SMITH PRADCO BOMBER

ボーマー商品ラインナップ

ボーマーヒストリー

フローター・ダイバーの元祖、
プラスチックルアーの始祖。

■爆弾型のボーマーが史上初のフローター・ダイバータイプだった。

 ボーマー社は農家のアイク・ウォーカー氏と楽器屋を営んでいたクラレンス・タービー氏によって1946年に設立された。最初から商売としてルアーを作ったわけではない。彼らは釣り好きで、1942年頃から自分たちが使いたいルアーの製作を始めていた。彼らが求めたのは、当時発売されていたルアーより効率よくディープを攻められるルアーだった。
 1942年頃というと第二次大戦の真っ只中だ。そんな時代にルアー作りに熱中していた人がいるあたりがアメリカらしいというか、釣り人らしい。電柱の余り木をもらってきてボディを削り出し、ストーブのバックパネルやタバコの缶を金属部品として使った。フックを受けるパーツは靴に使われていたハトメを代用したという。フックだけはさすがに戦争中は入手困難だったのだろう、古いルアーのものを外して付けた。
 彼らの作るルアーは非常によく釣れると仲間に知れ渡った。俺にも作ってくれ、私にもとオーダーが入る。じゃあ、ということでこれを仕事にした。このあたりはヘドンに似ている。釣り好きが自分が使いたいルアーを開発し、それが評判になっていつしか仕事にしているというパターンだ。
 オーダーが入るのはいいが、先にもあるようにフックがない。ショップは売れ残りのルアーのフックを外して送り、お客たちも自分の持っている古いルアーのフックを外して持ち込んだという。
 往年のボーマールアーの代表作に、ボーマーベイトという名の爆弾型のダイビングルアーがある。爆弾はBomb(ボム)、Bomber(ボーマー)は爆撃機、爆撃兵という意味だ。社名もここからきている。
 このルアーの最大の特徴はフローター・ダイバーであることだ。つまり、ルアー自体には浮力があって、リトリーブすれば潜り、止めると浮いてくる。それまでのルアーはトップウォータータイプの浮くルアーと、沈むシンキングタイプに分かれていた。
 「もしあなたがバックラッシュしても、ボーマーなら回収できる」なんて言葉がセールストークになっていたようだから面白い。
 ボーマーは1950年代、他社に先駆けてプラスチックルアーを作った会社でもある。しかし、当初は水漏れを起こして2年間製造を中止して改良にあたったという苦い経験がある。プラスチックの成型技術をルアーに導入するには時代が早過ぎたのだろう。だが、改良に改良を加えたプラスチックルアーはその後大活躍する。
 爆弾型のルアー、ボーマーベイトが発売されていない今、日本で最も知られているのはミノータイプのロングAかもしれない。バスを対象にして、サイドからサイドに尻尾を振るウォッブリングアクションに加えて、ローリングアクションを組み合わせてデザインされている。ややウェイトがあって向かい風の中でもキャストしやすく、日本ではバスばかりではなくシーバスルアーとしても定番になっている。

■クランクベイトの定番中の定番 モデルA、ファットA。

 しかしアメリカでは、ロングA以上に有名なルアーがある。バスマンにとっては「ボーマーといえばモデルA」なんだという。その中でも特に6Aというモデルはバスプロのタックルボックスには、契約の如何に関わらず必ず入っているだろうと言われている。水深2m前後を探るのに最も効率よく使えるからだ。
 この定番ルアーの原型を作ったのはチャーリー・メドレイ氏だ。チャーリーは1972年、24歳でボーマーに入社する。初めはペイントの缶をシンナーで洗わされていた彼も、ルアー作りに興味を持っていただけに、自分でも何とかデザインしようとする。しかし、創業当時からルアーデザインを担当していたアイクは、ルアーデザインのノウハウを教えようとはしなかった。モノ作りは教えられてできるようになるものではない、自分の目で盗めという姿勢を貫いた人物だったという。日本の職人気質を彷彿させる。
 チャーリーは工場の仲間が昼食を食べに行っている間にこっそりルアーを削り続け、出来上がったものをアイクに見せた。すると、これはいけるんじゃないかとテストに入ったという。その後の開発に彼は携わらなかったが、誰もが知るモデルAのアイデア、原型はチャーリーが作ったのだった。
 このチャーリーは後にファットAをデザインする。このルアーにも秘話がある。ラトル音の強いルアーを作ることが目的でラトルチャンバーを大きく取り、小さなナマリをいっぱい入れてみた。会社のプールでテストし、水中マイクで測定してみたところなかなかの出来である。そしてこのルアーはフィールドテストに移る。
 すると意外な弱点が見つかった。障害物のないところでは問題はなかった。しかし、オダや木にリップが当たってルアーが反転したときに、ラトルが頭のほうに集まって逆転し、そのままリトリーブを続けると浮いてくることがが分かった。その後、ファットAは改良が重ねられて発表され、現在の定番としての地位を獲得する。
 ボーマーには徹底的にテストを繰り返して、納得のいくものしか世に出さないというポリシーがある。ルアーはアイデアが良くても実際にカタチにして、さまざまなシチュエーションでテストを重ねてみないと本当にいいルアーかどうか誰にも分からない。そこまでテストして自信があるものを発表するという姿勢を貫いた。
 このように品質にこだわり続けるボーマーのポリシーは、1つ1つのルアーに込められて今も生きている。