ボトムノックスイマー

開発をスタートしてから10 年目に突入した
ボトムノックスイマーⅡ。
「まだ開発の手は止めてませんよ」と
開発者でテスターの本山博之氏は言う。
実際にこのルアーで釣り込んでいる
ユーザー達からの意見も参考にして、
様々な条件・状況に対応した
ボトムノックスイマーを開発。
2017年はサイズ・ウェイト違いの2シリーズを登場させた。
前回のインタビュー
フックサイズを変えるだけで泳がなくなるほど
ボトムノックスイマーのバランスは
微妙なんだと言っていた本山氏。
ウェイトやサイズが異なるものを
作れるところまで来たと言う事は、
このルアーの核心が見えてきたのかも知れない。
ボトムノックスイマーⅡの釣れる要素は何か。
本山氏にインタビュー第2弾を試みた。

ボトムノックスイマー
ボトムノックスイマー

ボトムノックスイマーⅡが釣れる要素はね・・
どうも、やっぱり、
「エサ」だと思って食っているみたいだね。
ミノーやスプーンとはそもそも
魚の食い方が違うんですよ。

ルアーマンとしては御法度なんですけど、
試しにエサ釣り用の渓流竿(リールの無い竿)に付けて
チョンチョンやったら、釣れてしまうんですね(笑)
木の枝の入り組んだカバーの間でチョンチョンやると
寄ってきて食っちゃうの。

ボトムノックスイマー

つまりエサみたいだと言うのは、
ボディとウェイトがとても良いバランスになっていて、
魚が好む、自然界のエサにとても近い波紋を出せているってこと。
だから着水は「ポチャ」っとソフト・プレゼンテーションで。
ボトムノックスイマーⅡは着水したその波紋だけで
瞬間に食われる率がとても高いルアーなんです。

ボトムノックスイマー

ボトムノックスイマーⅡの使い方に、
スイング釣法があります。
スイングというのは左右に泳ぐことなんだけど、
ボトムノックスイマーⅡの場合、左右に自走するとき、
細かなバイブレーションを起こしているんですよ。
その横の動きが魚の食い気をおこす何かを持っている。
最初まったくスイッチの入って無かった魚がどんどん興奮して群れてくる。

ボトムノックスイマー

形状については、あれこれ研究してみたんですけどね。
もっと尖ったものとか、船の球状船首みたいなものとか。
しかしちゃんとバイブレーションが出て、
何かに当たるとバランスを崩すような絶妙なものは、
やっぱりこの形なんだよね。

色、フラッシングなども考えましたよ。
しかしホログラム、マット、蛍光と
それほど大きな差が出ない。
単色でも食ってくるってことは、
やはり釣れる要素のキモは色じゃないんです。
こまかなバイブレーションが起きることで
魚を興奮させているんです。

ちゃんと魚の好む波紋を作り出せるボディと
ウェイトのバランスの黄金比が解ってきたので、
ボトムノックスイマーⅡに続くラインナップ、
ライトと35 を作ることができました。

盆明けからの秋口は、ゆっくり沈むことができるライト。
ノーマルだと飛び出してしまう激流の中では重い35。
フィールドと、適正水温にあわせて
使い分けができるようになったんです。

ボトムノックスイマー

ボトムノックスイマーⅡの使い方には、
ポチャっと落ちた時に食う「落ちパク」以外に、
ただ巻きやスイング釣法、ボトムバンピングなど
様々なアクションがある。
シリーズが増えたことで気になるのは、
どんなタックルが最適なのか、
どんなロッドワークをすべきなのかということ。
本山氏はどう考えているのだろう。

使う人、ロッド、ラインによってアクションは変わるので、
こう使うのが良いとは一概に言えないね。

竿の硬さが違えば、スイングの初速が違ってくる。
細いラインを使えばスイング幅が広がるし、
太いラインを使えば沈下速度が遅くなったり
スイングがゆっくりになったりします。

ラインの種類によっても違う。
ナイロンは初速がゆっくりになる。
PE は立ち上がりからテンポ良く動く。

どれが正解というのは無いんです。
季節によって、状況によって
ピッタリ当てはまるものは変わるから。

ボトムノックスイマー

自分の場合、あまりハードなロッドを使わずに
投げやすさ優先です。
トゥイッチもそれほど激しくない。

しかし8月からはするんです。激しいトゥイッチ。
幅のあるスイングで見せるよりショートトゥイッチになりますね。
9月になると軽いルアーがよいので、
ボトムノックスイマーライトを多用するようになります。
季節や状況による魚の付き方を考えて釣り方を変えるのは、
釣りの基本だからね。

ただ、これは人から聞いた話なんだけど、
ボトムノックスイマーⅡは管理釣り場で
子供さんに使わせるのに最適らしいんですよ。
いい加減にアクションさせても
ちゃんと魚を誘うから安定して釣れるからって(笑)

つまり、ルアー自体に魚を誘う要素があるから、
何をやってもいいんです(笑)
障害物の回避能力も優れてるからね。
海バージョンも発売したので、
また違う分野から新しい反響もあるでしょう。

そうしたらまた進化させられるかもしれない。

【使用タックル】
ロッド:スミス SS4-Custom 49UL(プロトタイプ)
リール:アルファスAir-ストリームCustom 7.2L
ライン:ダブルクロス 6ポンド
ルアー:ボトムノックスイマーⅡ

ボトムノックスイマー

シンプルな形状ゆえ奥が深いルアー、ボトムノックスイマーⅡ。
昨年は1種だけであったのが、今年はライトと35が加わった。
さらにソルトウォーターのライトゲーム用もラインナップされ、
トラウトだけのルアーではなくなった。
この先、本山氏はどう「進化」させてくれるのか。
ひとまず開発10年目にして解ってきたことを
ここにまとめておきたい。

●魚の好む「エサ」に近いバランスを持っている。

●魚の好む波紋を出す。

●色がキーではない。

●釣り方は、何をやってもいい。

本山博之氏

本山博之

マルチプロアングラー。
ボトムノックスイマーⅡをはじめ、
エーアールシリーズ、
Be Sticky Trout Hiro Motoyama Modelなど 様々な商品のプロデュースを手がける。
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