吉田幸二の釣参菩思

■　霞ヶ浦の面白さ

釣参菩思・・・魚釣りに行ったなら、
菩薩の心で釣りをしようと言う意味です。
それが足下のゴミを拾う行為でも良いし、
釣った魚を元の水に戻す行為でも良いんですね。
慈愛や慈悲の心が溢れる行為をしなさいね・・・
と言う意味なんです。

普段は悪者でも良いですよ。
とは言うものの、犯罪者は駄目ですよ。
でもね、釣りの時は良い人におなりなさいね。
まぁ、そう言うことですね。

釣りの時だけでも良い人になっていると、
普段の生活でもそれが実践できるようになるんです。
それは、ゴミ拾いと同様のことです。
ゴミ拾いに参加した人は、
ゴミを捨てない人になれるんです。

誰だってゴミだらけの場所で釣りするよりも、
ゴミのない自然あふれる場所で釣りがしたいですよね。
そんな釣り人の願いを実現させるのが、
釣参菩思の考えなのです。

　

さて、近年の霞ヶ浦、バスが良く釣れています。
7月上旬のW.B.S.北浦第二戦では、
トップウェイトが5960ｇ（5尾）でした。
霞ヶ浦の復活を予感する様なウェイトです。
復活！　霞ヶ浦……そんな気がする昨今の霞ヶ浦です。

その原因の一つとして考えられるのが、水の変化でしょう。
太平洋岸を襲った東日本大震災の津波で、
霞ヶ浦の塩分濃度が上がってしまいました。
また、築堤の各所で破損があり、
その修復のために順流で水を流しています。
塩害防止や築堤の補修工事など、
大震災の影響で例年になく霞ヶ浦の水位が低下しています。
そのため、水に透明感が出始めました。
場所によっては1メートルほど見えるところがあります。

そして、何よりも水色がグリーンなのがいいです。
植物プランクトンが多いなぁ・・・と、直感できます。
だから、ちょっとした水温の変化で、
すぐにアオコが発生します。
が、アオコを恐れないでくださいね。
つい数年前まではアオコも出ないほどの、
水質悪化だったのですから。

　

水中の食物連鎖は、
植物プランクトンを動物プランクトンが食べ、
次に動物プランクトンを小生物が食べ、
その小生物を小魚や甲殻類が食べ、
さらに小魚や甲殻類をより大きな魚が食べて・・・
と言う仕組みになっています。

つまり、植物プランクトンは、
水中の食物連鎖で一番底辺となる生物なんですね。
その植物プランクトンがいないとなれば・・・
水中から命が消えてしまうと言うことです。

そんな状況だった霞ヶ浦のつい数年前、
しかし、ここ最近はワカサギの豊漁に見られるように、
霞ヶ浦の水中に命が溢れて来ています。
2000年、ワカサギの水揚げが年間に50トンほどだったのが、
一昨年は450トンと9倍の伸びです。

一時期、行方不明になっていたペヘレイも
大きくなって現れ始めました。
このペヘレイと言う魚、
小さい時はプランクトンイーターですが、
大きくなると小魚や甲殻類を好んで食べるようになります。
つまり、絶好のルアーフィッシング・ターゲットに、
なり得る魚なのです。

この様に、霞ヶ浦にはいろんな魚がいて、
私たち釣り人を楽しませくれます。
だから、一つ一つの命を大切にしたいですね。
僕はこれからも魚たちの命を大切にしつつ、
釣りを楽しんで行きたいと思います。
魚たちがいてこその魚釣りですから。

　

7月に入ってからはテナガエビ釣りを楽しんでいます。
この時期限定の釣りです。
産卵で浅場に接岸して来るテナガエビを、
タマウキ仕掛けにアカムシやミミズ餌で釣りのですが、
子どもの頃から親しんだせいか、今でも夢中になります。

テナガエビ独特のツンツンツンといった引き心地や、
石積みに入られてしまったり、餌を離してしまうもどかしさなど、
小型なれどそれなりに楽しめます。
魚ではない・・・と言うのも魅力の一つですかね。

それと、冷えたビールの肴に、打って付けなんです。
酒で洗って、粉をまぶして唐揚げにすると、
晩酌のビールの肴に最高です。
季節を食す・・・って感じですね。
こんなことも、テナガエビ釣りの魅力です。

　

ああ、それとですね。
テナガエビを狙っていると、いろんな魚が釣れます。
チチブなどのハゼ類は勿論、タナゴやブルーギルなどもね。
先日は、チュウゴクオオタナゴを釣りました。

　

で、テナガエビを入れて五目釣りが楽しめました。

　

朝5時頃から8時頃までの3時間で、
30匹ほどのテナガエビが釣れました。

　

これくらい釣れれば、今夜の酒の肴になります。
多からず少なからず・・・程々やソコソコが良いんですね。
資源は限りがありますからね。
で、食べない魚は逃がしました。
オオタナゴもブルーギルも・・・無闇に殺生をしない！
これも釣り人の暗黙のうちのルールだと思います。
魚がいてこその魚釣りですからね。

　

テナガエビ釣りを終えて帰ろうとした頃、
すぐ目の前で漁師さんがウナギ捕りをしていました。
う～ん、エビ餌でウナギ狙い・・・それも面白そうですね。
いろんな魚がいて、いろんな釣りが出来る霞ヶ浦に感謝、
そして乾杯です。