吉川 康之

栃木県在住の平凡なサラリーマン

湖およびエリアでのトラウトフィッシングをこよなく愛する。



《 屈斜路湖のレインボートラウト 2019初冬
2019年11月中旬 北海道弟子屈町 屈斜路湖 》



 昨年11月後半、北海道は弟子屈町にある屈斜路湖にレインボートラウトを求めて出掛けてきました。この湖にはこれまでにも何度か足を運んでいるのですが、ここをメインに訪れたことは一度もなく、同じ道東エリアにある阿寒湖での釣りの合間に、もし時間があれば出掛けてみようかといった程度のものでした。以前から屈斜路湖という湖に大きな魅力(なんといってもプラチナレインボー)は感じていても、その巨大さ故に魚がとても薄くて難しいというイメージがあり、なかなか足が向かなかったのです。ところが、一昨年の秋に北海道在住のスミス社・スタッフであるSAKAMOTOさんと、同じくスミス社・フィールドモニターのOKUDAIさんのおふたりが、屈斜路湖で大変良い釣りをされたという話を聞き、その際の釣果写真を見せてもらってからというもの、私の屈斜路湖への思いがすっかりと変わってしまったのです。
(自分もあんな立派なレインボートラウトを釣ってみたい! 屈斜路湖メインで釣りを楽しんでみたい!!)
そして今回、この願いが1年越しに叶うことになったのです。さらに、おふたりに事情を話したところ、今回の遠征に同行してくれる事になり、これ以上ない万全の態勢を整えて屈斜路湖入りする事が出来ることになったのでした。もうおふたりには感謝の言葉しかありません。


SAKAMOTOさん(左)とOKUDAIさん(右)が
釣り上げた屈斜路湖のレインボートラウト

これらの釣果写真にすっかり
魅せられてしまいました


 今回の釣行では入ったポイントの全てがOKUDAIさんとSAKAMOTOさん頼みで決めてもらいました。まずは当日の天気予報から風の向きと強さを確認、そこから湖流がよく利くであろうエリアをいくつか選び出します。次にベイトが多く集まる場所や最近の釣果実績などを加味、さらにはポイントへのアクセスのし易さ(駐車スペースが限られる場所も多いため)なども考慮に入れて、その日ベストと思われるポイントを絞り込んでもらいました。特に最後の駐車スペースの問題に関しては、最新の情報を持ち合わせていないと、近隣の農場の方たちに迷惑(迷惑駐車による農作業の邪魔)を掛けてしまうことにもなるため大変に重要なこと、遠征組の私にはなかなか知りえない情報であるため大変心強かったです。
このように事前の検討を十分に行ってもらえていたお陰で、どのポイントにも問題なくすんなりと入ることが出来ました。
水辺に立つと、狙い通りの方角から風が吹きつけていました。そしてそれに伴う良い感じの湖流が目の前を流れていきます。小魚の跳ねなども沢山見ることが出来て、弥が上にも期待が膨らみました。目の前に魚は間違いなくいる。後は釣るだけです!


とても良い感じの荒れ具合です

水際には天寿を全うしたチップ(ヒメマス)の姿が


 今回、私がメインで使用したルアーは小魚のシルエットを持つシンキングミノージグであるトラウティンサージャーSH(8cm 13g)とリップレスシンキングミノーのチェリーブラッドLL70S(7cm 7.7g フック変更実施)のふたつでした。どちらもこの湖の代表的なベイトフィッシュのひとつである、ワカサギやウグイを演出するために選んだものです。そしてこれらを使って沖の表層を広く探って行きました。
ここで何故、沖の表層を探ったのか?ということについてですが、
これは近年、雑誌メディアなどでも度々紹介されているのでご存知の方も多いと思うのですが、最近の屈斜路湖では秋から冬の時期、レインボートラウト狙いで沖の表層を探るというのがひとつのトレンドとなっています。ショアからの海アメや海サクラを狙うためのヘビータックル(10フィート近い長尺のロッド&20〜40g前後の細身のメタルジグなど)をそのまま湖に持ち込んで、大遠投を武器に沖の表層を回遊するフレッシュな個体を狙ってしまおう!というものです。
今回私が訪れた際にも、感覚的には9割近いルアー・アングラーの方たちがこの釣りを楽しんでいました。そして実際に釣り上げている場面も何度も目撃しており、このスタイルの釣りがレインボートラウトを狙う上でとても有効な手段であることを実感しました。
ならば『郷に入れば郷に従え!』。そんなに有効なら、私も真似させてもらいましょう!となった訳です。
ただ、ここでひとつ問題がありました。今回私が使用したタックルは、本州の中禅寺湖や芦ノ湖で普段から使っているもので、100メートル先の沖合を探ることを目的とした仕様のものではありませんでした。おそらくトラウティンサージャーSH(8cm 13g)ならば、50メートルを安定して飛ばすのが限界でしょう。このような訳で、狙いのレインボートラウトに私の熱い思いが届くのか?かなり不安なところもあったのですが、意外にもはやく魚からの反応を得ることが出来たのでした。

