時間的にもラストのポイントして選んだのは、千走川河口。
島牧の一級ポイントとして有名だが、ここ数日は磯場の人気が高く、昼過ぎという時間帯も相まって他の釣り人の姿はなかった。釣り人の姿がないというのは、釣れていないということでもあるのだが…。
河口の真ん前、波打ち際に大きな岩が沈んでいるポイントを偏光レンズ越しに凝視していると、時折なにかが水中でキラリと陽光をはね返す。
すかさずチェリーブラッドSR90SSをセットしキャストする。ピンポイントで落としたルアーが水を噛んだ瞬間、ガンっと手に衝撃が走り、ロッドが絞り込まれる、暴れる魚体を見て確信する。
「サクラだ、デカい!!」
勢いよく逆回転するスプール、これから!というタイミングで、ふっと軽くなるロッド。
わずか数秒で終わってしまった良型サクラマスとのファイト。絶叫したい衝動にかられたが、そこは無理矢理に自分を抑えた。
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