吉川 康之

栃木県在住の平凡なサラリーマン

湖およびエリアでのトラウトフィッシングをこよなく愛する。



《 中禅寺湖での厳寒期のミノーイング 2018
2018年4月2日 栃木県日光市 中禅寺湖 》



2018年4月1日(日)、今年もついに待ちにまった中禅寺湖が解禁を迎えました。昨年の大雪とは打って変わってとても穏やかなお天気で幕を開けた今年の解禁日は、日の並びも良さも手伝ってか近年稀にみる多くの遊魚者さんで湖畔は賑わったそうです。SNS上にはさっそく解禁日の様子がいくつもアップされており、良い思いをした人とそうでないひと。今年も水辺では沢山のドラマがあった事が窺えます。自分にはいったいどんな魚たちとの出会いが待っているのだろうか? そんな思いに浸りながら私の釣行前夜はゆっくりと更けて行きました。


この日入ったポイントは沖にブレイクを控えた遠浅のシャローエリア。キャスティングで探れる範囲内での最大水深はせいぜい3m前後といったところで、ワカサギやヒメマスなどの餌を探しに沖から浅瀬に差してくる個体を狙うイメージでここを選びました。そして昨年同様、今年もまず最初に結んだルアーはフローティングミノーのパニッシュ85Fでした。ふつう常識で考えたらこんな厳寒期にフローティングミノーという選択はちょっとあり得ないかも知れませんが、昨年も解禁直後の水がキンキンに冷え切った状況でも多くの魚たちを呼び寄せてくれたとても実績のあるアプローチそしてルアーなので、もはや使う事には何の躊躇いもありませんでした。そしてこれをロッドを使って、トーン...、トーン...といった感じで幾分ゆっくりのテンポのジャークアクションで先ずは誘って行きました。


今年も無事に中禅寺湖が解禁を迎えました

日中の表層水温は4℃台
しばらく浸けておくと手が痛くなるほどの冷たさです


この日最初のアタリがやって来たのは、辺りがようやく白みはじめてきたam5:00を過ぎた頃でした。
この時もそうでしたが上のようなアクションで誘っていると、やってくるアタリはジャーク後のストップの最中である事が殆んどです。ストップ後にゆっくりと浮上してくるパニッシュを相手がひったくってゆき、ラインがスーッと動くことでアタリを知る事が出来ます。ですがこの時にラインが余りにも弛んでしまっていると、このラインの動きをロッド(ティップ)で感知する事が出来ずに、せっかくやってきたアタリを見逃してしまう可能性が大きくなってしまいます。ロッドで感知出来ずとも目視でアワセればいいじゃないかという考えもあるかも知れませんが、朝一の暗い時間帯や波風の強い日などはそういった訳にもいかず、やはりロッドで感知する事がとても大事になってきます。ジャークで出来てしまったラインの弛みはリールを使って素早く回収、常に張らず緩めずの適度なラインテンションを保ってやる事でアタリの見逃しを防ぐ事が可能であると考えています。
この時も暗がりでかつ波の上下動がかなりありラインの動きを目視する事は出来ない状況でした。ですが適度なラインテンションを保っていたお陰でアタリを明確に感知する事ができ、反射的にアワセを加える事が出来ました。


記念すべき2018年のファーストフィッシュはレインボートラウトでした。最初に来るのは当然レイクだろうと思っていたので予想外の相手でしたが、先ずは釣れた事にほっと一安心、これで気分が一気に楽になりました。
その後は同様の探り方でブラウンとレイクトラウトを追加、ジャーク以外にもグリグリやただ巻きなどのアクションも試して見ましたが、残念ながらこちらにはアタリはありませんでした。

記念すべきファーストフィッシュはレインボートラウト(パニッシュ85F HHGORカラーで)


中禅寺湖のブラウントラウト(パニッシュ85F
CBオリカラ・ゴーストワカサギで)

中禅寺湖のレイクトラウト(パニッシュ85F
CBオリカラ・ゴーストワカサギで)



ワカサギを模した水平浮きのミノーペンシル CB70DRIFT TR(クリアーワカサギ)
そして先ほどまでの濃厚だった気配も消え去り、朝一のピークももうそろそろ終わりかなといったam7:00を過ぎた頃でした。それまでまったく見られなかった水面の捕食リングがキャスティングの範囲内でポツリポツリと発生して、俄かに場の雰囲気が変わりました。もしかしたらトップのワカサギがいけるかも!? 特にワカサギの姿が見えた訳ではありませんが、急ぎルアーを回収しこれを付け替えました。この時選んだルアーはトップウォーターミノーであるCB70DRIFT TR(クリアーワカサギ)。これは水平浮きのペンシルミノーで、春の産卵時期に水面付近を瀕死の状態で泳いでいるワカサギを演出した釣りで最も威力を発揮するルアーになります。


このルアーの使い方は色々あり、キャスト後にラインの弛みを取ったら何もせずにただ浮かべておくだけの、いわゆるホットケの釣り(時折、小刻みにロッドを震わせてルアーの存在をアピールするのも効果的)がもっとも一般的かと思いますが、この時は特に大きな理由もなく単にその場の思い付きで、超々デッドスローのただ巻きで探って行きました。そして探り始めてから何回かこれを繰り返しているとき、ふと背後に人の気配を感じて少しだけリーリングする手が止まった矢先のことでした。突然目の前の水面が大きく割れたものだからとても驚きました。そして無事にネットにおさまった相手は73cmのレイクトラウトでした。このサイズがトップに出るさまはほんと迫力満点です! 日本広しといえどもこんな光景が見られるのはこの湖をおいて他にはないのではないでしょうか。


CB70DRIFT TR に出たレイクトラウト(73)
※ルアー背部にあるオレンジマーカーは自身で後付け
したもの。動画ではこれを剥がしました

餌を獲れていないのか、とても
痩せているのが気になります


今回は解禁して間もない厳寒期の中禅寺湖でミノーの釣りを楽しみました。そこでは表層水温が4℃台というキンキンに冷えた状況でも、魚たちはとてもアグレッシブに表層はもちろんトップのミノーにまで喰らいつき、昨年体験した出来事(2017年4月のフィールドレポート)が単なる偶然ではなかったことを証明してくれました。ただ今年は昨年に比べて魚影がとても薄く、大型トラウトたちの接岸がまだ本格化していない様に感じました。これが単に接岸が遅れているだけならばそれは良いのですが、餌となるワカサギやヒメマスが居ないから接岸する意味がない、だから今後も寄らないよ!となるとそれは私のようなミノーマンにとっては大変な死活問題です!今回は一匹も見ることの出来なかったワカサギ、これがただの偶然であることを心から願うばかりです。


【中禅寺湖のレイクトラウト(You Tube動画)】



● 使用タックル

ロッド TLB-83DT ラグレスボロン (SMITH)
リール 13 CERTATE 2500 (DAIWA)
ライン VARIVAS ハイグレードPE グリーン 1.0号 (MORRIS)
リーダー TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 12lb (MORRIS)
ルアー パニッシュ85F HHGOR、CBオリカラ・ゴーストワカサギ(SMITH) ※ バーブは潰してあります
CB70DRIFT TR クリアーワカサギ(SMITH) ※ バーブは潰してあります
スナップ SPスナップ #2 強度21kg (SMITH)
ネット チェリーネット Lサイズ 旧タイプ サクラ(SMITH)



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