでなく先行者の影響か?ただもう少し流れがないと厳しい。

 日暮れとともに頻発するライズ。虫には反応しているがルアーには全く反応を示さない。こうなるとお手上げ。夏はやっぱり早朝だよな?と思い知らせれる。




■ 早朝か?

 その夜は早く床に就き、翌日日の出前から比較的水量のあるエリアに向かう。狙いはアマゴ。ロッドはいつものインターボロンIBXX−60MT。細身のブランクスにしっかりとしたバット。飛距離が必要なときにもストレスなくルアーをポイントに送り込め、益田上流漁協の飛騨川ではオールマイティーに使えるロッド。

 水深のある淵、ブッツケ、トロ瀬、早瀬、流れ込みと続く一連のポイントをひとつひとつ丁寧にパニッシュのフローティングで攻めいく。薄暗い時間から攻め始めたが反応は薄く、日が出て明るくなってから魚が追うようになってきた。

 最初の魚は、浅い瀬の岩の後ろに潜んでいた体高のあるアマゴ。大きさはそれほどでもないが、秋を感じさせる黒ずんだ体は、猛暑でも季節は徐々に季節が進んでいることを感じさせてくれた。


■ 早起きは三文の徳?

 次に落ち込み。流れに勢いが感じられなかった今回の飛騨川。普段ならば少し流れが落ち着いたあたりがアマゴの着き場なのだが、今日は落ちこみそのものが付き場に思えた。

 そこで早速パニッシュ55Fのヒメマスを落ち込みの上流にキャストし、流れてきた昆虫や小魚をイメージしながら白泡の中に落とし込む。水面のパニッシュは完全に姿を消し、水中で“もがく生き物”のような動きで魚を誘う。この動きに反応が無かったので、水を噛ませ再度アクションをさせたところ、水中で何かに引っかかったような感触が伝わってきた。「引っ掛かった。」そう思いながらロッドを煽ると突然ラインが走り出し、何かが水面を割って飛び出した。

 「でかい!アマゴだ。」思わぬ大型のヒットに驚かされたが、その後は冷静にジャンプによるバレを抑えようと、ロッドティップを低く構え、アマゴをコントロールしながらランディング。

 精悍な顔立ちで、少し黒ずんだスタイルのいい魚。毎回こんな魚が釣れるなら早起きするのだが。早起きの大切さを実感させられた一尾となった。



■ 午後から

 昼食後、ダム放水口下流の大きな淵をDDパニシュ、チェリーブラッド70D、D-コンタクト50などで探ってみた。時折当たりはあるのだがフッキングに持ち込めず、プラグに反応が悪くなったところでスプーンに変えてみる。

 ピュア5gをゆっくり沈め、スローリトリーブで引くと、プラグに興味を示さなかった魚たちが再び反応を示すようになった。手前のかけあがりからは突き上げるようにグリーンバックのアマゴ。おそらくここには大きな銀化したアマゴや大型のイワナが潜んでいるに違いない。40cmクラスの魚の存在も岸から確認できた。

 次回はもう少し重めのスプーンやメタルジグで攻めてみよう。そんな気にさせてくれる渓流の中のディープエリアだった。


■ これから

 まだまだ飛騨川の支流やダム湖のバックウォーターには今回のような大淵や、素晴らしい流れがあるだろう。地図を頼りに一つ一つ自分の目と足で確認しながら、季節とともに移動する渓流魚を探してみたいと思う。

 いよいよ今年も終わりが近づいてきた。なんとか今年最後を飾るような記憶に残る1匹に出会えるよう、引き続きこの素晴らしい渓に通うことにしよう。


● マイタックル

◇ロッド スミス インターボロン IBXX−60MT
◇リール シマノステラ C2500HGS
◇ライン ラパラ ラピノバ PE0.6号
◇ルアー スミス パニッシュ 55F・SP  DDパニッシュ65SP
   チェリーブラッド70D トラウティンウェイビー50S
   AKM48 ジェイドMD F・SP ジェイド F・SP
   Dコンパクト Dコンタクト Dインサイト44・53
   ピュア日本アワビ5g ハンドメイド50SP 65SP他 



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