■二匹の龍

紅龍(ホンロン)と青龍(チンロン)の二匹の龍が、
霞ヶ浦で大活躍しているのは重々承知であったが、
日本各地から寄せられる『御礼』のメールに、
少々ビックリしている。
思った以上に、皆さんルアーを見る目があったのね。

しかし、折角手にされた紅龍(ホンロン)と青龍(チンロン)であるが、
有効且つ効果的に使われてはいないのでは?
と言う疑問文がオレの頭の中に浮かんだ。
これでは宝の持ち腐れだ。
猫に小判、豚に真珠・・・ってーやつだな。
そこで、「吉田幸二流・来る春のビッグバス攻略法」を!
とは言っても大したことではないのだがね!!



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●ステップ1 紅龍(ホンロン)

これから訪れる春、そして晩秋にかけてまでのシーズン、
産卵や就餌行動で浅場を活発に動き回るビッグバスに的を絞ると、
自ずと使うべきルアーは見えてくる。
身の安全のために、
浅場の障害物を利用して活動するバスを狙うのだから、
障害物へのネガカリが少なく、
加えて高速リトリーブで耐えられるバランスの良さ、
高い浮力で水を押す力を備えたシャロークランクだな。
となると、紅い龍・ホンロンの出番となるね。

カバークランクと言うぐらいだもの、
こいつを1.5メートル以浅にあるシャローカバーや
ストラクチャーめがけてキャストし、
ミディアムリトリーブすると・・・ 引ったくるような強烈なストライクに襲われるはずである。
春一番から枯葉の舞い落ちる晩秋まで、
シャローを彷徨いている動きの良いバスを探すための、
強力な武器になるはずである。



●ステップ2 青龍(チンロン)

一方、青い龍のチンロンは、
風波や雨水の影響による突然の水況変化に、
素早く反応する安全の本能が高い「深場潜みバス」に有効である。
もちろん、2メートル前後の水深にも
食い気バリバリってー食欲旺盛なバスもいるけれど、
シャローのバスよりは多少低活性である。
それは安全の本能の方が食欲の本能に勝っているからだ。
そこで、少しタイトなアクションでバスを驚かさず、
より深い水域までも探れるようにした。

春の急激な天候の変化や水況変化についていけず、
シャローのバスを見失ったとき、
岸辺から連なる最初のブレイクや二番目のブレイクを、
青龍(チンロン)で探るべし。
ブレイクラインを探ることが有効であることを考えれば、
より効果的に探るには、ボートをブレイクライン上にステーさせ、
ブレイクラインに沿ってルアーを操作することに気付くはずだ。
同じような方法は、オカッパリであってもエリア選択さえすればできる。
岸から急に深くなっているような場所は、
ブレイクラインが岸に寄っているので、
このような場合では、岸と平行にキャストするのである。



さぁーて、今年もいよいよクランクベイトシーズンだ。
と言いながら、年がらクランクベイトばかりなんだがね。
そう、オレの考え方の基本が、
「クランクベイトで釣れる魚を釣る!」と言うことなんだ。
だから、ワームにしか反応しないバスや、
臭い付きじゃないと嫌だとかの駄々をこねるバスは相手にしない。
その季節、その日、その時、
オレが操作するクランクベイトに見向きをしてくれるバスが相手なんだ。
湖中を探れば、きっとそんな酔狂なバスがいるはずだからね。
ホラッ、『蓼食う虫も好き好きよ』と言うでしょっ。

●ステップ3 プラクティス

しかし、場所によってはクランクベイトでは
探りきれないスポットやカバーもある。
そんな時は、テキサスリグワームや
ノーシンカーワームの出番となるのだが、
これはよっぽどの時の隠し技だね。
トーナメントや取材などで、
どうしてもバスの顔が・・・と言うときだけだ。

それ以外の時は、ズーッとクランクベイトを投げて捲いてを繰り返す。
それは、クランクベイトでバスを釣るための練習だからである。
バスフィッシングでプラクティスというと、
後日行われるトーナメントや取材に合わせて、
湖沼の水況や魚の状況など現状を把握することばかりが優先されるが、
オレにとって最も大切なことは別にある。
自分が得意とするルアーで釣る感触やアプローチの感覚など、
日々の力をトーナメント当日にどこまで引き出せるか、
の確認作業こそがプラクティスである。

参考までに数例を上げれば、
どんな体勢からでもキチッとルアーをスポットに投げ入れる、
障害物に掛かったときの対処法を身につけておく、
強風下でのキャスティングポジション、
他者とスポットがバッティングしたときの対処法、
釣りに費やす時間配分、
などなどの確認作業をすることがプラクティスなのである。

●ステップ4 ダンベル体操

でもね、先日の取材でいたく感じたことがあった。
日々の練習こそ、全てを万遍なく行う必要があるということだ。
実は、久々に8フィートのロッドを持ち出して、
フリッピンを半日ほどやったら、翌日右手が筋肉痛になった。
いかに練習をしていなかったかの証明である。
その日から早速、ダンベルを持って腕振り運動を始めた。
このような日々の練習の確認こそが、プラクティスなのである。
いずれにしても、今年も普段の釣りでは、
投げて捲いてのクランキング一筋だろう。
この単純作業は、『釣りをしている!』と言う感触を
長い時間ホールドできるからだ。

●ステップ5 感謝

そう言えば、
紅龍(ホンロン)と青龍(チンロン)と言う名に出会ってから、
龍との縁が深くなった。
元々、東京で経営していた喫茶店の名前が、
「龍意」と書いてルイと読ませる店だったから、
随分以前から龍とは縁があったんだ。
その後、愛用の万年筆に紅雲龍、
筆ペンに青雲龍の蒔絵を入れて貰ったりしたので、
このところにわかにドラゴングッズが増えた。

青龍と言えば、
サッカーJ2の 水戸ホーリーホック のシンボルキャラクターが青い龍なので、
オレは一も二もなく 持株応援団 になったね。
現在、第三期の持株応援団を募集しているので、
サッカーに興味があったら、または青龍が気になったら、
J2水戸ホーリーホックの応援団になってミルコクロコップ?
おっと、余談が過ぎた、失敬失敬。

まぁ、いずれにしてもここ最近、新しい出会いがあったんだ。
全ては紅龍(ホンロン)と青龍(チンロン)のお陰である。
そして、今年の楽しいバスフィッシングを期待して、
二匹の龍に感謝!