成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 吉野川ルアーフライ管理釣り場釣行(12月29日) 》


 年の瀬も押し迫った12月29日に、吉野川ルアーフライ管理釣り場へでかけてきました。この釣り場は奈良県の五條市漁業協同組合が、吉野川本流にニジマスを放流して、10月から2月まで期間限定でオープンする管理釣り場です。ただ管理釣り場とは言え、吉野川の本流をそのまま活用した管理釣り場のため、ウェーダーなどは必須と言えます。
 例年はこの管理釣り場がオープンして間もない10月に釣行し、良型の数釣りを楽しんだこともあるのですが、12月末の本流ニジマスの釣行経験はありません。その上数日前から今シーズン最強の寒波到来で、条件的には楽ではないことを覚悟しての釣行でした。


 当日は受付の際に担当の女性から、二日前に大型魚を放流したとの事。そこで早速その放流場所付近より釣行を開始します。  過去の釣行ではスプーンで好釣果を得ていたため、この日も最初はスプーンで探ってみることにします。放流されたという付近にウエーディングしながら近づいたところ、浅瀬から深みに落ち込む二つの流れが見えます。その流れを7gスプーンで探ってみますが、アタリも無く魚影も確認できません。急な冷え込んだ時期に放流されたニジマスが放流場所に溜まっていると想像していたのですが、すでに散らばっているのかもしれません。放流場所は一旦あきらめ移動することにします。
 ここからは3.5gから5gのスプーンを使って釣り下って行くことに。しばらくは緩やかな流れが続きます。主にはアップクロスにスプーンをキャストし、着底したらスプーンで川底を転がすイメージで探っていくのですが、根掛りばかりで魚の反応が得られません。昨年までの釣行で反応が良かったポイントでは、アップクロスだけではなくダウンクロスでも探ってみますが、やはり反応がありません。まさか全てのニジマスが管理釣り場外に逃げ出したのではと疑心暗鬼になりながら、流れが荒瀬に瀬に変わる付近にきました。普段は初夏以降の盛期のポイントと判断するポイントなのですが、この日はジックリ探ってみることにします。
 最初は5gスプーンを試したのですが反応無く、この日初めてミノーを試してみます。チョイスしたのは、フローティングのパニッシュ70F黒銀です。これをダウンクロスにキャストし、荒瀬の中の石裏を通すようにリトリーブして探っていきます。すると数投目にガツンとロッドまで一気にアタリが伝わってきました。見るからに大物のファーストヒットに慌てたわけでもないのでしょうが、やっとの思いで荒瀬から寄せてきたところで、痛恨のバラシ。がっかりです。ただこの時期にもかかわらず、瀬の中に活性の高い魚がいることが分かった事が収穫でした。


 その後、管理釣り場の最下流まで下ったあと、スプーンとミノーを使い分けながら釣り上ります。相変わらず魚信はなかったのですが、そのまま釣り上って、最初に攻めた浅瀬から深みに落ち込む放流場所まできました。最初はスプーンでしか攻略してなかったのですが、おそらく流れに押されて深場までは探れていない可能性が高い。そこで今度はミノーで探ります。目視では魚は確認できませんが、深場に落ち込む流れの真下や流芯脇にいるはずです。

 そこでルアーをヘビーシンキングミノーのD−ダイレクトにチェンジ。これを流れを跨ぐようにキャストし、一気にリールを巻いて流れの直下にもぐりこませます。その上でロッドでアクションさせながら探ってみると、一投目で狙い通りにヒット。ただ、流れから引っ張り出したところでバレてしまいましたが、自分の読みが間違ってなかったことに一安心。他のアングラーが近くにいなかったため、しばらく粘ることにしました。

 D−ダイレクトのキャスト方向を変えながら、流芯の脇や直下を探っていくと、流芯直下で再びヒット。既に2本バラしていたので慎重にドラグ調整しながら流れの中から引っ張り出し、やっとネットインできたのは40cm程のニジマスでした。やる気のあるニジマスは強い流れの下の緩流帯に隠れていました。



 同じ場所のもうひとつの流れも同様に探っていきます。ただ、こちらはD−ダイレクトでは水深が浅いため根掛かりしやすいので、ミノーをチェリーブラッドMD75にチェンジ。それまでと同じように探ってみると、やはり流芯直下で再びヒット。同じく40cm程のニジマスでした。


 昼食後はまだ探っていない大川橋直下のスロープ状堰堤からの流れのポイントを、チェリーブラッド70MDで探ってみます。河岸から一通り探った後、中央部の浅瀬に移動し、河岸からはミノーが届きにくい流れの直下をクロスキャストで探ってみます。数投目にそれまでとは明らかに違うアタリとともにドラグが鳴り始めます。ロッドのパワーに助けられ、何とかキャッチできたのはこの日最大となる50cmほどのニジマスでした。こちらも狙い通りのヒットに前半の苦戦が報われました。



 これで従来の管理釣り場区間はほぼ探り終え、残すのは堰堤上流のポイントです。こちらには放流はされていませんが、魚道を上ったニジマスがいるらしい。ただし川幅いっぱいに広がったプールで、狙いがしぼりにくい。ニジマスがいるとすれば、堰堤への流れ出しの際に定位しているのでは仮定して、ルアーをスプーンのドロップダイア4gにチェンジ。これをダウンクロスにキャストし、できるだけ堰堤の流れ出しの際を通るようにリトリーブしながらさぐっていくと、着水直後にヒット。ヒットポイントが遠いため寄せるのに時間がかかりましたが、無事ネットインできたのは、40cmほどのニジマスでした。この後も堰堤上部からスプーンの届く範囲探ってみましたが、この後は反応が得られず、予定していた時間がきたので終了としました。



 漁協の方のお話では、これからの時期も追加放流が行われるらしく、タイミングが合えばこの日の教訓を生かして再釣行に訪れたいものです。


● 使用タックル

ロッド IBXX−66MT
リール D社2500番
ライン ナイロン4ポンド
ヒットルアー D−ダイレクト TSレーザー(シングルフックに交換)
チェリーブラッドMD75 クロギン(シングルフックに交換)
ドロップダイア4g キンヤマメ



[ 戻る ]