池谷 成就

ルアーでのキャスティング、レイクトローリングを中心としたビッグトラウト狙いのエキスパート。 「かわせみ倶楽部」主宰。


《 ほやほやバック&フォース7g 》


 出来立てほやほやのルアー“バック&フォース7g”を持って、湖の釣行を予定するも、群馬山間部の湖はこの原稿を書いている時点でほとんどがまだ雪と氷のためクローズしている。本流遡上の大型ヤマメでもと思ったものの内陸部ではちと時期が早い。

 渓流ではこのサイズではさすがにちょっと大きいかなと思いつつも、貴重な休日にどうしてもこのスプーンを使ってみたかった。 そこでこのバック&フォース7g縛り(バック&フォース7gのみの使用)での決行となったのだった。

 さらにお天気雨はたまにあるものの、この日はそうそう出くわさないお天気雪と、とても寒い釣り。

 日差しは強く光量は充分過ぎるほどなのに雪が舞い、ロッド先端から3番目くらいまでのガイドは直ぐに凍る不思議な感覚の釣行となった。

 日差しは明るく春を暖かく感じる錯覚を起こし、目の前を舞う雪に冬を実感する妙な感覚だった。


 若干雪代(ゆきしろ)も混じることから低水温を感じ、ダウンまたはダウンクロスストリームキャストで川の流れとは逆にゆっくりゆっくりとルアーが水面に飛び出さないように、ロッドの先を水面ぎりぎりに構えてリーリングし引いてみる。

 ところが予想外に釣れる時は釣れるものですぐにイワナが釣れた。それもまあまあの泣き(無き)尺サイズ。大き目スプーンの水中抵抗と予想外の鈍重なファイト、魚の抵抗に耐えたのちにネットイン。

 「でかいですねー!」「尺越えですかー。」の嬉しい問いかけも、彼が釣った後で釣り上っていくのを見送りてっきり一人だと思っていたので一瞬ドッキリ。ひきつった顔で土手うえの友人にパチリとしてもらった。



 その後もバック&フォース7gは予想に反する釣れ方を見せてくれた。細い流でも、文字通りバック&フォース釣方(水平ジギング=ホリゾンタルジギング)でイワナ、ヤマメ数尾づつを引き出してくれた。

 さらに、さらに、小さな砂防ダムでは、どこから来たのかニジマスの入れ食いまで楽しませてくれた。




 大き過ぎると思い込みでのルアー選択も、スレていない人のあまり入らないポイントや、逆に人が多くても使いそうにないルアーならば、あくまでもルアーを選ぶのは魚なのだと改めて感じる釣行だった。まずは現場に行かなければ なにも得られない教訓をあらためて学んだ気がする。

 さあ次は何処に。


● データ

吾妻漁協管内


● 使用タックル

ロッド インターボロンX TRBX-C64
リール アルファス103TYPE-F(AVAIL改)
ライン ファメル フロロブラスト5lb
スイベル SMITH POWER SWIVEL #8
ルアー BACK&FORTH 7g(バック アンド フォース 7g)



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