■It’s a small world

いやぁー、久しぶりの更新だ。
ご無沙汰ばっかりで失礼しました。
昨年の11月以来だから、かれこれ半年になるんだね。

そうこうしているうちに、
霞ヶ浦ではバスの産卵が終了期を迎え、いよいよ夏パターンとなる。
いよいよ心行くまでバスフィッシングの堪能できる季節の到来!
となるんだね。これは嬉しいねぇ。
やっぱり産卵期の巣を守るバスを釣るのはちと心苦しいね。
でも、重量感たっぷりのメスを釣るのは大きな魅力…ではある。
この矛盾を抱えてバスアングラーは思い悩むんだよね。

6月に入って梅雨を迎える頃になると、バスの産卵は一段落する。
すると彼らは、産卵と言う一大行事で衰弱した体力の回復のために、
旺盛な食欲を見せるようになる。
そう、トップウェーターゲームの面白いシーズンを迎えるのだ。
バスフィッシングの醍醐味は、
まさにこのトップウォーターゲームにあると言っても過言ではない。
と僕は思っている。

普段、ミニワームばかりに頼っていた釣りから、
このシーズン限定でもいいから少しだけ解放されて、
ペンシルベイトやスイッシャー、バズベイトなどのルアーを駆使して、
水面でバスを誘うゲームを展開してみたらどうだろうか?
たぶん、バスフィッシングの面白さがさらに深まると思うよ。
先日開催されたW.B.S.のSuper 3 Daysでも、
渡辺学くんがバズベイトで45cm級と40cm級の二尾を釣りあげた。
ついつい敬遠がちなハードルアーでのバスフィッシングに、
今シーズンこそチャレンジして欲しい〜のあき。

と言うことで、今回はライトタックルからの脱出心得の一方法として、
ハードルアー選びの基本中の基本であるルアーセレクト方法を紹介しよう。
まず初めに、幾千万とあるルアーの中から「これが好き」とか、
「これで釣りたい」とか、「この色がタイプ」とか、「このシェイプがいいね」など、

自分の好みのルアーを見つけるのがイの一番、先ずすべき先決事項である。

で、そのイの一番ルアーを見つけられたら、
少なくてもそのルアーの特徴や特性、効果などを知っておく必要がある。
自分の持ち駒の能力も分からずに使うことほど、愚かしい行為はない。
そこで、『敵を知り、己を知れば、百戦しても危うからず』の諺が重要となる。
そして、『兵を知る者は動いて迷わず、挙げて窮せず』の通り、
ひとたび行動を起こしたら決して迷わず、
策に困窮しても根を上げない心構えが大事なのである。
これらは孫子の兵法である。

そんな孫子の兵法を実践して、
ハードルアーでのバスフィッシングを堪能しよう。
今回は……スモールマウス。
こいつをハードルアー、それもトップウォータールアー限定で釣戦してみた。
ルアーはスミスのキャスパー……って懐かしい?
もう生産されていない小型のペンシルベイトだけれど、
一目でスモールには絶対にいいなぁ! と思っていた。
あれから数年が過ぎたが、今まで一度も活躍させたことが無かった。
日本でのスモールマウスバスの釣りは、昨年から再開したからだ。
それまではズーッと休んでいた。
桧原湖に行っても、野尻湖に行っても、昨年までは一切手出ししなかった。
アメリカに行ってやるぐらいだったのだ。

が、昨年からは堂々とやるようになった。
2005年の6月に特定外来生物被害防止法が施行されて、
その中にスモールマウスも入ったからだね。
いろいろなご意見もあろうが、たとえリリースしたとしても、
魚釣りをすることで産卵抑制になるし、
生息数の制御もできる……と皆さん同様に考えたからである。
同時に、この法律が「バス釣りを規制するものではない」ことと、
流儀である「キャッチ&リリースを制限するためのものではない」ことが
広く国民に示されたからでもある。

と言うことで、スモールマウスバスを釣りに福島県の裏磐梯に行ってきた。
いやぁー楽しかった。
ペンシルベイトでガンガン出るんだからたまりません。
この日は得意のクランクベイトよりもペンシルベイトなどの
トップウォータールアーへの反応がすこぶる良くて、
たっぷり楽しむことができた。

  
急深で風や流れ込みなどによる流れが発生しないエリアでは、
ペンシルベイトがその力を遺憾なく発揮してくれて、
面白いようにバスがバイトしてきた。
その数、40バイトは軽く超えたんじゃないかな。
サイズは25cm〜35cmほどの中型のバスばかりであったが、
水面での強烈なバイト音や水底への急激な突っ込み、
高く激しくジャンプする強靭なファイトは、
日々の暮らしに少し疲弊した心を躍らせ、甦らせるのに十分だった。

  
たった一尾でいい。
自分が信じたルアーでバスを釣ると、大きな満足感が心の中に宿る。
これがルアーへの信頼感の誕生である。
この信頼感を増幅させるには、ルアーの動きをしっかりと把握したり、
ルアーにチェイスしてくるバスをいち早く発見するための武器、
偏光グラスが不可欠となる。
偏光グラスを忘れると折角のバイトへの対処が一歩遅れることになり、
40ものバイトを確実に手にする確率を、グ〜ンと下げてしまうのである。

 
ルアーのアクションは三回左右に頭を振らせて一回ポーズ、
と言うオーソドックスなもの。
大切なのはほんの僅かでもいいから食いつける時間を与えることだ。
1秒でも、コンマ5秒でも、動きをいったん止めるってことを確実に行うと、
その瞬間にドッカーンと飛び出す。これがかなり面白い。
してやったり! って気持ちが強くなる。
釣れたぁー! ではなく、釣ったー! って心持になる。
そう、トップウォーターゲームは、ハートブレイクなバス釣りの醍醐味であり、
強烈無比な刺激なのである。

暑さを凌げる福島県裏磐梯の湖沼でのスモールマウスバスフィッシング、
たまにはこんな釣りも楽しいね。
暑さを避けての釣行だが、熱い思いを滾らすことができた。
やっぱりバスフィッシングは面白い。
やっぱりバスフィッシングは心の安らぎ。
この梅雨からハードルアーでのバスフィッシング、
ラージもスモールも共に楽しめるので……どうぞっ!

最後に、『敵を知り、己を知れば、百戦しても危うからず』の言葉通り、
自分が使うルアーの能力をしっかり理解して、
その効果を最大限に発揮できる方法を見出し、
『兵を知る者は動いて迷わず、挙げて窮せず』の言葉通り、
ひとたびルアーをセレクトしたら釣れるまで決して迷わず、
根を上げずに頑張りを貫き通すと言う、
孫子の兵法式バスフィッシングを実践してみたらいかがだろう。
この夏、きっと貴方のバスフィッシングの何かが変わると思うよ。
頑張れ!