■ 解禁日前日
この釣りを始めて20年近くなるが、前乗りしたのは今回が初めてである。タックルの準備も万全。数年前まで“解禁はお祭りのようなもの”だったが、今季は「魚を獲りにいく。」そんな気持ちで臨んでいた。
近年解禁から釣果が期待できるようになり、福井市内の釣り具店でも“ギラギラした目”の釣り人たちで溢れ、彼らも確実に魚を獲りに来ていると感じられた。大雪による荒天が予想される解禁日だったが、全国各地からその筋の強者たちが河原から明日の下見をしている。真剣な彼らの姿を見ると、改めて気が引き締まる思いであった。
解禁日前日は午前中に現地入りし、小雪が舞う中で第一解禁となる高速下流から高屋橋までを実際に歩いてポイントチェックをした。慣れない長靴で10km近く歩いたために、左足のかかとに靴擦れを起してしまったのは誤算であったが、流れや地形の変化、底質などを事前に把握できたのは大きな収穫だった。
夜はいつものメンバーでお互いの健闘を誓い合い、解禁前夜を過ごした。あとは釣るだけ。こんなに用意周到に釣り場に入るのは初めてで、2015シーズンへの高まる想いとともに、早めに寝袋に包まった。
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