トラウティンサージャーSH(8cm 13g 飛距離にして40〜50メートル)を使った表層のただ巻き(ダイワの2500番ノーマルギアのスピニングで3〜4回転/秒)や、チェリーブラッドLL70S(飛距離にして30〜40メートル)を使った同じく表層のただ巻き(ダイワの2500番ノーマルギアのスピニングで2〜3回転/秒)で、これぞまさに屈斜路湖クオリティと呼ぶに相応しい、野性味溢れる綺麗なレインボートラウトとサクラマスが顔を出してくれました。


屈斜路湖のレインボートラウト(54cm)
チェリーブラッドLL70Sを使った表層のただ巻きで

まさに屈斜路湖クオリティと呼ぶに
相応しい立派な尾鰭でした


このレインボーは風のない日中に出てくれました(51cm)

チェリーブラッドLL70Sを使った表層のただ巻きで


早朝の気温はマイナス5℃、
日中の最高気温はプラス5℃前後

日中の表層水温は7℃前後で推移していました



 広大な屈斜路湖に於いて、飛距離が大きなアドバンテージであることに間違いはないでしょう。ですがそれだけでは無い事を今回実感しました。鱒たちは餌を探し求めて間違いなく岸近くまでやって来ています。それを妨げることが無いように、水際では極力静かにふるまうこと、また無暗やたらとウェーディングはしないことなど(どれも皆当たり前のことですが)、これらをしっかり行えば、一般的な湖沼用のタックルでも十分に太刀打ち出来ると感じました。


トラウティンサージャーSH(8cm 13g)の
ただ巻きに出てくれたレインボートラウト

体側の斑点が少なめの綺麗な個体でした


パニッシュ85Fのトゥイッチ・
アクションに出てくれたアメマス

強風により湖岸線に強い濁りが入ったタイミングで、岸際か
ら数メートルのところを探っている最中に出てくれました


これまでとは色味の違ったレインボートラウト(54cm)。
このタイプの個体が来るのをずっと待っていました

こちらもトラウティンサージャーSH(8cm 13g)
を使った表層のただ巻きでした


 ちなみに、上で書いたただ巻きについてですが、使用するリールのメーカーや番手、ギヤ比などによって、同じ操作でも巻き上げの速度は当然変わってきます。上で紹介したルアーをこれまで使ったことが無いという方は、あらかじめ自身のタックルでルアーが最もよく動く、巻き上げ速度を確認しておくのが良いと思います。それを十分に身体に覚え込ませたら、次はその速度を基本に、低速側と高速側でのルアーの動き(揺れの周期や立ち姿勢など)と沈下速度(トレースレンジ)についても覚えておくとよいでしょう。魚の状況変化に対する探りの幅がきっと広がると思います。
また、上記したルアーにはいずれもリップなどが存在しないため、水を受ける部分は大変小さなものです。このため使い慣れていない人が、ただ巻きでこれを使用すると、そのあまりの引き抵抗の無さに途中で心が折れてしまい、使うのをやめてしまったという話をよく聞きます(私も最初はそうでした)。最初の一匹を手にするまでは、自信を持って巻き続けるのはなかなか難しい事だとは思いますが、きっと釣れますので諦めずに巻き続けてみて下さい。あのリーリングしている最中に、突如 『ガツン!!』と襲って来るバイトの感触は一度味わったら病み付きになること間違いなしです。


※ 屈斜路湖での遊漁について 弟子屈町のHPを参照下さい
 https://www.town.teshikaga.hokkaido.jp/kurashi/soshikiichiran/kankyoseikatsuka/3/898.html


美幌峠から見た屈斜路湖の眺め

こんな吹雪の中での釣りも楽しみました


屈斜路湖に冬の到来を告げる
オオハクチョウの群れ(砂湯にて)

釣りのあと皆で食べた弟子屈ラーメンは最高でした!


【屈斜路湖のレインボートラウト(You Tube動画)@】



【屈斜路湖のレインボートラウト(You Tube動画)A】



● 使用タックル

ロッド TILF-87 イル・フロッソ (SMITH)
リール CERTATE 2500 (DAIWA)
ライン VARIVAS ハイグレードPE 4本撚り 1.0号 (MORRIS)
リーダー TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 12lb (MORRIS)
ルアー チェリーブラッドLL70S No.03 TSカラー(SMITH)
トラウティンサージャーSH 8cm 13g No.09 RGカラー(SMITH)
パニッシュ85F No.31 LPIカラー(SMITH)
チェリーブラッドSR90 No.06 グリーンゴールド(SMITH)
ウォブリンS 24g 各色(SMITH)
スナップ SPスナップ #2 強度21kg (SMITH)
フック チェリーブラッドLL70S用 シュアーフック Wトラウト・タテアイ 7G (SMITH)
※ ベリーのフックなし、テイル側のみ1本
トラウティンサージャーSH用 シュアーフック Wトラウト・タテアイ 8G (SMITH)
パニッシュ85F&チェリーブラッドSR90用 SBL-75M #1 (OWNER)
ネット チェリーネット Mサイズ 旧タイプ サツキ (SMITH)
その他 VARIVAS PEラインにシュッ! フッ素コートスプレー ノンガスタイプ 50ml (MORRIS)



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