■いよいよ青龍(チンロン)の出番

スミスの池島君からメールが届いた。
チンロンかホンロンの写真が欲しいとのことに、
バスとルアーだけが写っている写真はあるのだが、
自分も一緒に写っているものは殆どない。
それは、一人釣行が多いのと、
写真を撮るのを面倒臭がってしまうからなんだ。
でもね、以前に比べると随分と写真を撮るようになった。
デジカメのお陰だね。

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吉田様、いつもお世話になっております。
実は1点、お願いがありましてメールさせていただきました。

当社では既に来年度のカタログ製作の準備を進めているのですが
ホンロン・チンロンのページにおきまして
使用できる写真が何かございませんでしょうか?
吉田さんが写っており、魚の口元にホンロンないしチンロンが
確認できるものがあれば望ましいのです。
また、デジカメ画像であれば極力画素数の大きい状態で
提供いただけましたら大変助かります。

お手数ですが、どうぞよろしくお願い致します。

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と言うメールに、黒ヤギさんならぬ幸二さんからのお返事は、
近々に釣り行く予定あり。
釣れたら画像を送るが、撮れなかったら前ので我慢して頂戴。
何てぇ感じのメールを返信した。ヘンシン!

11月半ばまでに釣れたらいいなッ。
大きいバスが釣れたら嬉しいなッ。
……あっ、そろそろ青龍(チンロン)が活躍する季節だ。
表水温が18℃を切り始めた頃から、
バスの中には深場を意識し始めるものがいるので、
そいつ等が狙い目だ。
11月初旬、霞ヶ浦にボートを乗り出した。

昼近くの出船だったので、11月とは言ってもポカポカ陽気。
Tシャツ一枚で釣りが出来そうな外気温に、必然的に心も軽くなる。
デッキに乗せたタックルには、全てにクランクベイトが結ばれている。
これまた、ノー天気のようなしつらえであるが、
たまにはこんな釣りも良いよね。
クランクベイトの一本勝負!

目指すは急深で、硬底質で、流れが変化して(風による影響も可)、
縦ストラクチャーがある場所!
なんて風に探っていくと、必然的にマトは絞られる。
そうなのだ、クランクベイトの釣り、それもディープダイバー使いには
魚探は必携品なのであるよ。

それにしても、30年ほど前に魚探を使って釣りをしていると、
『漁師でもあるめぇし!』なんて蔑まれたもんだが、
いまはバスアングラーにとっての必携品の一つである。
おもしれぇーもんだなぁ世の中は。

 

皆さんもご存知の通り、魚探は魚を探すためのものではなく、
バスフィッシングをより効果的で効率的、
かつ科学的に推し進めるための道具なのである。

だってそうでしょうよ、自分の釣っている場所の水深や地形が判れば、
いま現在のバスが何を求めているのかが、ある程度つかめるからね。
バスの欲求の全て、完璧でなくてもいいんだよ。
朧気ながらにでも把握できれば、次ぎにセレクトすべきルアー、
攻略できるであろうルアーの予測がつくからね。
これが魚探の基本的な役割だね。

釣れた場所がブレイクよりもより浅いところだったら、
シャロークランクがセレクトできるだろうし、
ブレイク上で釣れたならディープクランクで
ブレイクのアウト側までも探るのが効果的! 
なんてぇ風に戦略を組み立てることが出来るんだ。

例年であれば、表水温はもっと下がっているはずなのに、
今年の10月下旬の霞ヶ浦の表水温は20℃近くもあった。
でもね、この20℃前後はなかなか素敵な水温であるんだ。
甲殻類や小魚を含めた水中生物の動きがよくなるからね。
彼らの動きがよくなると、バスのフットワークもよくなる。
必然的にクランクベイトへの反応も高まる。
この動きは、水温が15℃あたりを切るまで続く。

しかし、15℃を切った頃から、一気に2℃ほど下がるような条件、
外気温の低下や強風、冷たい雨の流入などの環境変化後、
バスたちは低活性化してしまうので、
クランクベイトへの反応も鈍くなる。
そして、浅場と深場の中間点や、
より深場に近い場所に活動拠点を持つようになる。
霞ヶ浦では、ディープクランク・青龍(チンロン)の登場となるのである。

15℃を彷徨いている霞ヶ浦だもの、
この日の一番バッターは、もちろん青龍(チンロン)である。
1mから2.5mまで急激に落ち込むブレイクライン上を探ると、
すぐに小型のバスが釣れた。
30cmに満たないバスだったけれど、
お腹がパンパンに膨れあがり、冬支度に掛かっている様子だった。

 

これに気をよくして、
この日は同じエリアのブレイクライン上を
少し時間を掛けてゆっりと探ることにした。
快適な居住空間を求めたバスが、
このエリアに集まると考えたからだ。
案の定、二尾目が来た。
が、これはばれてしまった。

秋のバスがばれやすいのは、タックルのせいと言うよりかは、
バスの食い方に問題があるようだ。
通常のスーッと一気に吸い込むような食い方ではなく、
口先で啄むような食い方をしているようである。
それは待ち伏せ型の食い方ではなく、追尾型の食い方に近いように感じる。
で、クランクベイトのリアフックに掛かっている確率が高まる。
そこで、常日頃からフックポイントに気を使うことを忘れずに。

三尾目は逃さなかった。
コツコツと来たので少しリーリングを遅くした。
その途端に、ガツッ・グーッと重みが加わった。
渾身の力を込めてロッド大きくあおると、
バスの全体重がロッドにズッシリとのし掛かった。
水面に躍り出たのは、ゆうにキロを超えるバスだった。

 

自分の戦略通りに釣れたバスフィッシングほど楽しいものはない。
自然との勝負、バスとの闘いで勝利したことになるからだ。
しかし、毎回勝てるわけではない。
負けるときの方が遙かに多いのが事実だ。
しかし、その負けを省みて、次の勝負で教訓として生かすことが出来れば、
その後の勝負に勝機はある。

いよいよ青龍(チンロン)のシーズンが来た。
水温が安定しない下降気味の18℃から10℃辺りまで、
勝機を作り上げてくれる心強い味方、
青龍(チンロン)登場のシーズンが来た。
さぁ、ディープクランクを持って、霞ヶ浦にいらっしゃい!
頑張り続ける心と体があれば、大きなバスはキミのすぐそばにある。