成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 千早川ルアーフライ釣り場釣行(令和元年6月22日) 》


 関西の管理釣り場はこの時期になると、高水温のためにクローズする釣り場が多いのですが、千早川ルアーフライ釣り場はこ一年を通してトラウトフィッシングが楽しめる貴重な存在です。この時期に放流されているのは、20〜30cm前後のニジマスで、パターンがはまれば数釣りが楽しめます。特にこの日は午後から所用があり、午前中4時間だけの釣行だったので、そのつもりで攻略法も考えねばなりませんでした。


 受付を済ませ、ルアーフライ釣り場へは車で移動します。管理釣り場は2つのポンドで構成されており、一日遊ぶ時は午前と午後に分けて両ポンドで楽しむのですが、この日は半日釣行のため第2ポンドで楽しむことにします。駐車場側より魚の状況を視覚で確認したところ、表層に多くのニジマスがいるのが確認できます。やはり表層の魚の攻略がこの日の釣果を左右しそうです。



 まず最初は1.4gスプーンのアピールから試してみます。これを極力表層を泳がすように早めにリトリーブしてみたり、若干スローにリトリーブして若干表層下を探ってみますが反応ありません。そこでナチュラルカラーに替えて探ってみますが、これにも反応なし。続いて1gスプーンにルアーチェンジして、アピールカラーとナチュラルカラーで探ってみますが、これにも反応なし。どうも1.4gや1gスプーンでは、こちらがイメージしているよりも下の層をスプーンが泳ぐことと、そのスピードがニジマスにはマッチしていないようです。

 普段ならここでもう少し粘るところなのですが、この日は時間に余裕がないので、すぐにスプーンをZIL0.6gにチェンジしてみます。やはりアピールカラーから試してみます。それまでと同じように、糸ふけが出ないようにサミングし、着水と同時にリトリーブを開始して極力表層をZIL0.6gが泳ぐように探っていきます。ロッドは立て、時より引き波が立っても気にしません。そうやって数投目にZIL0.6gにニジマスが表層を割るようにアタックし、最初の一匹目がヒット。やはり狙いは間違っていないようでした。


 それからしばらくはZIL0.6のカラーローテーションで順調に釣果を伸ばしていたのですが、結構神経を使う釣り方なので、他のルアーを試してみようと、スティルエリアチューンにチェンジ。こちらはキャストし着水したら、水面が落ち着くのを待ってリールを巻きます。そのまま巻き続けると若干沈んでしまうので、リールをゆっくりと1〜1.5回巻いたら止めて、スティルが浮かせます。そして2秒ほどそのまま様子を見て、アタックがなければ再びリールを巻くというのを繰り返します。この方法がこの日のニジマスには効果があったようで、浮いてるスティルにアタックしてくるニジマスもいれば、リールを巻いてる時にアタックしてくるニジマスもいます。



 そのままスティルエリアチューンのカラーローテーションでヒットを続けていたのですが、これだけ表層パターンであればトップウォータープラグでも釣れるはずとルアーをトワディにチェンジ。前回の釣行ではこのトワディのストップ・アンド・ゴーが効いたのですが、今回はうまく反応してくれません。そこでロッドでチョンチョンとアクションをつけながら、同時にリールを巻きます。つまりドッグウォークで探っていきます。

 ただドッグウォークを続けるだけでは、ニジマスは興味は示すものの口は使ってくれません。そのためトワディの動きを止め、アタックするタイミングを作ってやることが必要です。この方法で探っていくと、次々とニジマスが止まったトワディにアタックしてくるのが見えます。ただこの日は食いそこねが多く、アタック即ヒットと言うわけにはいきませんでした。それでもトワディで釣果を伸ばしているところに待望の放流がスタートしました。


 放流魚を手返しよく攻略するため、スプーンのZIL1.4gにチェンジ。色は放流魚用にアピールカラーをチョイス。ここからしばらくは何も考えなくても、ZIL1.4gをキャストして巻くだけで、続々とレギュラーサイズのニジマスのヒットが続きます。ただしこの日は放流の効果が長く続かず、ちょっと苦しい時間帯に突入します。放流前に調子が良かったトワディやスティルエリアチューンを使ってみるのですが、それまでのヒットがウソのように反応してくれません。



 そこでこの日使っていなかったクリックホッパーにチェンジします。こちらはゆっくり巻くだけで、表層近くを泳いでくれるので、クリックホッパーを信じてキャストし続けたところ、再びニジマスのヒットが復活しました。ただ放流前のペースに比べると釣果がスローペースなのが気になります。もしかするとクリックホッパーの動きには興味をしめすが、そのシルエットの大きさがこの日のニジマスの好みには合わないのかも知れません。そこで残り時間が1時間を切ったところで、ミニクランクのプリリーにルアーチェンジします。

 プリリーはシンキングタイプなため、表層を攻略するためにロッドを立てリトリーブしてみると、狙い通り、レギュラーサイズのニジマスのヒットペースが上がってきました。カラーローテーションしながら釣果を伸ばしていたのですが、残り時間30分となったところで、ふと思いました。シルエットが小さいのが好みならば、最初に調子良かったZIL0.6gに戻したら、もっと釣れるのではないかと。


 そしてZIL0.6gに戻したところ、これがこの日最大のヒットパターンで、最初のような超表層でなくても、続々とニジマスがヒットしてきます。3投連続でヒットシなければカラーローテーションするやり方で釣れ続け、まさにZIL0.6gのおかげで、半日釣行を大満足で締めくくることができました。



 この日は高水温による苦戦も覚悟していたのですが、ルアーの力に助けられ、楽しい時間を過ごすことができました。


● 使用タックル

ロッド FLNE‐60GTS(スプーン・クランク)
IBXX−56MT(スティルエリアチューン・トップウォータプラグ)
リール S社1000番(スプーン・クランク)
S社2000番(ミノー・トップウォータプラグ)
ライン ナイロン2ポンド(スプーン・クランク)
ナイロン2.5ポンド(ミノー・トップウォータプラグ)
ヒットルアー ZIL1.4g 各種カラー
ZIL0.6g 各種カラー
スティル エリアチューン 各種カラー
トワディ 各種カラー
クリックホッパー 各種カラー
プリリー 各種カラー



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