第1回 ロッド操作の基本



トップウォーターの釣りを始める時に使い易いのは、ミノーやクランクベイトの様に、引けばそれ自体がアクションするルアーと同じ機能を持ったノイジープラグや、スイッシュサウンドを利用したスイッシャー、ポップ音を使ったポッパーでしょう。

しかし、トップウォーターの代表とも言えるペンシルベイトを使って、良く言われる「首振りアクション(ウォーキングザドッグ)」を使った釣りを始めようとした時にぶつかる壁があります。それは、「どうやってプラグの首を振らせるか」だと思います。

多くの本や雑誌等でトップウォーターフィッシングについて書かれ(私も以前に二度ほど書いたことがありますが)、最近ではビデオの映像でも見る事が出来るようになっていますが、今ひとつわかり難い部分があるのではないでしょうか。

第1回目は、ペンシルベイトを動かす為のロッド操作をピックアップして、重要だが伝わりにくいポイントを画像と動画で解説して行きたいと思います。

ペンシルベイトを動かそうとする時、多くの人が間違いやすいのは、ロッドを腕で動かしてしまう事です。

それでは、なぜ腕で動かしてはいけないのか?

腕全体でロッドを跳ね上げると、どうしても動きが大きく、遅くなり、本来小さく、瞬間的にする事によってアクションするプラグが、大きく引っ張られてしまう為、直進しか出来なくなってしまうからです。
もちろん、スィッシャーのロングジャークや、ポッパーのダイビングアクションなど反対に大きくスロー気味にアクションさせる為には必要な操作方法ではありますが、首振りアクションは、これではできません。


本来のロッドの動きを、連続画像を元に解説してみたので、イメージをつかんでみて下さい。








トップウォーター専用ロッドは、胴部分が柔らかく、全体的に曲がる様に作られているので、@では瞬間的にロッドを跳ね上げている為、ティップ(竿の先部分)が遅れて動き始めているのがわかります。これは逆を返せば、ティップが遅れるほど瞬間的に力を伝えてやらなければいけないと言う事です。

次に、AとBの画像を注意して見て下さい。この部分が一番伝えにくい感覚のポイントなのですが、一番重要な首振り(ここからターンと呼びます)の動き始めを作る操作になります。遅れて動き出したロッドティップがラインを跳ね上げていき、ラインの先にあるプラグまで力が伝わった時、かすかにプラグの重みをロッドを通して手に感じます。この瞬間がプラグがターンをし始める時です。力を加えれたプラグは、この後バランスを崩し、左右どちらかに曲がろうとします。

問題は、この後も続けて力を加えてしまうと、せっかく曲がろうとしているプラグを真っ直ぐ引っ張ってしまい、動きを殺してしまう事です。そこで必要になってくるのが、ラインをゆるめてプラグを自由にさせるBの操作です。
上に行こうとするロッドティップを、手首を使って押さえ付けてやる事によって、ラインにたるみを作り、プラグを引っ張られる力から開放してやるのです。自由になったプラグは慣性の法則によって、崩した方向へターンしていきます。

最後に注意して欲しい事は、ターンした後の水面を滑る幅(スライドと言われる)が大きいプラグほど、充分なラインのたるみを作って最後まで動かしてあげる事です。


以上のロッド操作において、実際の手の動きはどうなのかを合成画像で作ってみました。また、その時のロッド全体の動きも合わせて別画像を対照させてあります。


ロッドを操作しているのは腕では無く手首だと言う事が、この画像を見てわかると思います。手首を中心にロッドとグリップエンドが上下して、ロッドティップとラインをコントロールしています。

ただし、跳ね上げの振り幅はロッドの硬さと、ラインのたるみの多さで微妙に変化しますので限定できません。
硬いロッドほど曲がらない為、手首を大きく動かすようになりますが、力をロッドが吸収してくれないので加えた力がそのままプラグに伝わり、押さえるタイミングが難しくなります。
さらに、よほど上手くやらないとプラグがピョンピョン跳ねるような動きになってしまいます。

最後に、今までの一連の操作を動画にしてありますので、説明でつかめなかったイメージを確認して見て下さい。

MPEG File rodact.mpg 934KB ( 320x240 30fl/sec 16秒 )

使用ロッド&ルアー:Hutley's stick HS-64ML/INNERHAND WB(Special版)

次回( いつ頃になるか?頑張ります )は、もう一つの重要な要素であるラインについて解説してみたいと思います。


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