成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 ハミングバード通天湖釣行(平成29年4月29日) 》


 4月の最後、ゴールデンウィークの最初に、京都府南丹市園部町にあります「ハミングバード通天湖」に行ってきました。この管理釣り場は、名勝「るり渓谷」にある2つの谷の合流点に造られたダム湖(砂防ダム)です。

 そのダム湖では桟橋からの釣りとボートからの二通りの楽しみ方ができるようになっています。気軽には桟橋からも楽しめるのですが、めったに行くことができない私は、その雄大なエリアを十分に楽しむ方にボートでの釣りを選択しました。ちなみにですが、関西で自然湖に近い環境でボートからのつりが楽しめるのは、このエリアしかありません。


 当日はタックルの準備を済ませ、ボートで最初に向かったのは桟橋からみて右側のワンド部分。そこはダム湖になる前に川の蛇行した場所にあたり、魚が居つきやすく、回遊する魚も必ず通ると予想できる場所です。

 当日の水温が表層で15度近くあり、ポツポツですがライズもみられるため、まずは各種ミノーで探ってみることにします。しかし、ディープダイバーミノーで中層を探った時に唯一アタリは得られたものの、ヒットには至りません。ミノーで探りながら周囲を観察していると、周りのボートではミノー以外のルアーにポツポツヒットが出始めているように見えます。そこで乗り遅れまいとルアーをミノーからスプーンにチェンジ。

 広いエリアを効率的に探ろうと選んだのは4gスプーンです。しかし周囲の状況に合わないのか、なかなか魚信を得ることができません。そこでピュア3.5gにサイズダウンしてフルキャスト。先ほどディープダイバーミノーに反応があったため、ピュア3.5gをカウント3〜5程度沈めて、リトリーブスピードを変えながら探ってみるのですが、イメージどおりに魚信が得られません。

 ところがその調子でフルキャストして、軽くフリップを入れたところで、いきなりのアタリがあり見事にヒット。離れた場所でのヒットとで魚とのやり取りを楽しみながらネットインしたのは約40cmのニジマスでした。勝手にルアーに反応する魚は中層に居ると思いこんでいましたが、実は活性の高い魚は表層にいたようです。

 その証拠に、これ以降はピュア3.5gの表層巻きに高い確率で反応があり、連続ヒットも含めて35cm〜40cmクラスのニジマスの釣果を順調に伸ばすことができました。


 ところが釣行開始から1時間を過ぎた午前8時頃から、次第に周囲のボートの数が増えてきました。そうなるとピュア3.5gのフルキャストでは、他のアングラーとクロスしてしまうので、スプーンをmkスプーントラップ2.2gにチェンジ。それまでと同様に表層を探ってみるのですが、ボートの数に比例して魚も沈んできたようで、表層での反応が悪くなってきました。そのため、カウントダウンして表層より下の層を探ってみると、再び魚信が復活し、35〜40cmクラスのニジマスがヒットします。

 その中で、重く瞬間動かないようなアタリがあり、いきなり水の中で暴れだした魚がいます。明らかにそれまでとはラインを通して伝わってくるパワーが違います。寄せては走られを繰り返しながら時間を掛けてランディングしたのは50cmを超える立派なニジマスでした。




 その後もmkスプーントラップ2.2gで順調に釣果を伸ばしていたのですが、それも 10時を過ぎたころからペースダウン。そこでクランクなど使っていなかったルアーも試してみたのですが、遠のいたアタリを復活させることができません。

 そこで移動して他の場所を探ってみることに、桟橋左手のダムサイトやその奥で旧河川で流れが絞り込まれたであろうと思われるポイントを回ってみますが、トラウトからの反応は全くなし。釣っている人も疎らで釣れてる様子がありません。そんな移動を繰り返しながら昼食も済ました午後1時頃。雷鳴が鳴り響き雨が降り始めました。そのため、一旦管理棟に避難します。

  1時間ほどそのような状況が続いた後、2時過ぎに釣行再開。桟橋より左奥は捨てて、午前中に反応の良かった右側のワンドにもどります。雨で状況が好転することに期待して、午前中好調だったmkスプーントラップ2.2gやそれ以外のクランク等で探ってみますが反応が得られません。そこでスプーンをサイズダウンしてみることに。但し、軽量スプーンでも飛距離が稼げるよう、ラインを2.5lbから2lbにチェンジ。これにmkスプーントラップ1.4gを結びます。最初は1.8gを試すことも考えたのですが、2.2gとのシルエット差があまり大きくないことから、シルエットの小さな1.4gを試すことにしたわけです。これが正解で、mkスプーントラップ1.4gで表層から中層を探ってみたところ、爆釣とはいかないまでもカラーローテーションで釣り続けます。



 ところがmkスプーントラップ1.4gのカラーローテーションの効力も落ちかけたところで、おなじ1.4gスプーンのZilにチェンジ。魚の目先を変えるため動きの違いと同時にカラーも両面色違いのピンクホワイトブラックを選択。その一投目にガツンと大物がヒット。それもボートから離れた場所でのヒットのため、慎重にドラグを調整しながら寄せてみると、浮き上がって来た魚体は50cmはおろか60cmはあろうかという超大物です。ここでランディングネットに納めようとした瞬間、最後の力を振りかぶって魚が暴れると同時にラインブレイク。ネットインはかないませんでした。超大物に逃げられた私は放心状態。これで私の運も気力も尽きてしまったようで、この後は特にヒットに恵まれることもなく、予定時間を少し過ぎた午後4時過ぎに終了としました。


 この日は大量放流された翌日という事で、魚の居場所が偏っていた印象でしたが、時間の経過とともに湖全体に散らばることで、様々な楽しみ方ができるのではと期待できそうです。


● 使用タックル

ロッド FLNE‐60GTS
リール S社1000番
S社2000番
ライン ナイロン2.5ポンド
ナイロン2ポンド
ヒットルアー ピュア3.5g  各種カラー
mkスプーンTRAP2.2g 各種カラー
mkスプーンTRAP1.4g 各種カラー



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