Smith DシリーズDの系譜〜
Smith DシリーズDの系譜〜

[Pickup SMITH 制作室](以下[P])
D-コンタクトの登場から10年、ユーザー待望の“小さいサイズ”がやっと登場するわけですが、
このD-コンパクトのこだわった部分はどこでしょうか?

[平本]
当時出すとしたら、そのままD-コンタクトスケールダウンを、って事になったと思うんだけど、
10年経ってね、フィールドの状況を考えるとそうでは無いなと。

[P]
自然の河川はますます難しく、釣れなくなっていますね。

[平本]
例えば東北とか、普通のD-コンタクトで十分釣れる様なフィールドならばいいけれど、
関東圏の河川の様な人気のフィールドでヤマメを狙おうというと、
使い手さんの気持ちとしてもうひと回り小さいので攻めたい、というのがあるんですよ。

[P]
はい確かに。気分的なものかも知れませんが。

[平本]
それを汲み取って小さいサイズを作ろうと。
だけど、作るならD-コンタクトの小さいの、ではないなと。
D-コンタクトとは違う、もっとオールマイティーなコンパクトサイズだろうなと。

[P]
オールマイティーですか?

[平本]
それは何かというと、D-コンタクトよりも水噛みがよくて、
急流のダウンクロスでも浮き上がらなくて、
小さいからと言って飛びが損なわれなくて、
それから、スライドだけではなくてヒラ打ちも持っている…
D-コンタクトとD-インサイトの中間に位置する存在ですね。

Smith DシリーズDの系譜〜 [P]
D-コンタクト45にせず別の名前を付けているのは
コンセプトが違うからなんですね。
しかしD-コンパクトと言うネーミングはなんともシンプル(笑)

[平本]
ま、コンパクトでいいやって(笑)
これ、ボディを見てもらうと分かるんですが、
両サイドはD-コンタクトよりもさらに真っ平らなんですよ。

[P]
インサイト寄りなんですね。

[平本]
で、上部はインサイトよりも丸みがある。
リップもD-コンタクトより立ってます。

[P]
D-コンタクトとD-インサイトの能力を合わせ持ったマルチなルアーと言うことですが、
であればD-コンタクト、D-インサイトの出る幕はどうなるのでしょうか?

[平本]
そこは、飛距離です。重さが1gも違うんですからやっぱりD-コンタクト等の方が飛びます。

[P]
D-インサイト44ですらD-コンパクトより重いんですね。

[平本]
そもそもD-コンタクトはハリのある強めの竿(ラグレス)を使うわけなんですが、
誰もが僕の様な竿を使うわけではないので、そんなニーズにも応えられるルアーがD-コンパクトなんです。
4lbのナイロンラインで1mくらい潜りますし、サクサク手軽に使えるんですよ。

[P]
普通の竿を使っている方にとってのDシリーズ入門ルアーですね。
この先D-コンパクトも独自にシリーズを増やすのでしょうか?

[平本]
名前がコンパクトなのに大きいのは作らないでしょ(笑)
冗談はさておき、これより小さなものは必要性を感じてませんね。
自分自身が自然の渓流で、これより小さなものは使いませんから。
と言いながら何年後かに新しいアイデアを思いついちゃったら…作るかもね(笑)

Smith DシリーズDの系譜〜

インタビューを終えた後、平本さんとスタッフは
奈良子釣りセンター渡辺さんのご厚意で、
普段は解放されていない特別なエリアでの実釣をさせていただきました。
管理釣り場内ではありますが、放流の行われていない、ほぼ自然のままの川です。
平本さんはそこで見事に魚を引き出してくれました。

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